itomasa7の日記

2016年02月21日 18時52分

【第百六十一回「ごんべん」-銀河万丈読み語り-】感想

ささっと、ぱぱっと、要点だけ書けないものだろうか?
・・・小学校の頃から読書感想文が大の苦手だったからなあ( ´ー`)




●『チョコレートの不思議』東海林さだお
チョコレートって不思議なお菓子だ、
板チョコを口で挟んで恐る恐るパキッと噛み砕く
あのおっかなビックリな感覚、
これがなんとも
日本のおせんべいを噛み砕く「バリッボリッ」とは大違いの高級感。

そして、口の中でいきなり飲み込まず
だんだんと舌で転がすうちにトローリトロトロ
舌に味わいを残して消えていってしまう。

この甘さのなんたるや!

日本の和菓子なんかの甘さとは大違い、段違いに甘い上、
その中にほんのすこしの苦味(ビターさ)があるのが
また美味しさにアクセントを加えている。


と、東海林さだお先生が安い100円チョコから
ゴディバetcの高級チョコまでに抱く、
洋菓子であるチョコレートの高級感についてのお話だったかしら。

※ まず何よりもその場で読み語られる内容に心で感じる事に集中したら、
  全話あらすじは忘れちゃいました。
  
  銀河先生が「バレンタインデーも終わりましたが、
  今度は怖い3倍返しのホワイトデーが待ってます」と( ´ー`)

  自分は人妻からのチョコ1枚(200円ぐらいかな?)だけだったので、
  他のメンバーと合わせて5人で3000円ぐらい返せばいいのかしら?
  (チョコ1枚もらうだけでキョドるおっさんはなんともキモいんだろうなあ…周り的に)




●『鍋焼きうどん、たぎる!』東海林さだお
確か先月(あるいは先々月)は冷凍鍋焼きうどんのお話だったんですよね。


家に帰ってもまだ口の中がアツアツでハフハフしてて、
「ただ鍋焼きうどんを食べる」という行為がこれほどの大事だったなんて・・・
と、東海林先生。


ふと「今日の晩飯は何にしよう?」と鍋焼きうどんを思いつく。

※ 東海林さだお先生って独身なのかしら?
  一人食事が多いような。


そうそう、会社員は出張した時作業報告書とかを書いて提出するとか。
鍋焼きうどんを食べに行くその流れを作業報告書にしてみよう、と思い立つ。

で、後々考えるとなんとも大事(おおごと)だった事に気づきました。

きつねうどんで考えてみましょう。
きつねうどんではお揚げとうどんとつゆ、この3つが案件とします。
楽勝ですね。

しかし相手が鍋焼きうどんとなった場合、
うどん、つゆを始め、海老天、かまぼこ、おあげ、白菜、ほうれん草、しいたけ、
(その他もろもろ忘れちゃいました)で、なんと10品10案件。

そして、鍋焼きうどんを注文した際店員さんが
「お時間少しいただきますがよろしいでしょうか?」と。

「じゃあ、ビールとお漬物!」と頼んでみたら
お漬物がどっさり4品(しな)、そしてビールで5案件追加です。


やっと鍋焼きうどん
(どこのお店の鍋焼きうどんも鍋がまだグツグツいってるものですが
このお店のは更にすごくて鍋蓋が吹き飛ぶぐらい、グラグラと煮立ってます)が
登場です。

で、「さて食すか」と思ったのですが、
このお店はうどんにこだわりがあるお店でした。

テーブルの上に七味唐辛子、一味唐辛子、すりおろし生姜その他
もろもろの調味料というか付け合せというかが並んでいました。

これまた5品(しな)。


合わせて20品(しな)、20案件、
さてこれをどう処理していくか・・・

まずはつゆを少し味わってうどんをハフハフ、

ここまではいいのですが、
どの具材からどの順で食べて良いやら、
更にビールやお漬物はどのタイミングでかっこむべきやら。。。

※ ここから銀河万丈先生一流の超早口言葉的
  うどんと具材を食す情景が
  400字詰め原稿用紙で2枚以上に渡って続きます。

  ものすごいペースでハフハフ言いながら
  アツアツ鍋焼きうどんを食べるその情景が
  視聴者達にもアツアツに伝わってきました( ´ー`)


そして「20案件こなしたぞ!」という達成感と共に店を後にするのでした。


先日コンビニの冷凍うどんの話が出た時に、
その後すぐ7-11でアルミホイルの冷凍鍋焼きうどんを
買って帰って食べたのですが、
具材7品程度でもやっぱり食べる時は結構迷いましたね。

