2017年09月03日 18時15分
お尻かじられ虫 前編
タグ: 尻話
20XX年、人類はお尻をかじる虫たちの大量発生によりお尻の危機を迎えていた。
お尻をかじる虫たちは昼間、軒下やビルの隙間などに身を隠し、人々が寝静まった深夜になると行動を開始する。人々が気持ちよく眠るお布団の中へとひっそりと忍び込み、少しだけお尻をかじっていく。
蚊が血を吸うときのように痛みがないためそれに気がつくことはないが、朝起きるとお尻がやや軽くなっている。外傷も出血も痛みもなく、徐々に薄くなっていくお尻。
最初は気のせいかと思うがやがては目に見えてお尻が薄くなり、最終的には生活に支障がない程度の尻肉しか残らない。
お尻をかじる虫がどのような原理でお尻をかじっているのか、そもそも本当にかじっているのかすら一切わかっていない。脂肪吸引のように、なんらかの器官を使ってお尻の脂肪を吸いとっている、という説が最も有力視されている。
日に日に国民のお尻が薄くなり、このままでは目の保養がなくなってしまうではないか、と事態を重くみた政府は「お尻をかじる虫から国民のお尻を守る部隊」、通称「尻守(しりもり)」を結成した。
肛門医からグラビアアイドルまで、お尻に関するあらゆるエキスパートが揃った最強のドリームチームだ。
そしてまあ、紆余曲折を経て尻守りはお尻をかじる虫に最も効果的な対策手段を生み出した。
それがお尻かじられ虫だ。人のお尻と99.99%まで酷似した奇跡のシリコン、お尻コンを用いて作られた人造虫、それがお尻かじられ虫である。
最初のお尻かじられ虫はかじられ君と呼ばれ、ひょうきんで愛嬌のある彼は尻守たちからたいそう可愛がられた。
特にお尻に定評のあるグラビアアイドル、尻子はかじられ君をたいそう可愛がった。二人の間には種族の壁を越えて通じあうものがあったらしく、二人はなにをするにも一緒だった。
それは尻子のお尻を真似て、かじられ君が造られたせいもあったのかもしれない。しかしそれよりも、お尻に対する情熱というただ一点で、二人はなによりも深く結び付いていたのだと思う。
みそ(鳩胸)
ハピたんさん
平行世界のお尻かじり虫らしいです。
2017年09月03日 18時19分