itomasa7の日記

2016年11月20日 22時23分

【第百七十回「ごんべん」ー銀河万丈読み語りー】感想

銀河万丈先生いわく、
「今日は時代劇が長いので、序盤の朗読は短めにまきます。
  そして、来月からいよいよ、
  箱根湯本あじさいホテル(プリズンホテル)が帰ってきます!」
との事。

また銀河万丈先生の百面相とも言える、

20人をゆうに超える人物の同時読み分け(演じ分け)が聴けるんですね、
来月から( ´ー`)

※ 元々「プリズンホテル3(冬)」をやるには、
  秋では時期が悪いかな、
  とここしばらく長編大作を読み物から外していたので、
  待ちに待った冬、12月が来る、という事ですね。


という事で、聴いた朗読内容(本の短編内容)、
全部ダラーっと
いつものように書いちゃうのはやめて、
ほんと要点だけ書けるように努力したいと思います。




●『お洒落なバーで味噌汁を』東海林さだお

「お味噌汁の品格は低いのか?」

家では当然のように出てくるが、
レストランその他でお味噌汁が出て来る事はまずない。

定食屋などではご飯とお味噌汁は、
おかずを食べる為のご飯の主役に躍り出るが、

「小洒落た(こじゃれた)場にはお味噌汁はやはり似合わないのか?
  これがおすまし(お吸い物)なら、また違うのか?」
と思っていた東海林さだお先生。


しかし、西麻布にあったんです、
「味噌汁バー」というお店が。


世界各地から来る外国人の人や、
地方から出てくる人達に
日本中のお味噌汁を楽しんでもらいたい、と

※ 普通に牛丼屋などで出て来るお味噌汁というよりは

日本各地の名産/名物となっているお味噌汁
(アゴ汁など?自分も詳しくはないのですが)が
楽しめるお店にしたかった、との事です。


そして、お店を訪れ、「いきなりお味噌汁!」ではアレなので
まずウィスキーその他を何杯か飲んで、

そしてお味噌汁を頼んでみたらその旨い事。


だけど、お酒とお味噌汁を交互に飲むのは、
やめておこうかなあ、という東海林さだお先生。




行ってみたいですけどね、日本各地の美味しいお味噌汁を飲みに。
しかし、西麻布なんて六本木のすぐそばの隠れた名店街、
お値段跳ね上がってるんだろうなあ・・・

※ 昔新聞配達して学校行ってた頃、
  西麻布に住んでました。
  貧乏学生だったので、なんのお店も知りませんが・・・




●『小籠包の「ハ行」騒ぎ』東海林さだお

「小籠包(しょうろんぽう)」、

なんで中国の人は「皮の中にスープを包む」、
なんていう面倒な食べ物を苦労して編み出したのだろう?

普通にワンタンメンなど、
あのワンタンとスープをレンゲに入れて
それを口に入れればよかったのでは?


しかし、ワンタンメンでは、
レンゲのスープを口でフーフーやって冷やしてから食べるから、

あの口の中で皮を噛んでいきなり飛び出す
アツアツスープのおっかなびっくり感、

小籠包がどんなモノか知らない人なら
口の中でソレを噛んだ瞬間から
「ハヒャー!ヒー!フー!ホフホフ」などと
飛び出すハ行の単語を味わう事は出来ないのだろう、と。


しかし今は製造者責任(PL法かな?)がある。

先日買った懐中電灯には
「スイッチをONにすると、いきなり目の前が明るくなる為、
  驚いて転倒したり壁に頭をぶつけたりしないようにご注意ください」
のような記載が説明書にあったとの事。


小籠包の場合、
「口の中に入れて噛むとアツアツのスープが流れ出し、
  口内の皮をベロンベロンにしてしまい、
  喉まで熱くて「ハヒャー!ヒー!フー!ホフホフ」などと
  叫びださないようご注意ください」
という事が記載されるのだろうか?
との事。




小籠包、ちゃんとした中華では数回しか食べた事がありません。
安いチェーンの居酒屋で、中のスープがもう外にこぼれだしちゃったようなのは
何度も(騙されて)食べているんですが、、、

食べたいなあ、美味しい小籠包。

でも、カレーその他以上に口の中の皮が向けまくって、
その日1日は口の中がヒーヒー言うぐらい大変な状態になりますよね、
本物の小籠包は( ´ー`)




