肉店で使ってる友達の包丁、初めて見たメーカーなので調べたら肉屋界隈では主に機材と包丁で有名なメーカーだった。
状態はというとやたら鈍角なでっかい小刃(大刃と言ってもいいくらい)、切っ先は鶴首だし顎は研いでいないのかそこだけ刃が減らずに出っ張っていたりでここまで状態が悪い包丁を研いだ事はなかったが何とか本来の形に直せた。

一般的な包丁は割り込みといって軟鉄の間に芯材の硬い鋼が入っている。
整形作業は主に側面の軟鉄をそぎ落としていくのだがこの包丁は全部が鋼で出来たいわゆる全鋼タイプの包丁で、ただでさえ形が歪で分厚いのに硬い(研ぎおろしづらい)という何重苦の作業だった。

合計6時間くらい試行錯誤しながら研ぎおろしたけどこのレベルの作業は2度とやりたくない。買ったばかりの荒砥石も相当すり減ったし。
しかしこういう山を越えると必ずレベルアップするから良い経験ではあった。

先ほど「怖いくらいの最高の切れ味」と連絡がきてほっとした。今度からは店で研がないで持ってきてくれとお願いしておいた。