朝はパン パンパパン

それでもあなたが最後に残した思いを知りたいと思い、テーブルの上にノートを乗せて葛藤することをなんども繰り返していた。今もこうして震える手を伸ばし、ページをめくろうとしている。
パンドラの箱を前にしたらこんな気持ちになるのだろうか。絶望しかないとわかっていても、ひょっとしたらどこかに希望もあるのではとすがってしまう。
深く呼吸をしてページとページの間に指先を差し込むと、心臓が早鐘のようにどくどくと脈打ち、生き物に触れているかのように指先が熱くなった。重さなんてないに等しいはずなのに、指先にずしりとした重みを感じる。まるであなたがノートを読まれるのを拒んでいるように思えた。