朝はパン パンパパン

高崎はそれにわりいわりいと言いつつ、悪びれた様子もなく笑って肩を組む。越田くんは困ったような、でも嬉しそうな顔で笑い返す。ふたりがこんな感じで笑い合うのなんて久しぶりのことだ。
「20人もいないのに学年トップなんて言われても、井の中の蛙もいいとこだよ」
「万年ドベからすりゃあ神様みたいなもんだって!」
なんの屈託もなくそんなことを大きな声で言う高崎にみんなが笑ってしまう。バカにしたようなところはなく、しょうがないなあって感じの笑い。
折原くんの起こしたプチ騒動はこうして幕を閉じた。高崎がどこまで学力を伸ばせるかわからないけど、お父さんもきっとその努力は見てくれるだろう。