2017年10月17日 21時09分
パン忍者「一の巻 やつの名は」
タグ: パン忍者
「なあなあ姉ちゃん、ちょっとくらいいいじゃねえかよ」
「そうだぜ、俺たちといいことしようぜえ」
「いやあ、誰か助けて!」
やたらと人通りが多い駅前だというのに、誰もが悪漢に絡まれる志穂から目をそらし見てみぬふりをする。恐るべき、東京砂漠。彼らの良心は忙しない日常に殺されてしまったのだろうか。
「誰も助けてなんかくれねえよ」
「さあ、行こうぜえ」
絶望に打ちひしがれる志穂の手を悪漢が掴もうとしたそのとき、サクッと小気味よい音がした。
「あっ、なんだあ?」
「お、おめえ、額に食パンが刺さってるぞ!」
「な、なんじゃこりゃあぁ~!」
叫ぶとともに悪漢Aの額から血が吹き出し、どうと倒れこんだ。
「ひ、ひいいぃぃ!」
悪漢Bの悲鳴を聞き付けた人々が何事かと注目し、騒ぎが広がる。
「おい、なんだよありゃあ」
「食パンが突き刺さってるぜ」
「マジかよ、なんかの撮影か」
パシャパシャと写真を撮る人々で、志穂と悪漢たちを中心にドーナツ状の空白ができた。誰もが直接助けようなどとはせず、救急車すらよばない。恐るべき、現代の闇。
騒ぎだす人々の隙間を縫うように、第二の食パンが悪漢Bの額に突き刺さった。断末魔すらあげずに、どうとアスファルトに倒れこむ。
「これは、もしや…」
志穂は険しい顔で悪漢に突き刺さった食パンに触れた。命を刈りとるのに適した、ひんやりと硬い手触り。
「やはり、冷凍パン手裏剣…。まさかこれは、パン忍者清正の仕業…!?」
いとくず
次巻、清正と志穂のラブコメ(´ω`)
2017年10月17日 21時13分
みそ(鳩胸)
いとくずさん
まさかのラブコメ路線に!?
2017年10月17日 21時32分
みそ(鳩胸)
ちょうどいい先生
今の私の集大成ですね。
2017年10月17日 21時33分
みそ(鳩胸)
takataさん
恐縮です。
2017年10月17日 21時35分