●『ゴミ掃除』坂木司

※ まず始めに
  この坂木司さんという作家さんの名は初めて聞きました。

  先々月までが宮沢賢治のなんとも言えない賢治ワールド
  (物語のスジなど考えず、想像した事すべてを文章にしたような空想世界のお話)で、
  
  自分にはちょっと
  「話についていけない(突拍子もなさすぎる話ばかりで想像力が追いつかない)」と
  思っていたので、
  
  先月の宮部みゆきさんに続き、
  「また変わった作家さんもいいかな」と思いながら聴き始めましたが・・・
  
  本作、文章表現が非常にグロくて、陰鬱かつ狂気に満ちた感じでした。
  
  「このお話がこのままの流れで終わったらどうしよう、
    憂鬱な気分になりそう・・・」
  と、ちょっとラストまで気が抜けない感じでした。

  もう数年ぶりだと思います。銀河万丈先生の読み語りで、
  こういう突拍子もなさそうな作品が出てきたのは。


ある男がいた。

男は不満が溜まっていた。

道ゆく多くの人々に対して、

・ 自転車に乗った酔っぱらい老人をちょいと押してやれば大事故に・・・

・ 足元をチョロチョロうるさいガキは、腹に蹴りを入れて
  親に投げつけて製造者のしつけの責任を問いただしてやろうか・・・

・ 地べたに座ってる頭のイカれたような若者達には、
  殺虫剤のスプレーで火でもつけて燃やしてやろうか、
  地べたに這うのが好きなだけに「飛んで火にいる夏の虫」ってか・・・

