2017年11月14日 21時09分
ミソえもん 行きたいところに行けるドア編 前編
タグ: ミソえもん
とある休日。媚び太は特に予定もなく部屋でゴロゴロとしていた。せっかくの陽気だというのに、小学生らしくないことこの上ない。
「はぁ、僕もモテすぎみたいな顔だったら、女の子とデートとかできたのかなあ」
「どうしたんだい、媚び太くん。そんな干からびたことを言っていては、せっかくの休みがもったいないぞ」
媚び太の干からびた声とは対象的な、張りのある渋い声がした。
「余計なお世話だよ。それよりミソえもん、里帰りに行っていたんじゃないのかい」
「君のことが心配で早めに帰ってきてしまったよ」
「よく言うよ。居づらくなっただけなんじゃないの」
ぶつくさ言いながら起き上がった媚び太の目の前には、畳には不似合いな木製のモダンなドアがあった。紳士然としたミソえもんが並んで立つと、洒落た映画のワンシーンのように見える。
「なんなのさ、そのドアは?」
「ああ、これかい。とある知人から貰ってね。なんでも、行きたいところに行けるドアと言うらしい」
そのまんまな名前である。
「えっ!?それってどこでも」
「行きたいところに行けるドアだ。なんでもこのドアを開けた人が、行きたいと望んだところに繋がるドアらしい」
「いや、それをどこで」
「行きたいところに行けるドアだ。二度と間違えるなよ、クソガキ」
「わ、わかったよミソえもん。そんな怖い顔しないでよ。っていうか今、クソガキって言ったよね!?」
「ははは、なんのことかな」
般若のように険しい顔から、途端に胡散臭い笑顔になるミソえもん。媚び太はミソえもんの闇を感じずにはいられなかった。
「さて、それでは早速使ってみようか。私もまだ使っていなくてね、どんなものか楽しみなんだ」
「あれ、これを使って帰って来たんじゃなかったの?」
媚び太は行きたいところに行けるドアを指差した。無駄に長い名前なので、これ呼ばわりも仕方ない。
「いいや、行きと同じ電車で帰って来たよ。まさかこんな怪しげなもの、ああいや、楽しそうなものはまず媚び太くんに使って欲しいからね」
「それって実験台ってことだよね!?」
「さあ、媚び太くん。行きたいところをイメージして、このドアを開けてみたまへ!」
今日のミソえもんはいつになく強引である。予定よりも早く帰って来たことといい、実家で何かあったのだろうか。
「わかったよ、ミソえもん」
何かあったのではと思いつつも、聞かないでおく大人な対応の媚び太であった。
カピバラの使い
新章始まった!
2017年11月14日 21時10分
みそ(鳩胸)
ゼットンさん
これからもマル秘道具が出るかもしれません。
2017年11月14日 21時33分
みそ(鳩胸)
ちょうどいいさん
媚び太くんはお風呂を求めるのか、次回をお楽しみに!
2017年11月14日 21時33分