2016年01月18日 13時45分
【マッドマックス 怒りのデスロード】感想※ネタバレ
2015年、みんなを一番沸かせた映画
「マッドマックス 怒りのデスロード」。
気になってはいたんですが、
映画上映期間中に観に行けなかったんですよね。
「爆音上映!」(これはガルパンもだけど)とか
「V8に魂を捧げよ!」とか、色々話題になってましたね。
で、映画は大人1本1800円な所、
「マッドマックス 怒りのデスロード」BD&DVDセットが
なんとAmazonで3200円程度で売っているのを知り
ついつい買っちゃいました。
そして1/17(日)0:00から24:00までまる1日休出した
翌日の1/18(月)が雪で電車・交通機関がマヒしてて
出社不能状態だったので代休とって
ついにこのBDを観ちゃいました。
家のTV(一応50型なんですが)で字幕だと
字を追うの面倒かなと思って吹き替えで観ました。
※ 劇場でも洋画の字幕映画って画面下に目が行っちゃって
映像をちゃんと観れてない気がするんで
最近吹き替え版を良く観てるような気がします。
で、この映画、やっぱりみんなが認めただけあって「スゴイ!」。
最初、日本語吹き替えの声が各役と合ってない気がして、
「アレ?吹き替えじゃこの空気にどっぷりつかれないかな?
楽しめないかな?」とか思いましたけど、
(北斗の拳なんかの)荒廃/退廃した世界観を更に
色々盛り上げ要素だらけにした上での単純明快ストーリーに
自分もどっぷり「怒りのデスロード」を堪能しちゃいました。
以下、簡単にストーリーをば。
【あらすじ】
核戦争で荒廃した未来の世界、
砂漠化していて水とガソリンと食料を奪い合って人は生きている。
※ まあ、「北斗の拳」そのものですね。
マックスは登場早々、
ウォーボーイズというイモータン・ジョーというボスに率いられた
山賊(?)集団に捕まって、
「人間輸血袋」として閉じ込められちゃいます。
※ ウォーボーイズ(真っ白な肌の男達)はクスリか何かやってるのか、
基本的に短命で命を保つ為に健康な人間から直接輸血をしてます。
と言ってもウォーボーイズは
「死にたがり集団」で教祖じみたボス
イモータン・ジョーに率いられた「狂信者集団」、
「死んで英雄としてまた蘓る!」という
テロリストみたいな思想を信じてます。
で、このイモータン・ジョーは水がある「砦」を支配してるのですが、
・ 人間輸血袋だったり
・ ミルク(人の母乳)を集める為に機械で妊婦から母乳を吸い上げてたり
・ 女達を子供を産む道具として扱っていたり
・ 色々なV8カーのハンドルを、
はずして山のように積んでいて、
戦いに出るものだけがそのハンドルを手にする
(V8エンジン最強伝説)
色々狂った世界観が今までのマッドマックスシリーズよりスゴイです。。。
で、この砦では一般の民は、
イモータン・ジョーによりたまに水を与えられたりと、
完全に奴隷として管理されています。
※ そうそう、マックスは過去警察官だった時の記憶(?)により、
娘やその他色々な人々を助けられなかったトラウマ、
娘の亡霊(の幻覚、「助けてくれるって言ったのに!」)
などにときおり苦しみます。
ウォーボーイズの副ボス ヒュリオサ(女闘士、片腕が義手)に、
ガソリンを持っている別の街(街って言っていいのかしら?世界観的に)を
「攻めろ」なのか「取引してガソリンを貰ってこい」なのか
イモータン・ジョーが命令をするのですが、
ヒュリオサは命令を破って、
子を産む道具として扱われていた女達を脱出させ
「ウォータンク」という
でかいタンクトレーラー(水やミルクその他を積んでいる)で
「緑の土地」を目指します。
で、裏切られた事に気づいたイモータン・ジョーが
ウォーボーイズ達と共にヒュリオサから
女を取り戻す為に追いかけるのですが、
もう寿命間近のある虚弱ウォーボーイ(マックスを人間輸血袋として輸血している)が
「輸血袋を車に載せろ!俺はこの戦いで死んで英雄になるんだ!」と
マックスを車の先頭にくくりつけて、
鎖と輸血の管(くだ)とで2人をつなぎ、この戦いについて行きます。