などと、悪辣な想像/妄想をする事でストレスを解消している。


かと思いきや
携帯であるサイトを見る男。


「仕事、メンバー募集」

いくつもの「仕事」の内容をスルスルと滑らせながら、
男「見つけた!これにするか」と。


そして、ネットに書かれた待ち合わせ場所である料理店にいる、
目印となるブルーのボタンダウンシャツを着た男と
その隣の数人を確認し、

男「仕事の人ですか?まだ人数足りてませんか?」と話かける。


仕事の内容は決してしゃべらない、
携帯のメールでその内容を伝え合う男達。

・ 夜9時を過ぎるとバスが終わり、
  住人が歩いて帰らなければならない地域がある。
  
・ 非常に薄暗く獲物をさらいやすい。

・ さらった後、行為におよぶ場所は目星をつけている

など。


そしてボタンダウンの男についていき、その車へ。

※ 全員で4人
  ・ ボタンダウンの男は細身で出っ歯
  ・ 太った巨漢
  ・ サングラスをかけた小太りの男
  ・ そして「男」

男は「自転車で来たんで、それも車に載せてもらえませんかね?」と
ボタンダウンに頼む。
いやいやながらも自転車を車に載せるボタンダウン。


そして車中、「女をさらったら何をしたい?」と
尋ねるボタンダウンに対して、

ボタンダウン自身「クビを締めてイクまでずっと締め続けたい」

巨漢「とにかく殴りたい、殴って殴って殴りまくりたい」

サングラス「壊死するほどにロープで締め上げて、その上でヤリたい」

など、陰鬱/狂気に満ちた欲望を吐露(とろ)する面々に対して

最後に男「やりたい事はみんな言われてしまいましたね・・・」

と。


そして、目的地の場所に到着。
「自分が獲物を見つけます」と男は外へ出て
離れた場所へ。

※ ここは深い森とに囲まれた1本道の道路そばの通行路。
  夜遅くの真っ暗な時間、ここで人がさらわれても誰も気づかないだろう、
  という。。。


何人かの通行人(女性含む)をやり過ごしていると、
メールでボタンダウンから
「どうして獲物を決めない、もう何人もターゲットが通り過ぎているぞ」と
お怒りの様子。

男は「ちょっと用を足したくなってしまったので、やはり
  役目を代わってもらえませんか?」
とボタンダウンを呼び出す。

そしてボタンダウンはぶつぶつ文句を言いながら、
「使えないやつだなあ、いいよ僕が獲物を決めるから」と
男と場所を変わる。

ボタンダウンの背後に立った男、
いきなりガムテープでボタンダウンの口を、顔をグルグル巻きにして喋れない状態に。

そして殴りつけ森の奥へ引きずっていく。

男「確かこいつは、クビを締めてイクまでずっと、だったな」

男はボタンダウンを地べたに転がすとズボンを脱がせ、
そのケツに手頃な木の枝をつっこむ。

そしてガムテープでクビを締め付けた。
男の息の根が止まるまで・・・


そして今度はボタンダウンの携帯を使って、
巨漢に「あの男はダメだわ、ビビっちゃって帰りたいとか言い出した、ちょっと来てよ」
とメールし、巨漢を呼び出す。

巨漢が現れた所、森の影からいきなり現れ石で巨漢の頭を殴りつけて倒す。

そしてまた森の中へ。

男「こいつは確か、殴って殴って殴りまくりたい、だったな」

石で男の頭部を殴打する、何度も何度も何度も。

そして最後に男の後頭部が凹むほどに殴打して。。。


男はこうして車に戻った。

サングラスの男の後部座席へ座る。

サングラス「ビビっちゃったんだって、ダメだよ、一度やると決めたら・・・」

男はシートベルトを使ってサングラスのクビを締め上げる。

そして意識が落ちるのを見計らって車外へ連れ出す。


男「こいつは壊死するほどに締め上げてその上でヤル、だったか」

手頃な枝を探すが見つからない。
仕方ないので車の中にあった懐中電灯とペットボトルをケツに突っ込んでやった。

そして、シートベルトの縄で男のクビを締め上げる。
完全に意識が、、、命が無くなるまで・・・


そして男は自転車を取り出し、走り出す。


離れた場所にたどり着き、そこで彼らの携帯のデータを削除した上で
バラして壊す。

男「ゴミ掃除完了っと」


男の見ていたサイトには、
こうやって犯罪行為を行おうとする者達の計画がアップされる。

サイトの名前は「ゴミ掃除」。


男は自分自身が持つ陰鬱な欲望、ストレスをこうやって
犯罪者達を「ゴミ掃除」する事によって発散していた。

男「誰も困らない。誰にも迷惑をかけない良い方法」として・・・




男が実際、彼ら(犯罪計画者達)を1人1人、
その鬱屈した欲望の内容に合わせ始末していく所に来るまで、

「この話がこのまま女性をさらって暴行とか始めたらどうしよう・・・」
と、読み語りを聞きながら展開が変わるまでかなり怖い気持ちでいっぱいでした。

いつもは目をつぶって読み語り(朗読)を聞きますが、
途中あまりの怖さに目をあけて、銀河万丈先生の読み語りがどの方向に行くのか、
そこを見極めようともしました・・・

ああ、「いい話?」で済んで良かったあ( ´ー`)

でも、描写や男達の会話表現など自体がグロく狂気に満ちていて怖いので、
この作家さんはもう聞きたくはないかなあ・・・

夏に聞く怪談話とかともちょっと路線が違うし。




●『三月の鮠(はや)』藤沢周平

武家の嫡男「ジンノスケ」は、剣術道場随一の腕を持つ男であった。

そして当藩の年に一度の御前(ごぜん)試合にて、
周りからも「勝てる勝てる、絶対勝てる!」と
囃し(はやし)立てられていた。

それほどの剣の腕があり、ここ3年の優勝者、
老中石川の息子(ここ3年連続で優勝している)にも、
「ジンノスケが負けるはずがない!」と周りが豪語するほどに期待もされていた。

※ 老中石川はその辣腕(らつわん)とも言える
  やり方からかなり周りからも、
  ジンノスケの父親からも嫌われていた。

しかし、実際は3本勝負3本負けにて負けてしまった。


「何故、負けた」、
それが分からないでいた。

当時上がっていた藩内の登用(出世)の話も、
縁談の話もみんなこの結果にからみ無くなってしまった。

自分の家での父親からの扱いもひどいものになった。


そしてジンノスケは「腑抜けてしまった(本人談)」。

自分にはもともとこの程度の腕しかなく、
みんなの期待するほどの男ではなかった、と。

そして会った事もない相手との縁談もなくなった
気恥ずかしさもあって、
自分の家の相手とすら顔をあわせるのを避けるようになって、
毎日ただひたすら藩の端の村のそばの川まで釣りに出るようになった。

