2015年11月07日 19時04分
【声優口演SPECIAL】感想
有楽町ビックカメラ7階のよみうりホールにて、
ベテラン大声優の羽佐間道夫さん(映画ロッキーなど)、
野沢雅子さん(ドラゴンボール悟空など)、
山寺宏一さん(エヴァンゲリオン加持さんなど)、
を中心としてやってきた、
無声映画に声を当てるという声優口演SPECIALシリーズ。
今回は初出演ゲストが多数かつ豪華というのもありますが、
・ ベテラン3人が一歩後ろに下がる
・ ルーキー声優として、まだ第一線では活躍できていない声優陣を
アンサンブル(その他役)的に配する
・ ポカスカジャン(ガリガリ君のテーマで有名)の生演奏をつける
などの新たな試みがありました。
(生演奏っていつもはあったかな?)
※ ある意味本当にいい歳のベテラン勢が、
「次の世代を育成しよう」と仕掛けているのかな?
ともとれます。
羽佐間道夫さん野沢雅子さん、70代ぐらいですよね、多分。
【声優陣】
※ 11/7(土)、11/8(日)で一部異なります。
本日は
・ 羽佐間道夫(映画ロッキーなど)
・ 野沢雅子(ドラゴンボール悟空など)
・ 井上和彦(夏目友人帳にゃんこ先生など) 「初出演」
・ 浪川大輔(ガンダムユニコーンリディ少尉など) 「初出演」
・ 山寺宏一(エヴァンゲリオン加持さんなど)
・ 小山力也(24ジャックバウアーなど) 「初出演」
・ 井上喜久子(永遠の17歳、おいおい)
・ 三木眞一郎(Fateのアサシン、偽物語の名前なんだっけ?など) 「初出演」
・ その他ルーキー声優陣(10人ぐらい)
・ ポカスカジャン3人(演奏)この人達は久本雅美や柴田理恵でおなじみの
「劇団WAHAHA本舗」所属、かつ2012?から劇団主催もやってる模様。
※ いつもは最大でも5人編成ぐらいなので、
かなりの大人数です。
【お題目】
●キートンの化け物屋敷
主なキャスト
浪川大輔、井上和彦、羽佐間道夫、野沢雅子、ルーキー声優陣、ポカスカジャンだったかな?
※ それぞれの配役は昼/夜で変わるとの事。
銀行員キートン(浪川大輔)の喜劇的銀行窓口対応と、
銀行上層部の偽札作り、
その作業を行っている通称化け物屋敷が絡んだコメディ。
ドタバタ劇としては面白かったですが、
「まだ浪川さん拙かったかな?」という気もします。
(いいアドリブ沢山入れてくれてましたが)
※ そうそう赤ちゃん連れのお客さんがいて(こういうイベントに赤ちゃん連れてくるのは
マナー的にどうか、というのはあるのですが)、
途中泣き出しちゃったんです。
しかし、浪川さんが「泣いちゃっても続けちゃうんです」と
アドリブを効かせて
周りのお客さんの反感も買わせず、うまくいじってくれた事で
会場の空気が良くなったのは良かったですね。
さすが子役声優、こういうトラブルにも慣れっこなのでしょう( ´ー`)
●トークコーナー
羽佐間道夫、野沢雅子、山寺宏一、井上喜久子、小山力也、そして司会に
ニッポン放送でお馴染みのヨッピー。
・ 無声映画なので元々台本は存在しないのですが、
台本づくりはいつもは羽佐間道夫さんが自ら行っているとの事。
ただし今回は伊福部崇さん(昔、関智一さんとラジオビッグバンをやってたり、
鷲崎健さんとコンビでポアロというバンドもやってる放送作家でもある人)、
あと福田さん?(こちらは知らず)の有名脚本家2人に任せたとの事。
・ で、羽佐間道夫さん本人が作る脚本に比べて、
脚本家の方が作る脚本の場合、セリフがびっちりで
無声映画の中の俳優が喋ってないシーンにもセリフが入っちゃう
(リップシンク(口パクとセリフ)が合わない)、
だからアドリブその他で少しアレンジする必要がある、
などの裏話を羽佐間道夫さんが教えてくれました。
あと無声映画での2人の会話など、
映画自体からは実際何を話してるのか分からないので
その間(ま)には各声優陣の力量まかせでアドリブや
(最近特に)有名声優それぞれの持ちネタ(アニメでの有名セリフなど)を
差し込んで、会話を成立させる事およびお客様を飽きさせないように工夫している、
とのお話も。
※ この話を聞くまでは、「持ちキャラによるアドリブ」は
映画自体の雰囲気を壊すのであまり好きじゃなかったんですよね。
ただし、そういうネタを差し込んでくる理由が分かると
普通に受け入れられますね( ´ー`)
・ ここで練習中、小山力也さんがアドリブしまくりすぎて
羽佐間道夫さんが結構激しく怒ったという話が・・・
それが後々、本番に関わるとは・・・
●ロイドの巨人征服
三木眞一郎、小山力也、井上喜久子、山寺宏一、羽佐間道夫、ルーキー声優陣、ポカスカジャンだったかな?
※ 配役は昼/夜で変わるとの事。
健康なのに「自分は病弱」と思い込んでいる大金持ちのロイド(三木眞一郎)が、
健康になる為に南国の島へ行ってそこで巨人(大男、小山力也)と出会い、
更には革命の為に対立する勢力達とドタバタバトルを繰り広げる、
という内容。
1話目の浪川さん同様拙さはあるものの、
三木眞一郎さんってアドリブ入る会話劇、
というか朗読劇のセリフ回しが結構上手いんですよね、
山寺さん達に近い感じ。
(物語シリーズでの会話回しが効いているのか)
それもあって1話目よりも更に時間を感じる事なく、
「無声映画なのにまるで元々音/声がついているかのように違和感なく)
観劇する事が出来ました。
ただ、残念なのが「羽佐間道夫さんを怒らせた」という
小山力也さんのアドリブがほぼ0だった事。
本人いわく「次呼んでもらえなくなっちゃうから・・・」と後で言ってましたが
観客は「怒らせた」ほどのアドリブをこそ聞きたかったと思いますねえ( ´ー`)
という感じで「初出演」陣に中心役をやらせ、
羽佐間道夫さん、野沢雅子さん、山寺宏一さんは少し後ろに下がった感じだった事、
あといつもなら兼役(複数役を1人で兼ねる事)で対応する部分を
ルーキー声優陣にまかせた事、
などがいつもと違うかな、と。
※ 観ていて面白さはいつもどおりありましたし、
2時間15分という時間を感じる事もなかったので
悪い事ではありませんが
何か今回の「声優口演SPECIAL」は、「次の世代」に関わる何かが
ありそうな気がしました。
※ あとちょっと気になったのが、羽佐間道夫さんの声に元気がちょっと
足りなかったような。
調子悪かったのかしら?
自分としては、今後色んな声優さんに主役をつとめてもらいたいとも思いつつ、
やっぱり羽佐間道夫さん、野沢雅子さん、山寺宏一さん、
このお3方の名人芸も観たいかな、と。
※ 今後も無声映画で特に有名な「チャップリン」「バスターキートン」「ロイド」を
中心にネタは選んでいくが、日本映画にも無声映画がある、
かつ声優口演を始めた頃は日本映画を使っていた、との事で
日本映画の無声映画も選ぼうと思っている、との事(羽佐間道夫さん)。
銀河万丈先生同様、このお3方も長生きして名人芸を長らく観せてもらいたいものです。
最近、若くして松来未祐さんが亡くなっちゃったりという事もありましたので、
健康面がやっぱりみんな心配ですね。