甥が膝の上で寝た「明日、子守りをしてくれないか」 兄は前日の夜に、連絡をしてきた。 実兄も義姉もそれぞれ自営業であり、たまたま双方が在宅しないことになってしまった、ということ。 同じ町内に住って一年余り。 初めての…続きを読む
さっき考えた画面の中では煌びやかな衣装や軍服に身を包んだ貴族達が、音楽に合わせて優雅なステップを踏んでいる。 仮面で素顔を隠した婦人は艶めかしく微笑み、口髭を蓄えた紳士は姿勢正しく勇ましい。 ヨーロッパ貴族の…続きを読む
大事な話君のことが好きなんだ。 どうか僕と、付き合って欲しい。 理由? 人を好きになることに理由なんて……は、通用しないか。 そうだね。 僕は昔から、ほんの小さな頃から、美しいものが好きなんだ。 物心つい…続きを読む
笑えばこんな私にも、親しくした人がいる。 その人は良く言ったものだった。 曰く 酒は好きだが、酔っ払いは嫌いだ。 だが、もっと嫌いなのは自分が醜く酔っ払うことだ。 曰く アルコールは極めて優秀なコミニ…続きを読む
ふたりの一幕明転 アキ 台所から卓袱台へ夕飯を運ぶ ジュン 上手の玄関ドアを開けて室内へ アキ「おかえり」(嬉しそうに) ジュン「ただいま」 アキ ジュンの背後にまわり、コートを脱がせながら 「今日もジャ…続きを読む
前稿が長いので3行で。深夜にくだらないものを書いたら、もっと書きたくなりました。 朝になりました。 寝不足こわい、肌荒れこわい。 フォローありがとうございます。続きを読む
決して夜中に 開けてはいけないふとした出来心だった。 少しくらいなら平気だろう、と。 本当に軽い気持ちで、その箱の蓋を開けてしまった。 大人として暮らしているうち、いつしかそれから目をそらすことが当たり前になってしまっていた、心…続きを読む
酒と青春の(旅立たない)駄目な学生だった。 ろくに大学にもいかず、伸びた髪をお座なりに引っ詰めて、メガネのつるは開きっぱなしで、いつ洗ったのかも忘れたような半纏をひっかけて、くたびれた下宿の台所に炬燵を置いて酒ばかり呑んで…続きを読む