しいたけとか美味しいんだけどつゆを吸っててアツアツ過ぎて
熱いものだらけを順で食すと口の中がすごい事になるし、
エビの天ぷらは食べやすいからさっさと食べたいけど、
鍋焼きうどんNo.1の豪華な一品(いっぴん)なので
後回しにしたい気持ちもあるし、と( ´ー`)

普通の一軒そば・うどん屋(定食屋?)で鍋焼きうどんを食べてみたいですね、
板橋区にはそういうお店ほとんどないんですよ、
ファミレスや牛丼屋に市場を奪われてしまって・・・



●『プリズンホテル』【2】秋25・26 浅田次郎
開始の句で思いましたが、
「あれ?今回もまだ終わりじゃないんだ、
夏編に比べて秋編はほんと長いんだな(ネタが尽きないんだな)」と。

すごく動く(展開する)物語なので、概要をさらっとながします。


前々回、警視庁のマル暴達とヤクザの団体が
隣の宴会場で宴会してる事にお互い気づいてしまって、
一時ナイフやフォークや鍋やその他が飛び交う大乱闘に。

そこへ、その場の面々とは無関係の売れない
元アイドル歌手の放った拳銃の銃声でその場は収まったのですが。。。


ホテルに隣接した自宅へ急ぐ支配人の息子の元ヤンキー(ホテルマン見習い修行中)。
自宅で待つ母親に「親父が、親父が死んじまった!」と。

マル暴とヤクザの抗争に、「近づいたら危険だ!」という息子を押しのけ、
「ホテルマンに取って大事なのはお客様の安全だ!」と
お客様(マル暴とヤクザ)の盾になるべく突っ込んでいく支配人。

そして見えない所で銃声が響き・・・

母親もその銃声が聴こえて「あの人は死んだのね」と。

しかし母親は微笑みます。
そしてその笑顔に怒りを向けるヤンキー息子に、
「ホテルでお客様の為に**る事があの人の夢だった」と語ります。

※ はっきりいって、前回、前々回のあらすじで
  支配人はなんともなかったはず、と知ってはいたのですが、

  このヤンキー息子の「親父が死んだ!!!!」と泣き叫ぶ、
  その悲しみを演じる銀河万丈先生の迫真の演技に、
  思わず涙がボロボロとこぼれ落ちました
  (この後きっと笑いネタになる、とはわかりつつ)。
  周りも鼻をすする音が聴こえたので(自分は目を瞑っているので見てはいませんが)、
  みんな同じように感受性をグイグイ引きこまれて
  泣いてたんだろうなあ、と。


そして、「腹が減っては戦はできぬ、でしょ」、
と母親と息子が夕食を食べ始めた頃に現れる支配人。

母親と息子は「幽霊だー!」とお化けネタに騒ぎ、
一気に場(視聴者側)も笑いのムードに切り替わります。




ホテルに滞在していた集金強盗(集金人を装って部屋にあがり込み強盗する)。

明日検察へ出頭する、
「自分が日本の法律によってどう人生を捻じ曲げられ、
貧乏人ながら法律家を目指していたのに今や集金強盗になるに至ったか」に
ついて書き綴った文章をマスコミに流してほしい、
と支配人に託して安心しきって酒でほろよいになっているのを、

万年巡査部長が、そして課長が見つけてしまいます。

課長が部下達に「つかまえ・・・」と叫ぼうとした所を
万年巡査部長に取り押さえられ猿ぐつわまでされて、
身動き取れないすまき状態にされてしまう課長。

巡査部長いわく、
「あれは単なる集金強盗なんかじゃない、
今不用意に動けば、大事(だいじ、おおごと)を見誤る可能性が・・・」
と、課長をソファの下に押し込んで、
ソファにどかっと部下の刑事と座り込んで話し合います。


巡査部長いわく、
「昔あの集金強盗が1度、渋谷署に捕まった時、
ヤツは大量の文書を持っていた。
しかし、渋谷署ではその件をもみ消した。
その内容がなんだったかは分かっていないが
きっとマスコミに流れたら大きなネタになってしまう」との事。

※ その内容はかなりの過去回に集金強盗(通称”教授”)と支配人との会話の中で

  昭和40年頃の全共闘の時代、
  貧乏ながらもなんとか弁護士を目指し大学へ通っていた”教授”が、
  ブルジョア学生達の暴走した行為(全共闘の争いはなんて言うんでしたっけ?)により、
  授業を受けられない日々が続いた事に腹を立てて
  何十何百といる学生運動家達の中に乗り込み、
  その首領格の持っていたゲバ棒を取り上げて殴りかかった。

