か朝はパン パンパパン
「トウカさん」
「いいよ、トウカで」
「じゃあトウカ、僕のことはスバルって呼んでよ」
「スバル」
その名前は彼の静かなたたずまいにすごくよく似合っている。でもそれをそのまま言うのはちょっと気恥ずかしくて、胸にしまっておく。
「嬉しいな、おばけになってから初めて知り合いができたよ」
「でもこれまでにもスバルが見えた人はいたんでしょう?」
「いたけどどうにも怖がらせちゃってさ」
「まさか、おどかしてたの?」
「怖がらせないようにひっそり近づいたんだけど、それが相手からしたら急に現れたように見えたみたいで、逆にびっくりさせちゃって…」
「やさしさがアダになったんだね…」