みそ(鳩胸)の日記

2018年02月12日 17時27分

かりんとう同盟

タグ: かりんとう同盟

かりんとう同盟、それは数ある反バレンタイン勢力の中でも、ひときわ過激な思想を持つことで有名な一団です。過激なのは思想だけで、実際に行動に移すことは決してないことでも有名な一団です。
なんせ指導者が緒方さんですからね。無理からぬことです。
とりあえず、かりんとう同盟の思想を緒方さんから説明していただきましょう。
「おいおい、かりんとう同盟の時は、指導者Oと呼べと言っているだろう!」
いいでしょう、どうせすぐにバレるんですから。
「まあ、確かに、なにもしなくても滲み出てしまう私のカリスマ性は、おいそれと隠し通せるものではないが…。それにしたって、様式美というものがあるではないか」
形から入るタイプでしたね、ごめんなさい。それでは指導者O、手短にすませてください。
「偉大なる指導者をなんだと思っているのか!まあ、よい。こほん、それでは我らがかりんとう同盟についてだが、その設立は古く、明治の始めか、はたまた江戸時代の末期とも噂されている」
どうしてそんな大袈裟な設定をつけたがるんですかね。確か2、3年前でしょう。
「昔から秘密裏に脈々と続いている組織、ってかっこいいではないか、浪漫があるではないか!」
かと言って嘘はどうなのでしょう。
「うるさいなあ、ちょっとサバを読んだだけだろう」
四捨五入どころではないサバの読み方ですよ。世紀をまたぐレベルですから。
「となるとサバでは小さすぎるか、クジラを読むとでも言おうか」
なんでもいいから、早くご説明を。
「そうだな、我らかりんとう同盟は、バレンタインなる、軽佻浮薄なイベントに正義の鉄槌を下すために作られた組織である」
バレンタインとは縁のない男たちの、僻み根性から生まれた組織ということです。
「日本男児たるもの、チヨコレイトなどという甘いだけが取り柄の、女子供のスイーツにうつつを抜かすなど言語道断!」
この前はじめて食べた生チョコに感動して、あたい来世はショコラティエになる!と宣言していたのは誰でしたっけ。
「ましてや、愛くるしい意中のおなごからチヨコレイトをもらえるかと、やきもきしながら待つなど、まったくもって嘆かわしい!」
バレンタイン前日の夜は、国生さゆりさんのバレンタイン・キッスを聴きながら、そわそわして眠れないと言っていましたよね。
「そんな身も心も軟弱な生っ白い男どもに、黒光りする野太いかりんとうでもって男の生きざまを示すのが、我らかりんとう同盟の使命である!」
かりんとうに男の生きざまがつまっているかのような言い方ですね。
「そうだとも、かりんとうこそ由緒正しき男の甘味である。野太く短い、黒く輝く野性的なフォルム。タフな噛みごたえ。シンプルかつ奥深い甘さ、しかしどこかほろ苦い。どうだ、これぞ男の甘味なり!」
かりんとうについてここまで力説されるとは思いませんでした。それで、かりんとう同盟は具体的になにか活動をしているのですか。
「日夜、バレンタインという悪しき風習を取り払うための会議をしている。もちろん、ぼりぼりとかりんとうを食べながらな」
ええと、他には。
「ご当地かりんとうなるものを集めて、食べ比べもしているぞ。最近ではかりんとうにも色々な味があり、昔ながらの純粋な砂糖や黒糖の味しか認めないカリリックと、多種多様な風味つきのものも認めるカリテスタントによる、かりんとうでかりんとうを砕く内部分裂が起こっている」
一見平和そうな名前のかりんとう同盟も、一筋縄ではいかないのですね。
「この争いに終止符を打つまでは、とてもバレンタインに対抗なんぞできんだろうよ」
他人事みたいに言ってますけど、あなたの組織の出来事ですからね。バレンタインまでには丸く収めて、今年こそは活動してください。
「丸く収めるなんて無理な相談だな。なんせかりんとうは、細長いからな!」
なにこの人、かりんとうでしばきたい。