そして色々な山賊集団(後で全員イモータン・ジョーの配下らしき事が分かりますが)に
襲われつつも東の果てにあるという「緑の土地」を目指して逃げるヒュリオサ。
ウォーボーイズ達に追い立てられ、
巨大な砂嵐の中へウォータンクで飛び込んで行きます。
虚弱ウォーボーイが自分の車中にガソリンをまき、
車ごと火だるまになってウォータンクに突っ込もうとした所を
同じく砂嵐に巻き込まれ、車ごと吹っ飛んだマックスと虚弱ウォーボーイ。
で、なんとか助かったマックス達。
(虚弱ウォーボーイは失神中、鎖で2人は繋がってる。)
(マックスは別に善人という訳ではないようで)
弾の出ない銃を使って
なんとか逃げおおせたと思い休憩していたヒュリオサ達を脅して、
ウォータンクで1人逃走しようとします。
※ 砂漠の向こうからイモータン・ジョー達が迫ってきています。
しかし、ウォータンクにはヒュリオサしか知らない
エンジンを動かす為の仕組みがあり、
1人では逃げきれずに結局行動を共にする事になります。
で、再びウォーボーイ達とのカーチェイス
(というかこういうのはもうカーアクションのレベルじゃないですよね、
カーバイオレンスアクション、でいいのかな?)、
このビジュアルで
・ 何故か車に吊るされ火を吹くギターを弾いているウォーボーイ
・ 同じくドラムを叩くウォーボーイ
・ ウォーボーイがテンションを上げる為に
銀のスプレー缶を口に吹きかける(吸う)。
? 興奮剤?
その他、あまりにも珍妙にして奇妙奇天烈な連中の存在が
「マッドマックス」の世界観を更に盛り上げます。
なんとか谷を崩してウォーボーイズの集団から逃れ、
更に東へ東へと進む一行。
※ イモータン・ジョー達だけ巨大なタイヤの車(ランドクルーザー?)で
更に追ってきます。
そして、ウォータンクの後ろの台で女
の1人が見張りに立っていたら、
そこに先の虚弱ウォーボーイが倒れているじゃありませんか。
※ 捨てていったつもりの虚弱ウォーボーイは
ウォータンク後ろに乗り込んで、
そのまま調子が悪く倒れていました。
「死んで英雄になれなかった、
イモータン・ジョーにいい所を見せられなかった」事を
悔やむ虚弱ウォーボーイに対して、
女は「それが(生きる事が)あなたの運命だったのよ、
気にする事ないわよ」と励まします。
「恋愛」なのかなんなのか通じあって、
ヒュリオサ達に協力するようになる虚弱ウォーボーイ。
「緑の土地とはどこなのか?本当にあるのか?」という
マックスからの質問に、
ヒュリオサは「ある、私はそこで産まれ、連れ去られた、
緑豊かな楽園だった」と答えます。
更に追ってくるイモータン・ジョー達の攻撃に
イモータン・ジョーが一番愛していたという、
その子供をみごもっていた女がウォータンクから落ち、
イモータン・ジョーの車に轢かれてしまいます。
※ のちに子供も含めて亡くなってしまう。
そして、湿原や色々な大地を超えてイモータン・ジョーから逃げおおせ、
東の果てにてかつて見た事のある鉄塔をヒュリオサは見つけます。
「緑の土地が近いのかも!」と喜び、
鉄塔で罠を張っていた連中(人を騙して襲うつもりだった)に、
自分の素性を明かし自分が「緑の土地」の者であった事を告げるヒュリオサ。
連中(おばあさんばかり)の中にヒュリオサの母親を
覚えていたものがあり、ヒュリオサ達は受け入れられます。
※ ここまでマックスの活躍が全然書けてませんが、
(過去作もそうだったかな?)
マッドマックスのマックスって別に大して強い訳でもなく、
ただ荒廃した世界の中で「決意」をする事で
戦いに身を投じて認められる、みたいな感じですよね。
今回のマックスもそんな感じで、
闘士ヒュリオサほどではないにしても
「まあ、頑張ってるな」ぐらいに戦ってます。
そして女達は、基本的にイモータン・ジョーの
性対象で子供を産む機械、
更には母乳絞りマシーンになる運命にあった人達なので、
基本的に怖がっているばかりで戦おうとはしません。
ヒュリオサに「緑の土地へ連れて行って!ああ、なつかしいわ!」と
言われたおばあさん連中は、
ここへ来る前に腐った水に埋もれた大地を見なかったかい?