  本来ならば正当防衛、過剰防衛で済む所を
  その首領格の親が大金持ちで政治家その他とつるんでいた為に
  ”教授”はその未来を奪われてしまった。

  そこから流れ流れて今や集金強盗。

  しかし、この行為の裏には、
  「法に携わるもの、そして現代を無為に過ごす学生達に
  そのあり方を考えて直して欲しい」と言う言葉を届ける為に、
  わざと世間を騒がせマスコミ達を注目させた上で自分の言葉を伝え、
  その上で自首しよう、という無謀と言える義の上の行為でした。


そしてそこへ自宅から戻ってきた支配人と息子。

その目を見た巡査部長は「あんた、何か知ってるんじゃ?」と
支配人の心のうちを読み、支配人の目の先にあるフロント
(そこには”教授”からあずかった文章がある)に目を向けた所で
今回はおしまい。


多分、この調子だともう2ヶ月は続くんじゃないかしら?
・ ”教授”とその文章がどうなるのか?
・ 売れないアイドル(心中しようとしている)のその結末
・ ヤクザとマル暴達の明日の帰路まで
・ ヤクザの大親分達の会合の結末。
など、回収必要な伏線がまだまだ残ってますから。


10人を超える老若男女を銀河万丈先生が演じ分ける、
とてもおもしろい物語ですが、
1年超えるとは思わなかったなあ( ´ー`)

ついつい次の連続読み物(大作)が何になるかに想いを馳せてしまう・・・




●『卯三次(うさじ)のウ』永井路子

岡っ引きの下っ端、卯三次(うさじ)。
いつもヘマばかりやらかして「卯三次のウはうすらばかのウ!」と
馬鹿にされる始末。

いつか「卯三次のウはうさぎのウ」と言わせてやるんでい!と、卯三次。

※ 多分、うさぎがすばしっこいいきものなので
  目利きのいい岡っ引きになって認められてやる、という意味?


たまたま医者の弟子から聞いた話から、
怪盗「からっ風」がうちの町にとうとう現れたんじゃないか?
と勘ぐる所から。

※ 怪盗「からっ風」はその名の通り、
  秋から冬にかけて関東を西から東へ盗みを働きながら
  町から町へと移動していく大怪盗。

  決して刃傷沙汰その他を起こさず、
  しかし気付かれないうちに千両箱を奪っていく
  そのあざやかな手口からも
  大怪盗として人々に知られている。


町で医者の弟子とたまたま会った時の会話で
「最近先生は忙しくて。
昼は診療所、夜はやそじ屋(だったかな?商店、店(たな))の
大旦那が怪我したのを診察に行かなきゃいけなくて。
あ、この話は秘密にしなきゃいけなかったんだ!」
との話から、

「きっと怪盗からっ風が現れ、争いになって大旦那は怪我をしたんだ、
  つまりまだからっ風はこの町にいるんだ!」、と。


そんな話を岡っ引き上司に伝えると
「卯三次のウはうすらばかのウだ!
そんなネタがあるんならさっさと調べてこい!」、と。




急いでやそじ屋へ向かい、垣根の向こうから覗いていると水がぶっかけられます。

店内で掃除をしていた奉公人の田舎娘でした。

謝る娘に対してこれ幸いと
「草履が濡れちまった、雑巾を持ってきてくんなあ」と仲良くなり、
店の内情を聞く事に。

・ 大旦那
・ 若旦那
・ 女将(おかみ、若旦那の妻)
・ 女将の弟(務めていた店(たな)が潰れてしまい、やそじ屋にひきとった)
・ 番頭
・ 奉公人の田舎娘

が暮らしている、という。
みんな良い人達です、との事。


大旦那の怪我の話、怪盗からっ風の話をすると、
「なんで怪我の事を知ってるんですか!?」と、
女将の所へ通してくれる。

女将から「弟は気はいい人間なんですが、
  酒に弱くて酔っ払って太刀を振り回している所に
  大旦那が入ってきてつい斬っちまったんです。
  しかし弟の普段の気の良さを知っている大旦那は大事にはしたくない、と。
  だから秘密にしてたんです」と。