※ 藩は、藩内の全武士の体力向上などの為に
  釣りその他を奨励していた。


ある日、釣りで何匹かの魚(その中に鮠(はや)も含まれる)を釣り、
釣果(ちょうか、釣った魚)を持って、

「どこかで握り飯を食べよう」と村の中を歩き、
出来るだけ人に見つからない場所を、という事で

村のこれまた端の森の奥にある社(やしろ、神社)を見つけて
そこの軒(のき)を借りて食事をとった。


それを見ていたらしい、神社の巫女(みこ)、
18歳ぐらいの若い娘から

「トウジ(字が分かりませんでした、神社を預かっている山伏(やまぶし)の男)が
  お茶を振る舞うので良かったら中へ来ないかと言っている」
との事だった。


トウジは厳しい目をした男だったが、娘は美しかった。


そして半年近くもジンノスケはこの社へ、
釣りの度に通う事になった。

しかし、ジンノスケの素性は初めて会った時にトウジに洗いざらい
聞かれて答えていたのに、娘の名前だけは教えてもらえていなかった。

その事をある日娘に伝えると、娘は巫女としての名
(キャバクラの源氏名みたいなもの)
「てるひ」とだけ教えてくれた。


そしてある日、トウジに頼みがあると呼ばれる。


3年前、藩の村田という武家の家で一家皆殺しの無理心中があった。
村田の父か村田かが、家中(かちゅう)の者全員を殺して自身も果てたのだと。

村田は藩の金を横領したとして、
逃げられなくなってこのような凶行に及んだとされた。


しかし、「これには裏がある」とトウジは言った。

村田は老中石川に仕えていた。
そして、村田自身の家はなんとも質素な暮らしをしていて、
金を懐になど入れた形跡が全くない。

村田は単なる窓口であり、その金は老中石川の元に流れていたのでは、と。

※ 老中石川はなんとも金遣いが荒く、
  更にはその金を藩中にばらまいて、
  自分の周りを固めている、
  との噂があった。

そして何より、村田の家には「ハル」という娘がいたが、
一家皆殺しの無理心中とされたその中に、
ハルの姿は見つからなかった。


そのハルこそが巫女の正体であり、
実際は事件の日、顔を隠したどこぞの武士たちに追われ、
一緒に逃げた母達は殺され、
ハル1人がこの社にて生き延びていたのだと。


老中石川の狼藉(ろうぜき)が明かされた時には、
その唯一の生き証人になるだろう、との事。


しかし、ここ数日社の周りを武士姿の者が往来する姿が目立ち、
ハルの居場所がバレて命が狙われているものと思われる。

そのハルを守って欲しい、との事だった。

ジンノスケはこの話を持ち帰り、老中石川と敵対する父を説き伏せて、
ジンノスケの家でハルを匿う(かくまう)算段(さんだん)をつけた。

ジンノスケの父は老中石川の不正の調査を監察方(かんさつがた)と共に開始していた。


そして、御前試合にてジンノスケが負けたあの日より、

「ジンノスケがああもたやすく負ける訳がない、
  きっと理由があるはずだ。
  実際立ち会って(戦って)それを知りたい」と
常々より語っていた父の友人(かつての藩の重鎮(じゅうちん))が
連れてきた男と立ち会い、

半年は剣を握らず釣りばかりしていた為鈍っていると思われたその腕は、
まさしく以前評判の通り、いや評判以上のモノだった。

何がジンノスケを変えたのか分からないが、
剣の師も父も皆、
このジンノスケであれば今年の御前試合では負けるはずがない、
負けるとしたらそれは剣の腕、以外の所に原因があるとしか
思えない、とまで評(ひょう)した。


