朝はパン パンパパン

朝方は涼しく秋の虫の唄声が聞こえるようになってきた。大きく開けた窓から入ってくる風は心地よく二度目の眠りに誘うかのようだ。
「あっ…」
吹いてくる風にあまく香ばしいにおいが混じった。お向かいのパン屋さんから漂ってくるそのにおいにつられるように、私のお腹はぐーっと切ない声をあげた。
この時間に焼き上がるのは確かクリームパンのはずだ。ふわふわした丸パンにしっとりなめらかで甘さ控えめなクリーム。ああ、想像しただけでよだれが出そう。
お盆で蓄えたお肉をなんとかしなきゃと思ってたけど、今日はまだいいよね。だってこんなにいいにおいがするんだもん。