お肉食べ太郎の日記

2018年04月06日 23時23分

笑えば

こんな私にも、親しくした人がいる。
その人は良く言ったものだった。

曰く
酒は好きだが、酔っ払いは嫌いだ。
だが、もっと嫌いなのは自分が醜く酔っ払うことだ。

曰く
アルコールは極めて優秀なコミニュケーション・ツールだ。
だが、酒類をそのようにしか用いない人種とは、きっと仲良くなれない。

曰く
アルコール臭に違和感を抱かなくなったら、もうその日は飲むのをやめた方がいい。
吐いてしまうような飲み方は、酒に対して不敬だ。

曰く
お酒はおいしいものだ。
美味しいのだ。
酔うためだけのものではないのだ。
なんでみんなわからないんだ。

曰く
貴様らテキーラの原料を言えるか、と。
アガベって言葉を聞いたことあるか、と。
生産国を言えるか、と。
『テキーラー!』じゃないんだよ。
特に度数が高いわけでもないんだよ。
ウォッカもジンもウィスキーもそう変わらないんだよ。
酔っ払いたいだけなら大五郎でも飲んでてくれよ頼むから。
テキーラに失礼だと思わないのかよ。

曰く
12年だよ、12年。
こうやってグラスに注がれるために、12年も眠ってる必要があったんだ。
「完成までに12年をかけた大作」なんだよ。
味わって飲まないなんて、失礼にも程があるじゃないか。


寡黙にグラスを傾ける姿が絵になる人だったが、アルコールによって口が滑らかになったその人もまた、味わいがあって嫌いではなかった。

酒類に対する哲学は、その人からの受け売りがとても多い。
酒類が農産物だという事実など、目から鱗だったと言ってもいい。

今ではもう叶わないが、もっと教わりたいことがある。
聞いておきたい話が沢山ある。


例えば
あなたが便器と愛し合った後のトイレを片付けるとき。

そういう時、どんな顔をすればいいかわからないの。