自分の腕が以前にも増していた事、
そして何より自分の家にハルと一緒に暮らせる事に
ジンノスケは喜んでいた。

※ ジンノスケはハルに惚れていた、惚れ込むと言っていいほどに。

そしてすぐに社へハルを迎えに、と向かった先の村、
何かいつもと様子がおかしい。


そして村の者たちと奉行所の者が社の前へ集まっていた。

ジンノスケが村の者に尋ねると
「野盗によって、トウジとそのはした働き(仕えていた人)が殺された」
との事。

ジンノスケはハルを心配し「てるひ(ハル)という巫女はどうなった?」と尋ねるが
誰もてるひ(ハル)の行方は知らなかった。

殺された人の中にはハルと、そしていつも茶をいただいていた
はした働きの老婆の姿がなかった。


そして、集まっている村人たちの中に、
かつてジンノスケが釣りをしている際、

少し離れた所に現れた、

不似合いな刀を下げ陣笠(じんがさ)で顔を隠して
釣りをしていたあの侍がいた。


ジンノスケは老婆の家を聞くと、そっと社を離れた。

そして村の角で曲がり、そっと影に隠れた。

待たずして、先の侍が現れた。

ジンノスケは足を払い侍を倒すとその上に馬乗りになった。

ジンノスケ「お前は老中石川の手の者か、お前達がトウジ達を斬ったのか!!」

しかし侍は黙してそれを認めなかった。

※ しかしジンノスケには確証があった。


侍を追い払い、ジンノスケは老婆の家へ行った。
老婆は無事だったが、ハルの行方については全く知らない、
との事だった。


ジンノスケは思った。
「ハルはかつて村田の家が襲われた時逃げろ、
とされていた山伏の修験場(しゅげんじょう)へ逃げられたか、

あるいは侍達に殺されてどこかへ埋められてしまったのだろう」、と。


自分はつけられている可能性がある。
ジンノスケは修験場へハルの安否を確認しに行く事は諦めた。

無事であればいつか連絡があると信じて・・・


そして夏が過ぎ秋が来てもハルからの連絡はなかった・・・


そして今年の御前試合。

※ 竹刀(しない)にて戦う。

※ 藩内での剣の切磋琢磨の為、一般に開放されたこの試合は
  700人からの人々(街の人達も含め)が
  観戦している。

老中石川の息子とジンノスケは1本対1本、の所。

ジンノスケは自分の剣術の奥義を尽くして戦い、
そして石川の息子を倒した。


そこへ走り来る人影。

「老中石川の不正の証拠が見つかった」と。


ジンノスケの父と監察方は老中石川の不正に
あと一歩の所まで迫っていた。
その話を御前試合当日に聞かされ、
心を乱したジンノスケは最初の1本を石川の息子に取られてしまった。


勝負を終えた武士たちが並ぶ中、
石川の息子が刀を持ってジンノスケの父の方へ走り出した。

父か、あるいは監察方かを斬ろうとしている。


ジンノスケは仲間より刀をもらい走った。

そして石川の息子の前へ躍り出て(おどりでて)の斬り合い、
勝負は一合(いちごう)にて決した。

倒れる石川の息子。


そして、ジンノスケを訪ね、老婆が訪れた。

トウジ達が斬られた当時、話す事が出来なかったが
ハルはやはり山伏達の修験場に逃げたのだ、と。

そして手紙を何度かもらっていると。


夜遅かった為、老婆を家まで送ろうと使いの者を出そうとすると、
かつてジンノスケが腑抜けた頃、
ジンノスケをからかったはした働きの女が買って出てくれた。


そして、ジンノスケは山の奥深い所にある、
修験場へ行き、再びハルと再会して・・・




という所で終わり。

※ 結局かなりの長文になってしまいました・・・
  上手く整理出来なかったですねえ・・・

本物語自体は剣に破れ自分を見失っていた武士が、
恋をして、また不正を知って娘を守ろうとし、
自分を取り戻してその悪を倒し、娘と結ばれる、
という、演劇などでは「ストレートプレイ」などと呼ばれる、

あまり話が紆余曲折しない、ひっかけ(伏線など)もない、
起承転結的な物語でした。

藤沢周平さんにしては珍しい物語の一本気な進行に思えました。

※ ただし、ジンノスケを誘惑するはした働きの女その他、
  要所要所で出てくる、不穏な登場人物達が、
  「何かするぞ?何かするぞ?」と自分は疑って
  この物語を聴いていたので、
  
  ちょっと肩透かしをくらったなあ、という感じでしたが( ´ー`)




時代劇から順に内容書いていったんですが、
結局いつものダラダラあらすじ書きになってしまいました。

でも、今日の読み語りの編成としては、

1.いつもの東海林さだお先生(笑い)
2.狂気の物語
3.ストレートプレイな時代劇

と、悪くなかったかな、と思いました。


基本的には「笑い」「泣き」「驚き(トリック)」などの要素が
物語といては好きなので( ´ー`)

今年もあと1ヶ月かあ・・・