itomasa7の日記

2016年05月15日 18時24分

【第百六十四回「ごんべん」-銀河万丈読み語り-】感想

朗読を聴いていて自分が抱いた感想をもう一度文として書く事で、
(感じた事を強く意識する、という意味で)感受性面は上がってるのかな?
とか思いますが、文才がちっとも上がってないなあ( ´ー`)

あらすじ書いて「こう思った」って書き方じゃ小学生並みだな・・・

まあ、石の上にも三年なのでもう少し続けましょう。。。




【お品書き】

●『安心うどん伊勢うどん』東海林さだお

近年のうどん業界は冷凍うどんの発達から
讃岐うどんブームからで
とにかく「コシ」にこだわってる節があります。

外食やらコンビニうどんやらどのうどんを食べる時でも、
うどんを箸でつまんで口に運ぶまで、

「このうどんはちゃんと”コシ”があるのか?あるのか?あるのか?」と
食べる側もコシに集中しすぎるきらいがあると。


しかし、逆にコシがないのがウリになってるうどんが
かなーり昔からあるそうです。

それがお伊勢参りで有名な伊勢神宮の伊勢うどん。


うどんの太さは普通の倍ほどもあり、
コシはほぼなく噛むとやわらかい感触で
「フニャッ」と噛みきれてしまうとか。

※ 丸亀製麺のうどんぐらいの太さですかね、あれはコシすごいけど。


で、東海林先生は今まで伊勢に行く機会がなく
この伊勢うどんを食べた事もなかったのですが、
デパートの物産展で偶然
「お伊勢うどん1パック400円」に出会ったのだとか。


で、さっそく購入しおうちで調理。

※ 前から思ってたんですが東海林先生は独身なのかな?


ぐつぐつのお湯で5分茹でる、その間うどんは絶対に動かさないで。

※ 箸でゆするぐらいで切れちゃうぐらいやわらかいそうです。


そして釜揚げしたら付属の黒いタレをかけてそのまま食すという。

※ 汁に浸すかけうどんというよりタレをかけるだけのタレうどん、
  というのでしょうか。
  うどん屋さんで言う「ぶっかけうどん」ってやつかな?


で、黒いタレをかけると太いうどん全体が真っ黒になり、
これを口に運ぶと確かにやわらかいやわらかい、
だけど”コシ”にこだわらなくてもうどんの美味しい事美味しい事。


というお話でした。
? 「安心」のくだりは忘れてしまいました( ´ー`)




はなまるうどんとかが出始めた頃はかなり通ったんですが、
今はうどんそんなに食べないなあ
(たまにチェーンのうどん店を見つけた時だけ)。

あと、お家でお手軽自炊としてコンビニの冷凍うどんを食べてたんですが、
アルミホイル臭がする(ような気がする)ようになって
食べなくなったんですよね。

(あとかけそばって昔は嫌いだったんですが)
今は天玉そば派なんですよね、うどんよりは( ´ー`)

ああ、天せいろとか食べたいなあ。。。




●『箸はいつ?』東海林さだお

またもうどん、おそばネタ。

お蕎麦屋さんへ入って天そばを注文し、しばらくして

1.店員さん(おばさん)が裏から出てくる
  (その手元に天そばのお盆を確認)

2.こちらへ近づいてくる

3.隣まできてテーブルに天そばを置く

4.「はい、天そばになります」と一言

5.去っていく

この手順で天そばが届けられた時、
どのタイミングでお箸(例えば袋入りの割り箸)を取って、
袋から出して割り箸を割ればいいんだろう?