あそこが「緑の土地」だよ、と。
ヒュリオサが攫われ(さらわれ)てからの20年近くの間で
土地は腐り、枯れ果てて、
かつての「緑の土地」は既に失われていました。
(多分)「いつか故郷へ帰る」、
それだけを胸に生きてきたのでしょう、
ヒュリオサは泣き叫びます。
そして落ち着くと
「おばあさん連中と一緒にバイクに乗り換えて
水の失われた海を超えて更に東へ向かう、
マックスも一緒に来ないか?」
とマックスを誘いますが、マックスはそれを断ります。
バイクでヒュリオサ達が去っていくのを見送っていたマックス、
しかしそこでまた娘の幻影が。
(いい意味で現れ、ヒュリオサ達を呼び止めるよう呼びかけている?)
マックスはすぐにバイクでヒュリオサ達に追いつき、
「この塩の海をどこまで行っても砂漠が続くだけだ」と
イモータン・ジョーの砦への地図を見せ、
「ここが故郷だ、ここへ戻ろう」と言います。
※ つまり、ウォーボーイズ達が全員ヒュリオサ達を
捕まえようと出払っている間に砦を奪おうと。
そして今まで逃げてきた道を今度は砦目指して戻っていきます。
その途中女達とおばあさん達が仲良くなっていきます。
おばあさんはバックに集めた種を見せてくれます。
※ 北斗の拳の種籾(たねもみ)の話を知ってるかも知れませんが、
あんな感じで、
おばあさんは「再びこの種から実りを得られる地を探す、
そうすれば他者と争わなわないで生きていけるから」と。
そして再びイモータン・ジョー達に見つかり、
「砦を奪う気か!」と気づかれ
ヒュリオサ達とウォーボーイズたちとのカーチェイス(?)が始まります。
・ 釘をばらまいてタイヤをパンクさせようとしたり
・ エンジンの空気吸入口に口で直接ガソリンを吹きかけて
スピードを出そうとしたり
・ 紐のついた矢でウォータンクを引っ張り足止めしようとしたり
・ 長い竹竿の先にぶら下がってウォータンクに攻撃をしかけてきたり
その戦闘シーンもこれまた過激で画期的で「かっこいい!」。
その中で次々に倒れていく面々、
生き残ったメンバーは必死で逃げ続けます。
そして、ヒュリオサとイモータン・ジョーの一騎打ち、
更にはマックスも加勢して、
イモータン・ジョーを討ち取ります。
「ジョーは死んだわ!」とヒュリオサは叫び、
ウォーボーイズたちの戦意を喪失させようとします。
メンバーはイモータン・ジョーが乗っていた車に乗り換え、
虚弱ウォーボーイは「ウォータンクで谷を塞ぐ」と
仲良し女に告げて、ウォータンクに残ります。
そこへイモータン・ジョーの息子が立ちはだかり、
虚弱ウォーボーイは戦った末、
目の前の車に乗る(恋)女を人差し指で指差し(意志が通じている感じ)、
そのままウォータンクを転倒させて谷を崩して
道を封鎖して死んでしまいます。
戦いの途中腹を刺され瀕死だったヒュリオサを
輸血して助けるマックス。
そして、砦へ戻り、
※ マックスが想像し、
イモータン・ジョー達が恐れた通り、
砦には子供と老人達、後は虐げられていた民しかいません。
イモータン・ジョーの死体を見せた上でヒュリオサが姿を表すと
「イモータン・ジョーの支配が終わった」事をみんなが知り、
今まで固く制限されていた水を
ドバッ噴出させて民を喜ばせます。
そして、水に群がる人々の中、
静かに消えていく(去っていく)マックスと
ヒュリオサがお互いに目配せしあって・・・~ Fin ~
とにかく言葉じゃ伝わらない、観なきゃ分からない、と言える
・ 世界観とその映像としての観せ方のすごさ
(他に類を観ない世界観)
・ 闘士ヒュリオサのかっこよさ
・ ウォーボーイズ達の狂い方
奇妙奇天烈だけどV8エンジンへの想いとか、
奮起する為に銀のスプレーを吸ったりとか
ほんと独創的で驚きの表現方法
そういったものが胸に刺さる作品でしたね。
いやあ、これは「ハマる」、
爆音上映でぜひとも観たかったですわ( ´ー`)