2017年09月19日 22時32分
発酵食品の記録 12
9月ももう半分を過ぎてじきに10月になりますね。朝夜はすっかり冷えるようになり、寒暖差がましてきました。季節の変わり目は体調を崩しやすいといいますが、皆さんは大丈夫でしょうか。
稲刈りも行われて秋を感じやすくなる今時分に、衣替えをする人も多くいるかと思います。秋服の柔らかな暖色は見目に楽しく、それを見るのが私はとても好きです。
さて、人には衣替えがあるように、私たち発酵食品にも麹替えというものがあります。春夏用のひんやりとちょっと他人行儀な麹から、秋冬用のあたたかく包み込むような麹になります。
この麹替えはなかなかにデリケートかつナイーブな作業なので、上手く行うには熟練の腕前が必要になります。そこで発酵技師の緒方さんの出番です。
仕事以外は存在価値がない、とすら言われる彼ですが誰よりもスムーズに麹替えを行います。発酵界隈では『麹替えの神様』の異名を誇るこの時期の緒方さんはちょっと、いや、かなり調子に乗っています。
しかし上質なシーツにくすぐられるかのごとく心地よい緒方さんの麹替えは、調子に乗るのも許せるほどに極楽です。下手な人にされるとイガ栗の上に転がされるような苦痛でしかないですからね。
この時期だけは私たち発酵食品も緒方さんに尊敬の念を持って接します。いや、他の時期も最低限は尊敬していますよ、いちおう。