という疑問を持ったそうです、東海林先生。

1.はともかく2.ならいいんじゃないかな?
と思って割り箸を割ったら、
別の席へそのまま歩いて行ってしまう(つまり別の人の天そばだった)、
という可能性があります。

そうなってしまったら、その手に構えた箸を
いったいどうしたらいいんだろう?
それも1分2分ならともかく10分とか待たされたりしたら・・・


3.なら大丈夫かな?
と思っても、そこで裏から「それ、そのお客さんじゃないよ!」と
店主のおじさんの大声でストップがかかる可能性もある。


じゃあもう4.しかないよな、というお話。




余談で銀河万丈先生が、
「マイ箸、マイコップその他”マイ”なんとかが
ブームになった事がありますが、
自分も”マイぐい呑み(日本酒のおちょこですよね?)”を
持ち歩いてた事があります」とか。

しかし今はワイン派になったので持ち歩くのはやめたそうです。

※ 丁度自分も昨日「デザインフェスタ(東京ビックサイトのイベント)」に行って
  日本酒を飲むのに「マイおちょこ」を買おうかどうか迷って、
  結局手持ちがなかったから諦めた、という経緯があるので
  ちょっと親近感( ´ー`)




●『プリズンホテル』【2】秋31・32 浅田次郎

連続読み物かつ大作すぎて説明しきらないので、
今度こそ簡単に書きます(箇条書き)。


・ 老齢の大物女性演歌歌手真野みすゞがバーラウンジで
  酔っ払った警察官、ヤクザを相手に歌謡ショーを繰り広げます。

  ※ 「極道エレジー」(ググったら本当にある曲みたいでした)
    の歌手という事になっています。

・ アンコールの掛け声の中で、「極道エレジー」の1番を歌った所で、
  「さすがにもう私には歌えないね」と女性歌手の所へ。
  「この先はあんたが歌いな」と。

  ※ 女性歌手は大手事務所で若くして期待されていましたが、
    マネージャーと一緒に独立してしまい、
    怒った大手事務所に仕事を干され、
    今では宿泊施設やストリップその他の前座扱いで歌い、
    時に各地の大物の夜の相手までさせられるまでに落ちぶれています。
    ? 名前忘れちゃいました。

・ 「そんな・・・私には・・・歌えない」と震える女性歌手に
  真野みすゞは
  「お客さん全員の為に歌おうとするんじゃない、
    あんたがこの歌を聴いてもらいたいと思うたった1人の為に
    歌うんだ」とアドバイス。

・ 自分が聴いてもらいたい誰か、を思い起こし
  見事「極道エレジー」を歌いきった女性歌手に、
  真野みすゞ「もう私は歌えないから、この曲はあんたにやるよ」と。

・ プリズンホテルのドンにして、かつての真野みすゞの
  秘密の恋人でもあった中おじが
  バーラウンジの全員に
  「どうだすげえだろう!こんなサービスがあるホテルなんて
    帝国ホテルにだって負けないだろう!」と
  真野みすゞを引き寄せて「まだ飲もう」と誘いますが、
  「私はもうやめておくよ」とそっけなく引き上げられてしまいます。

・ その空気に「自分はとうとう振られたんだな」という事を悟った
  中おじは男泣きしてしまいます。

・ バーラウンジから客が引き上げていく中、
  中おじの甥に当たる小説家が、
  秘書代わりに連れてきた少女(小学生)を探しますが見当たりません。

  ※ 小説家は先刻、
    少女の「私はお母さんや先生やみんなの迷惑になっているの?」
    という質問に、昔母親に捨てられずっと泣いていた頃の
    自分と同じものを感じて
    「ああ、お前はずっと邪魔だったんだ!」と
    少女の向こうに見えた自分を罵倒してしまっていました。

    その後、言い過ぎたと感じた小説家は
    少女の大切なミッキーマウスのぬいぐるみ
    (銃で撃たれて首が取れてしまった)を
    裁縫道具で縫って直していますが、少女はその事を知りません。


  今の少女の気持ちはあの時の自分と同じ!自**るかも知れない!
  と慌てて少女を探しに行きます。

・ その頃、厨房では板長とその部下にあたるフランス料理シェフの会話が。

  シェフ「なんで、あの女性歌手に名刀を渡したんですか?」と。

  ※ 名刀とは、神棚に飾られ板長自身もほぼ使う事のない時価数億円の包丁。
    武士の廃刀令が出た頃に鍛冶屋がその技術のすいを尽くして仕上げた名刀、との事。


  板長「あの包丁はな、人の口に入るものしか切れないんだ。
    人にも刺さらないし、腐ったものなんかも切れない。
    そういういわくのある一品なんだ、だから渡した」と。

・ で、先ほど若頭から返してもらった神棚の包丁を確認しますが、
  なんと包丁がまた消えています!?

