2017年11月19日 21時00分
「ううー、重い。なんでこんな重いものをか弱い女が運ばなきゃならないのよ」
花子はぐちぐちと言いながら、段ボールに詰められた教材をえっちらおっちらと運んでいた。
「間宮先生はすぐに日直をこきつかうんだ…続きを見る
2017年11月19日 21時00分
「ううー、重い。なんでこんな重いものをか弱い女が運ばなきゃならないのよ」
花子はぐちぐちと言いながら、段ボールに詰められた教材をえっちらおっちらと運んでいた。
「間宮先生はすぐに日直をこきつかうんだ…続きを見る
2017年10月26日 21時27分
佐藤書店は花子の通学路にある個人経営のちいさな書店である。昔から花子は佐藤書店で少女漫画を買いあさっていたため、店主からはすっかり少女漫画の子と認知されていた。
今日は花子が毎月買っている少女漫画雑…続きを見る
2017年10月20日 22時34分
『下校時刻となりました。部活動などの用事がない生徒はすみやかに下校してください』
下校を促す放送を聞きながら、花子は昇降口に立ち尽くしていた。
「雨じゃなかったらさっさと帰るわよ、まったく」
やりが…続きを見る
2017年10月15日 21時05分
「ですからここで、和枝は院長に誘われるがままに不倫をするわけですね」
保健室を追い出された花子と健は大人しく授業を受けていた。現国の授業なのだが、題材がいささかおかしいのは気のせいだろうか。
妙な題…続きを見る
2017年10月14日 20時57分
「あれ、エレナちゃんじゃない。久しぶりだね」
「えっ、あなたは花子!?なんでそんな今にもさらわれそうな体勢ですの!?」
「ああ、これには深い事情があってね」
米俵のごとく担がれながら遠い目をしている…続きを見る
2017年10月13日 22時16分
「あれ、そういえば木村くんが私を保健室まで運んでくれたんだっけ?」
「うん、そうだよ」
「ごめんなさい、重かったでしょ私」
恥じらいつつ聞く花子。貪欲にお約束を求める以外は、けっこうな乙女である。
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2017年10月12日 21時19分
さんさんと輝く太陽に青い海。真っ白な砂浜を男女が追いかけっこしていた。
「おぉ~い、待ってよ、花子~」
「うふふ、捕まえてごらんなさい、健~」
花子と健であった。
瞬く間にふたりの距離は縮まり、花子…続きを見る
2017年10月11日 21時44分
「ごめんね、山本さん。逃げ出す口実にしちゃって」
「ううん、いいの。私も木村くんと校内を案内してあげる約束をしていたような気がするし」
頭の中までホットホットな花子はあんぽんたんなことを言い出した。
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2017年10月10日 21時00分
ただでさえも好奇心を刺激される転校生。それもイケメンとなると、質問ぜめにあうのは必然だろう。
健の机は女子たちによって包囲されつつあった。
きゃあきゃあと黄色い声で質問する女子たちを、男子が憎悪を奥…続きを見る
2017年10月09日 16時00分
「よーし、じゃあ授業を始めるぞ」
「あのう、先生。僕まだ教科書届いてないんですけど」
健が申し訳なさそうに手を上げて言った。これはもしや、とお約束展開を期待して花子の目がきらりと光る。
「ああ、そう…続きを見る
2017年10月08日 17時42分
朝のホームルームの時間。花子がいる2年A組の教室はざわついていた。主に女子生徒が。
それも無理はない話で転校生が来たのだ。それもイケメンの。そう、今朝がた花子がお約束の出会いをした、あのイケメンが。
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2017年10月07日 22時05分
閑静な住宅街の曲がり角の手前。そこにすっかり冷めたトーストを手に持った女子高生が立っていた。
48人いるグループのオーディションにギリギリ落ちそうな彼女の名は、山本花子。見た目はちょっとイケテる女子高…続きを見る