みそ(鳩胸)
2017年12月23日 22時03分
「もう疲れちゃった。雪の中で永遠に眠っていられたらいいのに」 ベンチの端に薄く積もった雪に触れた手を僕は掴んだ。雪と一緒に君まで溶けて消えてしまいそうな気がして、掴まずにはいられなかった。 「あたた…続きを見る
2017年12月20日 21時25分
「私を抱くと、みんな離れていく。止まり木から飛び立つ鳥みたいに」 そう言って君は何かを諦めたような笑みを浮かべた。それは失うことに慣れた人だけがする笑みだった。 二度目があったことはないと言うと、疲…続きを見る
2017年12月18日 21時41分
雑踏の中に君によく似た背中を見つけた。か細く生真面目で、掴もうとすると雪のように消えてしまいそうな、脆く儚い背中。 君じゃないとわかっていても、未練がましく目で追ってしまう。もうこの街のどこを探して…続きを見る