・ 色々と探したあげく厨房の休憩室に、
  少女が包丁を喉に当てて今にも突き刺そうと立っていたのに
  厨房の全員がびっくり仰天します。

・ シェフの「でも、あの包丁は人は切れないんでしょ!?」との台詞に
  板長「そういや何度か指を切ったような、確か骨までとどいて
    大騒ぎしたんだ、やべえぞこれは!」

  となんとか少女を思い留めさせようとします。

  そして、小説家もここを見つけます。

・ その時、少女は喉に包丁を突き立てて・・・

  包丁が根本からボキりと折れました。

  それを見てシェフが「真の名刀だ、本当に人の口に入るものだけを切る、
    だから人を傷つけないように自ら折れた・・・」
  と、感動して今回は終了。

※ 結局全然短くなりませんでした・・・
  端折ったんだけどなあ( ´ー`)




プリズンホテルは【夏】編も、
・ 問題を抱えた多数の登場人物が出てくる
・ それぞれが絡みあう
・ 最後に解決
の構成だったんですが、
【秋】編は本当に長いなあ。

登場人物数は【夏】と変わらないぐらいだと思うんですが、
【夏】で出てきた人物達の背景が膨らみ始めて、
それが物語自体を大きくしてるんですかね
(多分【夏】の2倍はいったかと…)。

・ 老齢の女性演歌歌手、そしてその歌う姿
・ 女性歌手
・ ヤクザのドン
・ 小説家
・ 板長
・ シェフ
・ 少女
その他色々な登場人物をちゃんと
発声/声色とイントネーションなど、
見事に別人として演じ分ける銀河万丈先生の
朗読芸は毎回ほんとにすごいんですが、

そろそろこの超大作の結末が観たいなあ( ´ー`)

※ 毎回通ってる自分はともかく、
  たまに来てる人とかあまりの長編だと
  物語が話半分も分からないので、
  その切替のタイミングがそろそろ欲しいかな、
  という気がしますね。




●『初つばめ』藤沢周平

江戸時代。

※ こっちは内容的には薄い(あまり物語が動かない)ので、
  簡単に説明できそうです。

一家4人(父、母、姉、弟)がある長屋で暮らしていましたが、
父、母が労咳(ろうがい)にかかり、
父は亡くなり母も寝たきり、
長屋の隣家の薦めでまだ15だった姉が酒場で働き始めます。

母親の薬代、弟などを世話してもらっている隣家へのお金などを工面する為に。


その酒場では配膳から酒の相手、
そして夜の相手までさせられました。

その後母親は亡くなってしまいましたが、
弟は隣家のとりなしもあって小さいけれど繁盛している店(たな)に
丁稚奉公させてもらえるようになりました。

その頃姉は22歳、もう自分の結婚などは諦めていましたが
弟がいつか店(たな)の暖簾分けなり
自分で店(たな)を持つなりした時の為に、
と必死で働きお金を貯め続けました。

そして、仕事を移り今はまっとうな酒場で働き、
同じ店(みせ)の女中と一緒に家を借りて住んでいました。


その弟が結婚する事が決まり相手を紹介する、
というので酒場の夜仕事を休み、
お酒やお料理を用意して弟とそのお嫁さんを待つ為家へ向かいました。


家への帰り道、(多分春先なのでしょう)
つばめが川へ降りそのままひるがえって行くのを見ます。

「今年の”初つばめ”かしら?今日の事といい幸先良さそう」と。

※ 初つばめとは、多分その年初めて飛来するつばめでしょう。
  所でつばめって渡り鳥でしたっけ?