田舎娘と女将の話を聞いて、
「なんだ、そういう事なのか」と納得して帰った卯三次に
またも上司が「このうすらばか!」とげんこつを食らわします。

そこには番頭が訪れていました。

番頭は「あの女将さんの話に騙されてしまったんですか?
本当はやそじ屋の遺産欲しさに弟を炊きつけて
2人で大旦那を殺そうとしたんですよ」との事。


上司に「まんまと騙されやがって!女将と弟をしょっぴいて来い」と言われ、
外に出ると丁度あの田舎娘に出会う。


親が病気になったので自分は故郷へ帰る、という娘を連れて
茶店(ちゃみせ)へ入り、
モリモリと食べる娘から色々な話を聞き出す卯三次。


「番頭さんの話を信じてしまったんですか?
  確かに女将さんは嘘をついているんです、
  しかし番頭さんの言う事も嘘なんです」と。


話によると娘が店(たな)の店員達の寝床で寝ている時、
大旦那の奥座敷で女のあえぎ声を聞いてしまい、
何度かそういう事が続くうちにそれが女将さんである
(=大旦那と女将さんは出来ている)、
という事を知ってしまった、と。


そしてそれは弟にも知られ、
「きっと大旦那に無理やりに!」と正義感に燃えた
  弟に大旦那は斬られた、と。

しかし、

娘「本当は問題は若旦那にあったんです、
  若旦那は女の人がからっきしダメで
  何度も縁談があっては逃げられてしまっていた」と。


しかし、今の女将は店(たな)に来てから何日たっても、
若旦那が奇行(女性に対する挙動不審)に走っても逃げださず、

その根気に惚れた大旦那がついほだされてしまった。

そして、若旦那にも公認の仲であると弟にも説明して
分かってもらい、その為怪我の事は秘密にした、と。


そして、
娘「番頭はやそじ屋は若旦那がしっかりしていない為、
  女将達が失脚すれば店(たな)が自分のものになると
  思って嘘をついたんです」と。


卯三次、娘とも茶屋にていい感じに酒が回ってきて、
娘につい
「いつか、おれが立派な岡っ引きになったらおまえと、その・・・」
と言いかける所、娘が
「私を貰ってくれるんですか?」と。




この件では色々な人間に騙されまくった卯三次。
しかし番頭もいつの間にか消えてしまい、
結局怪盗からっ風はこの町には来なかったのか、
と思う頃、卯三次の所に一通の手紙が。


手紙は田舎娘のものでした。
しかし、その文(ふみ)の字は達筆で
あの田舎娘とは思えない学のありそうな文章でした。

「謝らなければならない事があります。
  実は自分は怪盗からっ風の一味で、やそじ屋を探っていました。
  だから卯三次さんが来てからっ風の話をした時は本当にビックリしました、
  そして岡っ引きに既に目をつけられてるやそじ屋に
  盗みに入る訳には行かない、と今回は手を引きました。
  ちなみに番頭は私達で対処しました。
  人を盗んだのは初めてですが(ふふふ」

そして、文章を田舎娘のそれに改め、
「卯三次さんに嫁になってくれ、と言われて本当に嬉しかった、
  だけど今度会う時は立派な岡っ引きと手練(てだれ)の盗人ですからね、
  卯三次のウはうさぎのウ!」

と書いて締めくくられていた。


卯三次「なんで俺が『うさぎのウ』と呼ばれたがってたのを知ってるんだ?」

~ 完 ~


結局、うすらばかの卯三次ですが、たまたま抱いた勘が
まんまと的中していて、怪盗からっ風からやそじ屋を守った、
だからきっと「卯三次はいい岡っ引きになれる」と娘は思った、と。


いつもの時代ものとは全然違うテイストの読み物でした、
泣けるでもなく大笑いという訳でもなく、
でも暗くなる事もなく、騙されまくる卯三次と純朴な娘(を演じていたからっ風一味)の
ちょっと温かい物語、と。


※ プリズンホテルあたりからちょっと銀河先生の読みに
  とちりが多かったかな、のどの調子が悪いのかな?
  途中休憩で控室から咳が聴こえたし、
  というのはありましたが、

  「演技上手」ぶりはしっかりと楽しめた今回の
  「ごんべん」でした。

しばあたま

万丈先生が語る食べ物の物語はさぞ想像力を沸き立たせるんやろうなぁ。あと個人的に大好きなプリズンホテルの朗読聞けたの事で超裏山ですb

2016年02月21日 19時00分

itomasa7

去年からプリズンホテル夏、秋とやってます。冬があるなら来年やるかも知れませんよ

2016年02月22日 19時53分