2017年10月08日 17時42分
お約束の花子 噂の転校生編
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朝のホームルームの時間。花子がいる2年A組の教室はざわついていた。主に女子生徒が。
それも無理はない話で転校生が来たのだ。それもイケメンの。そう、今朝がた花子がお約束の出会いをした、あのイケメンが。
「初めまして、木村健(たける)といいます。趣味はひとりじゃん拳です。よろしくお願いします」
健の自己紹介にざわつきが、別の種類のざわつきに変化した。やだイケメン、のざわつきから、あいつヤバくない、のざわつきに。
しかしそれも一瞬のことで、まあイケメンだからいっか、と許された。むしろ逆にありきたりじゃなくてイイ!とまでなるのだからイケメンおそるべし。
「じゃあ木村の席だが…」
「はい、先生!私の隣に都合よく、なぜだか空いている席があります!」
都合よくというか花子がこんな時のために用意していた席なのだが、誰もつっこんだりはしない。だって、花子だもん。
「そうか、それは都合がいいな。じゃあ木村の席は、山本の隣だな」
よっしゃと小さくガッツポーズをする花子の隣に、健が腰かけた。
「また会ったね。よろしくね、お隣さん」
顔を寄せてこそっと言ってくる健に花子は顔を赤くして、こくこくと頷くしかできなかった。
妄想では百戦錬磨の花子だが、実戦経験は皆無だ。生のイケメンを前にしてたじたじである。
みそ(鳩胸)
花子ですもんね。
2017年10月08日 18時55分