日向口
好きな文章
トニーのやつ、ようやくやってきはしたけれど、一時間以上の遅刻だった。
トニーはいつも遅れるんだ。自分の結婚式にも遅れたぐらいだからな。でも、トニーは何もいわなかったが、彼なりに考えてはいたんだな。車が高速に入ると一気にスピードを上げた。そのうち、後ろにサイレンの音が聞こえてきた。
そうこうするうち、パトカーを後ろにくっつけたまま、トニーは空港に飛び込んで、子分の一人に大急ぎで俺の荷物の手続きを済ませろと命令した。子分は車から飛び降りると、おれの荷物を持って行列の先頭に走りこんだ。係員になにか言われると、強面に言い返し、その形相を見た相手はたちまち引き下がった。
私はふと向日葵の事を思い出していた。
そしてなるほどと思った。
向日葵が供花を連想するか……、
そう言えば言ってたな……あいつ、
向日葵はキク科の植物だから似てるんだって……。
私はこの白い世界を一度歩いた事がある。
この道を歩くのは二度目なんだ……。
この越えられない白い世界……、
それはまるで向日葵畑の先にあったあの坂道の様に……、
「私が望めば存在するか……」
私は白い世界ですべてを思い出していた。
きっと夢から覚めたら、いろんなことを忘れちゃうんだろうな。
だけど、この白き無限回廊の先を私は目指す。
みなは……
眼を……
ひらきました
Never knows best
疲れて老いた木は、不承不承に存在を続けていたが、それは単に死ぬには弱すぎたからであり、死は外部からしか来られないためだ。
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