2017年10月23日 20時00分
(祝) 戦闘力700記念 ミソえもん 後編
タグ: ミソえもん
「ミソえもーん!」
家に着くなり媚び太は、優雅にアフタヌーンティーを飲むミソえもんに泣きついた。
「どうしたんだい、媚び太くん。勉学に励んできたわりには元気じゃないか」
聞く者を落ち着かせるバリトンボイス。ミソえもんはどこからどう見ても紳士である。
「君も飲むかい?紅茶はこころを落ち着かせる」
「その名前でなんで紅茶好きなんだよ!おかしいだろ!」
なれた手つきで紅茶を淹れるミソえもんに、媚び太がみっともなくつっこむ。まるでよく吠える犬のようだ。
「おいおい、媚び太くん。名前の通りに育つ人なんて少ないだろう?おっと、君は名前の通りに育ってしまったようだがね」
気の利いた冗談のつもりなのか、女性なら虜になってしまいそうなウインクをしてくるミソえもんに媚び太は脱力した。
「どうせ僕は人に媚を売るのがお似合いですよ。なんせ媚び媚び太だからね」
媚び媚び太。冗談のような名前だがそれが媚び太のフルネームである。キラキラネームどころではない。
「おいおい、それなら私にも媚びを売ってくれていいんじゃないかい」
「ミソえもんはよくわかんないけど、味噌の妖精なんだろ?なら媚びを売ってもしょうがないじゃないか。人じゃないんだし」
「ははは、それもそうだね。これは一本取られたよ」
陽気に笑うミソえもんを横目で睨みつつ、媚びたはずるずると紅茶をすすった。悔しいが、美味い。
「こらこら、媚び太くん。紅茶は日本茶じゃないんだ。音を立てて飲むのは少し品がないなあ」
「品とかどうでもいいんだよ!モテすぎだよ!」
「なんだね、またモテすぎくんに嫉妬でもしているのかい?」
「それがね、聞いてよミソえもん!」
怨み辛みも生々しく、媚び太は昇降口であったことを説明した。ミソえもんは呆れながらも、口を挟まずに頷きながら最後までそれを聞いた。
「事情はわかった。それで媚び太くん、君は私にどうしてほしいんだい?」
「どうするもなにも、あれだよほら。四次元的な広さのポケットから秘密道具を出したりとか」
「媚び太くん、私がそんな都合のいいものを持っているように見えるかい」
ミソえもんは自信満々に手を広げて何も持っていないアピールをした。彼は突如、媚び太の机から多量の味噌とともにぬるりと溢れ出てきた。紅茶のセットと、やたらと立派な味噌樽だけを持って。
しばらくの間、机はおろか部屋全体が味噌臭くてたまらなかったのは言うまでもない。ちなみに味噌は綺麗に回収され、媚び家の食卓を支えている。
「ほら、あの味噌樽が実は四次元味噌樽で、中には未来の技術が使われた少し不思議な道具が入ってるんじゃないの」
「おや、あれはそんなに便利なものだったのかい。初耳だなあ」
とぼけたように言うミソえもんに、媚び太は盛大にため息をついた。
「もういいよ。ミソえもんに頼ろうとした僕がバカだったよ」
「まあ、待ちたまへよ、媚び太くん」
ひょっとして何か秘密道具があるのか、と思わず期待の目を向ける媚び太。やはり『えもん』と名のつくものはそうでなければ。
「今日の夕食は、味噌尽くしだぞ!」
「ミソえもんが来てからずっとそうだよ!このすっとこどっこい!」
ミソえもんが媚び太に与えたものは多量の味噌と美味しい紅茶だけであった。
みそ(鳩胸)
レイトン教授が好きなのでたぶんそのせいでしょう。
2017年10月23日 20時10分
みそ(鳩胸)
変態でも紳士。紳士でも変態。
2017年10月23日 20時45分
一汁一菜子
バリトンボイス………(惚)
2017年10月23日 20時46分
みそ(鳩胸)
アフタヌーンティーまで用意してくれるなんて、一家にひとりほしいですね。
2017年10月23日 20時48分