朝はパン パンパパン

ローストビーフにステーキに骨付きチキンに茹で豚。少女は見事なまでに自分の好物を皿に盛り付けて食べていた。野菜や果物なんて軟弱なものには目もくれない。
「ああ、こんなにお肉を食べられるなんてしあわせ…。これだけで来た価値があるというものだわ。というか何しにきたんだっけ…?」
少女を社交界に送り届けるために文字通りその身を捧げた親方が草葉の陰で泣いていることだろう。
首をかしげる少女の前を、光沢のあるズボンに包まれたきゅっと引き締まった尻が通りすぎた。どこかで見たような光沢に尻だ。
「あっ!そうだ玉の輿!」
あまりにもな呼び方をされたのは少女が街で出会った青年だった。