ワイの好きなマンガのひとつに乙嫁語りというのがある。


　単純に出てくるキャラが可愛かったり絨毯とか綺麗だったりする、特にこの作者は背景が病的に繊細で刺繍や金細工を絵画レベルで仕上げてくるからヤバイ。

　だが、それ以上にワイが気に入ってるのは、今の日本より遥かに過酷な環境で、かなり強烈に男性が男性としての生き方を求められて、女性が女性としての生き方を求められる時代と土地で、そこで生きる人たちの人生は不幸だったのかというテーマがあるように思う。

　ワイが読んだ限りでは不幸だった人もいるけどちゃんと幸せに生きてたって印象を受けた、もちろん今の男女の機会均等平等、福祉の充実の考えは否定しないしむしろ進めていくべきだと思うが、どんな時代でも自由は外的・思想的な影響でどうしても制限されて、思いがけない不幸に襲われる事も絶対に無くはない、その中で色んなものを諦めたり頑張って手に入れたりして生きてる事には何の違いも無いはずなのだ。

　だからこそこういうものに接する時に、この世界にはこの世界のルールがあり美学があり思想があるから俺らとは違う基準で世界ができてるんだという考え方の基礎を設定することがそもそもの読む前の思考のマナーだと思うようになった。

　同じようなテーマを考えさせられるマンガとしては蟲師があるが、アレもまた明らかに異質な価値基準で生きてる者に対する理解というテーマがあるように思う。


　ただ、これも明らかに許容範囲の問題があってどう頑張っても相容れないと思うようなモノにはノーセンキューの態度を取ることを否定してはいけないと思う、あまり過度なストレスを感じてまで許容すべきとは思わない。