2017年09月18日 16時24分
初代ラリキング誕生秘話
タグ: ラリキング
中学三年生のころ、私が考案した妙な遊びを友だちとしていた。
和解と世界平和のためにトゥットゥーという端から見たら気持ち悪い指遊びを編み出して、授業中にそれを友だちとして先生に「なに二人で楽しんでんだ」と怒られたり。
他人にはわからないように悪口を言おう、というコンセプトのもとにやたらとかん高い声で発音する言語を作ったり。
今にして思うとかなり頭がおかしい。いくら中学生と言えども限度がある。
その中でも比較的まともだったのが、英語の教科書に出てくる登場人物たちの人物相関図を作る遊びだった。
英語の教科書の会話文はたいていどこかぎこちなく、空々しい。これには何か裏があるのではないか。
それはズバリ、昼ドラのようなどろどろな男女関係に違いない。
そんな考えのもと、人物相関図を書いていた。
外国人の英語教師ミスグリーンはけっこうやんちゃで教え子であるマーク、さらには教え子であるユミの父親とも肉体関係を持っていた。
ユミの父親はミスグリーンとマークの関係に気がつき、嫉妬のあまりマークを殺害してしまう。ユミに馴れ馴れしいマークを疎ましく思っていたケンもこれに協力した。
しかし殺害現場を目撃していた人物がいた。それはケンに思いを寄せるクラスメイトのアユコだった。これをネタにアユコはケンを脅迫し思いのままにした。
などといった具合にあることないことを、悪質な邪推を重ねに重ねて書き連ねていた。それを見て笑ってくれた友だちもいたので、けっこうな熱意を燃やしていた。その熱意を受験に燃やすべきだったのはいうまでもない。
それを授業中、課題のプリントが早く終わってしまって暇だったので書いていた。そうしたら見回りに来た先生に見つかってしまった。
「なに書いてんだお前」と先生は苦笑いだった。私はもうへこへこと平謝りである。
「英語の教科書に出てくる人たちの人物相関図です。裏ではきっとこんなことになっています」
「バカななもの書いてるなあ。完成したら見せに来い」
意外とあっさり許してもらえた。
きっとあの眼鏡をかけたおばちゃん先生も昼ドラ好きだったのだろう。そんな感じの顔をしていた。
こういった奇妙な行いの積み重ねにより、私は初代ラリキングという有り難くもなんともない称号を友だちから授けられた。