しかし、いざ弟達を出迎えてみれば、
酒は嫁が飲めないという理由で断られ、
飯は既に嫁の家の大旦那に金をもらって船と料亭を借りてある、
という理由で断られと、

はっきりいって今まで生活を見守ってきた姉と弟の関係で、
「結婚を祝福してもらいに来た」とは思えないつれない態度でした。

嫁はその身なりから分かるほどのたいそうな商家の娘のようで、
しかも無言ながらかなり性格がきつそうです。

そして時々姉に嫌な(見下したような)視線を送ってきていました。


そしてこの結婚が嫁の商家への婿入りである事を知り、
更には結婚式の日取りすら相手側と
詰めさせてもらえない事に姉は激昂します。

※ 姉はある時期から、かなり酒にハマってしまい
  今も弟達の様子がおかしい事に気づくと
  裏で(気勢をつける為に)酒を煽っていました。


そして弟も先の嫁と同じような視線を向けてきます。
そう、自分がかつて感じてきた「身体を売る淫売」と蔑む視線を。。。


弟に「酒を飲んでいるのか?」と咎められますが、

姉「そりゃあ酒も飲むさ!
  そんないいとこの婿に入るのにこの淫売の姉がいたんじゃ邪魔だろう、
  こっちから縁を切ってやるから二度と来るな!」と2人を叩き出します。


姉「なんで自分の身体を売ってまで、こんな弟を育てて来たんだろう・・・」
と酒を飲み続け、寝てしまいます。


姉は、最初の酒場で働いていた頃、3人の男に求婚されていました。
2人は妾として、
1人は結婚したい、ただし仕事についたばかりで金がない、
という事でそれらは断っていました。




深酒がたたって頭痛がする中目を覚まし、
今が何時(なんどき)かも分からない状態の中、
誰かが戸を叩きました。

開けてみると昔一緒の長屋にいた男でした。
そして男はかつて、
1年も働いて貯めた金で姉の酒場に現れ1度だけ姉を抱き、
そして求婚した男でした。

その時は「こんな女の為に不幸になる事はない」と
姉は手厳しく断っていました。

それからもう10数年。。。


なんでも弟が「姉の様子が心配だから見てきてくれないか」と
男に頼んだのだとか。


男は今では大工の棟梁になり、
子供も2人いる、という話でした。

「そりゃ幸せもんだね」という姉に対して、
「実は5年前に嫁を亡くして・・・」という男。
そして「再婚しないのかい?」と聞く姉に
「こぶ2つもいる男の所に来る嫁なんていないし」と。


話が暗い方向へ向かうのでなんとか話を変えようと、
姉は今日見たつばめの話をします。

「初つばめじゃないかしら?」と。

しかし男は「今年はもう何度もつばめを見かけてる、
  初つばめにゃあ遅すぎるなあ」と笑い返します。

~ 完了 ~




まあ、ひどい話ですわな。
父亡き後からずっと家族の為にと身体まで売って
働き続けてきた姉に対して、
いいとこのお嬢さんと結婚するから、
といきなり距離を置きたがる弟。

で、酒を呑んだくれるようになってしまった姉と、
かつて求婚してきた男とのその後が「救い」になる、
と読者側に想像させる話なのでしょうが、

ちょっと「初つばめ」というタイトルから
この男との再会を「縁起の良い事」として
つなげようとするのは強引かなあ、と。

藤沢周平さんはこの「余韻」
(物語の後に読者/聞き手側に残る色々な感情)部分の扱いが
ちょっと特殊なんだよなあ。。。

泣けた、笑えた、ハッピーエンドで良かった、
こんなのひどすぎる!、とか分かりやすい終わりじゃなく、
その部分を読み手の想像力にまかせる形を取るんだけど、
その為の情報がちょっと少ないんじゃないかなあ、と。

この話にしても、姉は「不幸で終わった」なのか
「幸せになれた」なのか、
どっちとも取れる状態で締めちゃってるので( ´ー`)


僕はお芝居/朗読とも、何か自分の感情を揺さぶってくれるものが
好きなので、この形の余韻を残されるのは困っちゃうなあ・・・




以上、長文失礼しましたm(_ _)m