2017年09月28日 19時00分
(祝) 戦闘力500記念 発酵昔話 味噌太郎 前編
タグ: 味噌太郎
むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがおりました。
おじいさんは代々続く大地主の長男坊で、二人は大きなお屋敷でなに不自由なく暮らしてきました。しかし二人に子どもはできませんでした。
怪しげな東洋の漢方薬などにも手を出し、夜の営みに励めども、励めども、子どもができることはありませんでした。
跡継ぎを欲していたおじいさんは次第におばあさんにキツくあたるようになり、川向こうの離れに若い女を囲うようになりました。あれだけ愛し合っていた二人が、なんと悲劇的なことでしょう。
この時代にしては珍しく大恋愛の末の結婚だったのですが。身分差すら乗り越えた二人だというのに、やりきれません。
おじいさんは若い女の元に入り浸り、やがてお屋敷にいることが珍しいくらいになってしまいました。
使用人たちはおばあさんのことをうまず婦人と呼び、影であざ笑うようになりました。
それはおばあさんがかつて馬の世話をしていたことと、子どもを産めなかったことをあわせて皮肉った悪意のある呼び名でした。
おばあさんは悪意と下世話な好奇心にさらされるのが辛くなり、屋敷の裏を流れる川を眺めにいくことが多くなりました。
川の向こうには女を囲っている離れがあり、おじいさんが今日も張り切っているのかと思うと言いようもなく惨めな気持ちが沸き上がりました。
夕陽に照らされた川面に誘われるように、おばあさんが一歩足を踏み出すと、川の流れに乗って珍妙な歌が聞こえてきました。
どんぶらこっこ どんぶらこ
黄昏時に どんぶらこ
惚れたあの子は 親友の女
叶わぬ恋に どんぶらこ
緩やかな流れの川を、樽に乗った男が仁王立ちしつつ下ってきました。その出で立ちたるや、すべての人が思わず二度見した後、目をそらしてなるべく避けたくなるものでした。
やたらと派手でけばけばしい刺繍が施された法被に、背中からは孔雀にそっくりな羽飾りが激しく主張してきます。お祭りのような上半身に比べて、下半身からはシンプルに変態が醸し出されていました。
純白のやたらと薄いタイツの上に、桃よりも鮮やかな色をしたブーメランパンツを穿いています。控えめにあしらわれたパンツより濃い桃色のスパンコールが、見るものにえもいわれぬ不快感を与えます。
顔立ちはそこそこ整っているのですが、それだけに格好の異様さが際立ちます。
「えぬぅっ!」
無駄に甲高くたいそう気持ちの悪い掛け声とともに、絵に描いたような変態がおばあさんのそばに着地しました。
あまりのことにおばあさんは腰を抜かし、立ち上がれなくなってしまいました。
下腹部を露出でもしていれば狙いは明白ですが、目の前にいる新種の変態はその目的がさっぱりわかりません。いったい何をされるのか皆目検討もつかず、おばあさんはただただ恐怖に震えました。
みそ(鳩胸)
ねこさん
一番盛り上がるところですね。
2017年09月28日 19時35分
みそ(鳩胸)
ちょうどいいさん
理解できないものはこわいものです。
2017年09月28日 19時35分