2017年09月02日 09時01分
誰が求めた発酵書評 その3
タグ: 本紹介
毎度おなじみ、土曜の朝にひっそりやってる発酵書評のお時間です。
今日ご紹介させていただく本はこちら、小路幸也氏の東京バンドワゴンです。以前にドラマ化もされていたので、知っている方も多いのではないでしょうか。
とにかく読んでみてください、と自信をもってオススメできるくらい素晴らしくて大好きな本ですが、少しだけ説明させていただきます。
東京バンドワゴンは堀田家が営む、昔から続く古本屋の名前です。この古本屋に舞い込んでくる様々なトラブルを、堀田家の面々がご近所さんや常連さんと協力して解決していく物語です。
語り口が独特で、すでにお亡くなりになっている堀田家のおばあちゃん、堀田サチさんが語ってくれます。幽霊の視点から語られているわけです。
幽霊と言ってもおどろおどろしいものではなく、死んでからも意識だけはこの世に残ってしまったのでせっかくだから家族を見守りましょう、といった感じです。サチさんの優しく包み込むような語り口は安心して読めて、癒されます。
堀田家の面々も個性的です。東京バンドワゴンの店主にして頑固者だけど人情あふれるおじいちゃん勘一さん。勘一さんの息子、我南人(がなと)さんは元世界的なミュージシャンですが、変わり者でいつもフラフラとしています。そしてその我南人さんの子供たちに、そのまた子供たちと堀田家は4世代の大家族です。
さらに犬や猫まで飼っていて、それはもう賑やかな家族です。物語が進むにつれてさらに家族やご近所さんも増えていき、ますます賑やかになっていきます。
シリーズ物なので、読書の秋に制覇してみてはいかがでしょうか。全部揃えても後悔することはないと断言できるくらいオススメです。