朝はパン パンパパン

憎しみか嫉妬か、あるいはその両方を込めてノートを睨み付けているとけたたましくスマホが鳴った。見覚えのない番号を不審に思いつつ、妙な胸騒ぎがして出ると警察からの電話だった。
あなたの運転する車が事故に遭い、意識不明の重態になって病院にいるということを淡々とした声が告げた。頭がくらくらし、周囲の景色がさっと色を失い、足場が崩れ落ちる感覚がした。
機械のように言われるがままにメモを取り、タクシーを呼んで病院まで駆けつけたがすでにあなたの命は失われていた。その顔は安らかで、今にも目覚めそうに見えた。けれどいくら呼びかけても、からだを揺らしても、あなたが目覚めることはなかった。