新幹線恋物語10(最終便)

2月。二人は記念日に熱海へ向かっている。急ぐ旅ではないので、のんびりとこだま号で行くことにした。新富士に差し掛かると、富士山が綺麗に見えた。
「今日は綺麗に見えたね」
「そうだな。日本晴れって感じだな」
新富士から約30分で熱海に到着した。駅ビルで食事を済ませ、宿に向かった。
「はぁはぁ…坂道キツい」
「熱海は坂道多いからね」
「今夜泊まる所は?」
「あそこだよ」進一が指を差す。
リゾートホテルのような造りをしたホテルだった。部屋にはダブルベッドが置かれ、別室には和室があり、テーブルと座蒲団が置かれていた。窓からは相模灘が一望できる。
「ちょっと休憩して、桜を見に行こうか」
「え?今何て言った?」
「桜だよ。熱海桜」
「まだ2月だよ?咲いてるの?」
「咲いてるよ。今が見頃。近くに公園があるから」
「わかったよ」
外に出て少し行くと、公園があった。桜は見頃を迎えていた。
「わぁ。綺麗ね。よくこんな場所知ってたね」
「学生時代さ、夜行で熱海で降りて、東京の友達と会って、昼間は温泉に入ったものだよ」
「だから熱海に詳しいのね」
ホテルに戻り温泉に浸かった。ちょうどいい温度だった。進一はビールを飲みながら恵を待った。すると、恵が出てきた。
「お肌ツルツル」
「良かったよ」
食事の時間になり、部屋で食事をとった。進一が又外出に誘った。今度は海岸に行こうと言った。
海岸に着くと、ベンチに座り、しばらく無言で過ごした。波の音が聞こえるだけだ。
「恵」進一が口を開いた。
「今まで俺と付き合ってどうだった?」
「何よ急に。それは…楽しいし、幸せだよ」
「そうか」そう言い、カバンから小さな箱を取り出し、恵に渡した。
「開けてみて?」恵は箱を開けた。すると、指輪が出てきた。
「恵、俺と結婚してくれないか?」



一年後
晴れ渡った空。二人の出会った記念日。役所に婚姻届を提出した。ホテルに行き、明日の挙式を待つのみとなった。
「恵、これからも宜しく!」
「こちらこそ宜しくお願いします!」
二人は笑みを溢しあいながら、時間を過ごした。


ーENDー

とことこ

ハッピーエンド♡

2019年02月24日 16時35分

米倉恵蔵@エロセクハラミータンスキーな部長

とことこさん ハッピーエンドを選択しました!

2019年02月24日 16時39分