2018年01月02日 21時37分
おしり鑑定士 Mの日記
タグ: おしり鑑定士
私はM。都会でも田舎でもないどっちつかずな街で、しがないおしり鑑定士をしている。
おっと、おしり鑑定士なんて言ってもわからないか。なんせ猫の額よりも狭い業界だ。日本にはまだ両手の指で数えられる程度しかいない。
おしり鑑定士の仕事はその名が示すとおり、日がな一日中おしりを眺めその評価をすることだ。ごく一部の好事家たちからもらえるおひねりが唯一の収入。
そんなもので生活が成り立つのかとよく聞かれるが、これが意外と悪くない収入になる。好事家の考えることはよくわからん。
眺めるおしりはなんでもいいが、基本はグラビアだ。
街中で実際のおしりを眺める実視鑑定は、さまざまなパターンのおしりを鑑定できるため実入りはとても大きい。しかしその分、暴力や通報のリスクがつきまとう。
ばれずに実視鑑定を行える鑑定士は日本には二人しかいない。かの有名な狸寝入りのヒロシと、サングラスのタクヤだ。
彼らの技術はすさまじく、どんな衆人環視の中にあっても、誰にもばれずにおしりを鑑定できると言われている。
彼らは鑑定の精度もおそろしく正確で、人間3Dスキャナーの異名を欲しいままにしている。私も日々の修行で審美眼を磨いているが、到底その境地には至れていない。
横しり三年、前しり五年と言われるほど鑑定には熟練の審美眼が必要である。
おしり鑑定士となり五年目の私はまだまだ、家でグラビアを見て審美眼を磨くのに手一杯である。実視鑑定などまだまだ夢のまた夢だ。
いつかは必ず、私も実視鑑定をできるようになってみせる。