2017年09月02日 19時59分
妄想旅行記 別所温泉編
タグ: 妄想
あくまでも妄想です。キューティクルな黒髪の和服がよく似合いそうな、まさに大和撫子の彼女は実在しません。非常に残念なことです。
信州上田を走る別所線に私は彼女とともに乗っていた。
「温泉なんて久しぶりです。楽しみ!」
昨晩はしゃいでなかなか寝付けなかった彼女は、私の肩に頭をこてんと乗せてのほほんと眠っていた。
電車から見られる景色を楽しみにしていた彼女だったが、眠気にあっさりと負けてしまったのだ。
「なんで起こしてくれなかったのですか」と後で怒られそうだったが、彼女の愛らしい寝顔を見るためならば仕方あるまい。
肩にたしかな幸せの重みを感じる。
実際には花柄シャツを着たアラサーが一人、電車内でアホ面をさげて景色を眺めているだけです。
昼間の電車内でも妄想はやめられない。それが私です。
土日ということもあり、北向観音へと向かう参道はまずまずの人通りであった。
ふと見ると彼女のぶらぶらと揺れる右手がさみしそうで、私の左手がそっと迎えにいった。
「もう、たくさん人がいますよ」
「なあに、誰も私たちのことなんて気にしていないさ」
目をそらしてはにかみながらも、彼女はぎゅっと手を握り返してきた。
冷たい彼女の手は、私のこころをいつもあたためてくれる。
実際には花柄シャツを着たアラサーが一人、参道を歩いているだけです。そして、今年も残りわずかですがよろしくお願いいたします、とお祈りしてきただけです。
北向観音に向かう神聖な参道でも妄想を忘れない。それが私です。
かすかに桃色に上気した頬としっとりとした髪は、湯上がり独特の色気を彼女に与えていた。
髪をお団子状にしたためにむき出しになったうなじの艶やかさは、完熟した桃のような甘い匂いを放しているようで思わずむしゃぶりつきたくなる。
秋も近くに感じるこの頃だが、今夜は熱帯夜となりそうだ。
実際には花柄シャツを着たアラサーが一人、湯上がりにロビーで牛乳を飲んでいるだけです。こうなってはもう手遅れです。
家族連れも多い温泉のラウンジでこんな不埒な妄想をする。それが私です。
みみた
むしゃぶりつく続きwktk!
2017年09月02日 20時15分
みそ(鳩胸)
みみたさん
アク禁を恐れてはなりませんね。
2017年09月02日 20時19分