2017年12月22日 21時31分
クリスマスなんて 前編
タグ: クリスマスなんて
俺は小さい頃からクリスマスなんて大嫌いだ。
12月生まれのせいで誕生日とクリスマスのプレゼントは一緒くたにされるし、ケーキだって年末の出費がかさむ時期のせいで安っぽいものしか出されたためしがない。
成長してからもクリスマスにはろくなことがない。
初めてできた恋人とついに俺も性なる夜とやらを過ごせるかと思いきや、直前になって
「元カレからよりを戻そうって言われちゃったの、ごめんね」
ときた。出ていく前にせめて一発ヤらせろってんだ、ちくしょう。この世からクリスマスなんてなくなっちまえ。
そして案の定、今年もくそったれなクリスマスになりそうだ。
「まったく、いつまで新人みてえなミスしてんだてめえは!」
唾を飛ばして怒鳴り散らす上司に、すみませんと機械的に答えた。反論しても無意味だってことは、これまでの経験上いやと言うほど身に染みてる。
ただ嵐が過ぎ去るのを待つしかない。同僚の忍び笑いにだってもうなれちまった。
書類をばしんと叩きつける上司の腕で、趣味の悪い金ぴかの時計がうるさく光っている。
「お前もこれくらいの時計を持てるようになれよ」
くだらない飲みの席で、上司はふんぞり返ってそう言ってたがその時計は純金なんかではなく、どう見ても安っぽい金メッキだ。ものを知らないガキにってわかる。
それを自慢げに見せびらかす上司はひどく滑稽だった。裸の王様、ってのはまさにあんな感じなんだろうな。
「なに笑ってやがんだ。仕事舐めてんのかコラア!」
いかん、どうやら思い出し笑いをしていたようだ。顔を引き締めて、すいませんと言う俺に上司はこれ見よがしにため息をついた。
「それしか言えんのか、お前は!いいか、俺がお前くらいの頃にはなあ」
毎度おなじみの上司のあの頃は話が始まった。何度も聞かされてすっかり耳にタコができている。
こういう時、俺は上司をどう殺してやろうかと考えている。刺殺、絞殺、撲殺、毒殺。何パターン試しても、憎たらしいこいつを手にかける想像は、ささくれだった心を落ち着けてくれる。
みそ(鳩胸)
そりゃもう、クリスマスですからね。
2017年12月22日 21時45分
なこ
丶(・ω・`)
2017年12月22日 22時20分
みそ(鳩胸)
\(∵)/
2017年12月22日 22時26分