2017年09月24日 22時00分
発酵探偵ミソーン file7
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「たらふく亭は確かに越後屋がスポンサーについている。だがそんなことを言い出したら、新しく東エリアにできた店はほとんどがそうさ」
「手広くやっていやがるんだな。ずいぶんと羽振りのいいことで」
「俺の知る限りたらふく亭に黒い部分は見られないし、まっとうに商売をしているんじゃないか。あれだけ注目されたいる東エリアだ。やつらもそうそう妙なことはできんし、しないだろうさ」
東エリアは順調に再開発が進み、越後屋は若者向けの観光地として売りだしていくつもりなのだろう。
そんな場所でキナ臭い商売はしにくいし、奴らにしてみてもするうま味は薄いか。まっとうに売り出した方が儲かるだろうよ。
「たらふく亭で美味噌が使われている可能性はどうだい?」
「さあね。ゼロとは言わんが、ただのずば抜けて美味い店なんじゃないのか。どうせ浮気調査にかこつけていくんだろう。自分の目と舌で確かめてこい」
しっしっと犬でも追っ払うような扱いだ。まったく、長生きしそうなじい様だ。
「それもそうだな。ありがとうな、マスター。今度呑みにくるよ」
「ツケを払ってからにしやがれ、バカ野郎が!」
「なあに、今に出世払いしてやるさ」
俺は言い残すとそそくさと甘露庵を後にした。うっすら何か聞こえてきたが、きっと祝福の言葉にちがいない。
東エリアのショッピングモールに併設されたレストラン街。若者向けの洒落てはいるが粋でない店が並ぶなかに、たらふく亭はある。
さすがに人気店だけあって混んでいるが、運よく一人用席に座ることができた。最近の焼き肉屋はお一人様にも優しいんだな。
一人用のかわいらしいグリルに火をつけてくれた店員に適当な注文を頼む。そこかしこから肉の焼ける音と、食欲をそそるにおいがたちのぼる。
さてと、入ってみたはいいがどうやって件のカツオと接触したもんかねえ。よく考えたら、キッチン業務だったら無駄足なんじゃないのか。
まあ、それでも美味噌が使われているかの調査はできるか。むしろそっちがメインだ。あずきには、貴重な調査費を使ってたらふく食ってきただけか!と怒られるだろうが仕方あるまい。
「お待たせいたしました」
開き直る覚悟を決めていたら、鴨が肉とビールを持ってやって来やがったぜ。俺のツキもなかなか捨てたもんじゃないな。
そこには写真で見たままに軽薄そうなカツオが立っていた。
一汁一菜子
ついにカツオと接触………!
2017年09月24日 22時25分
一汁一菜子
毎日楽しみにしてるミソーン。これからも応援してます。(ファンからのお便り)
2017年09月24日 22時26分
みそ(鳩胸)
カツオは果たして本当に浮気をしているのか!?
なかなか進まないのに、楽しみにしていただいてありがとうございます。そう言っていただけて本当に嬉しいです。
これからもミソーンをよろしくお願いいたします。
2017年09月24日 22時49分