2015年09月20日 17時03分
【第百五十六回「ごんべん」-銀河万丈読み語り-】感想
各有名小説家の小説内容を銀河万丈先生が読み語り(朗読)して、
それをただ聴いて満足するだけじゃなくて、
自分なりに思った事/感じた事を思い返して
なんらかの形で残そう(ちゃんと思った事を意識しよう)と
感想を書き始めて、どれくらい経ったのでしょう。
演劇だと演劇ポータルサイトCoRichがあるので
あらすじはそこに書いてあり、
それに対する観劇感想だけ書けば良いのですが、
そうじゃない所(非モテ+とか)に感想あげようとすると
あらすじもある程度書かなきゃいけなくて、
それはそれで面倒だし自分は文才も無いしで、
色々悩む所ではあります( ´ー`)
一時期は映画のあらすじ全部書いてたので、
「映画観る気はないけどあらすじは知っておきたい」などの
想いがある人達に結構読んでいただいていたのですが、
あらすじたどるのって結構大変なんですよね、
労力がすごいので最近はやめちゃいました。
(というか、最近は映画自体を観に行ってませんね、、、
「マッドマックス」見逃したし、
「心が叫びたがってるんだ!」も
あまりに「感動推し」されてるので観るか迷ってるのですが・・・)
でもまあ、とりあえずはこのスタイルでやっていこうかなあ、と。
●『稲荷ずしを正しく食べる』東海林さだお
小腹が空いたのでスーパーで稲荷ずしを買った、
だけど周りの巻きずしその他に比べて
茶色い油揚げに包まれただパックの中に配置された
稲荷ずしのなんと味気ない、華のない事よ、と。
※ この時点で聴いてた自分は、
最近の稲荷ずしって半分に切ってゴマを振ってあったりして
結構おしゃれなのもありますよ?
とか思っちゃったりしました。
で、あまりに味気ないので食べ方を東海林先生ちょっと工夫してみました。
(3種類の工夫をしたんですが、1つ忘れちゃったなあ・・・)
1つは油揚げを剥いで(着物にたとえて「はだけさせて」と表現)、
味のついたご飯だけを食べる。
その後ビールで油揚げをいただく、という食べ方。
これはこれで「乙(おつ)」だった模様。
そしてもう1つは油揚げを細かく切ってご飯と
和えてみようとしたんだけど
一度固く握られたご飯がまったくほどけないので
お茶をかけて紅しょうがをのっけてお茶漬けにしちゃった、という。
これまた「乙(おつ)」だった模様。
で、5つ詰めの稲荷ずし、3つ食べたらお腹いっぱいになってしまった、
というお話。
そういえば稲荷ずしって回るお寿司屋でも食べないし、
もう何年か食べてないなあ、と思い出しました。
で、食べようにもコンビニよりは先のおしゃれな稲荷ずしが食べたいし、
あれってどこで売ってたのか思い出せません(´・ω・`)
●『アンパンのしみじみ』東海林さだお
銀河先生いわくまた「華のない食の話です」との事。
アンパンって華がないよね、
カレーパンは外が揚げられてて
どこ触っていいんだか分からないぐらいの状態だし、
チョココロネはその形状自体が華やかだし、
それに比べてアンパンはただアンを包んで焼いただけ。
アンパンマンには悪いけど、なんともつまらん食べ物だなあ、と。
で、東海林先生は「アンパンって表と裏(底)があるよね!」と
画期的な発見をしてツヤツヤな表側(卵塗ってるんでしたっけ?)じゃなくて
裏を上にして食べようとしたりしていて、
30年前のあの記憶を思い出します。
JRがまだ国鉄と呼ばれてた頃、
駅の売店(キオスクと呼んだかどうか)で
朝早くにサラリーマンがアンパンと牛乳で朝食を済ませていた頃、
あるサラリーマンがアンパンを握りしめ握りしめ、
ゴルフボールに近い塊にして一口に放り込み、
それを牛乳で流し込んでいたのを。
で、東海林先生もアンがこぼれ出ないように
恐る恐る握りしめて丸っこくしてひとかじりしてみた所、
これがパンの食感を失って直接アンが歯に当たる感じで「うまい!」との事。
でも「これは試さないなあ」とは銀河先生の弁。
●『プリズンホテル』【2】秋15・16 浅田次郎
長編読み物なので過去の経緯を書くのが大変。
なので、今回の流れだけ。
愛人のキヨコが急に倒れた叔母を追って病院へ行った後、
その娘のチヨ(だったかしら?幼稚園児)を
キヨコ代わりに秘書にしてプリズンホテルへ訪れてる小説家先生。
キヨコが家に戻ったら娘がいないってんで慌てて
プリズンホテルの先生の元へ電話した所で一幕。
そして、チヨは(かつて小説家先生を捨てて駆け落ちした母親)
プリズンホテルの女将と一緒にサワガニ捕りに川へ行ってると知り、
小説家先生は後を追う。
そこで女将と、亡くなった極道界の超大物の愛人でもあった
元大物歌手(美空ひばりみたいな立ち位置)との会話を聴いて、
更にはチヨが将来は絵描きになって
センセイ(小説家先生)の字ばっかりでつまらない小説に
挿絵をしてあげたい、との発言まで。
そして場面変わって、ホテルフロント、
ある怪しいお客の教授先生について、
「この顔見たら110番」のポスター(プリズンホテルでは目立つ所には貼っていない)を
支配人とその息子(フロントマン)が眺めていて、
「こいつに間違いない!」と見つけた所から、
警視庁マル暴連中が泊まりに来てる事を知って
「急用ができたらから今すぐ出立する!」と言う教授先生を
「今出て行ったらそれこそプリズンホテルを張ってる警察連中に捕まってしまう、
無事に脱出させますんで何卒今日はお泊りを」と
足止めする支配人とその息子。
(プリズンホテルだけあってそういう事には慣れている、との事。)
という所で今回はおしまい。
プリズンホテル【1】夏は12回ぐらいで終わったと思うんですけどね。
秋はかなり長いのかな?
銀河先生いわくそろそろ大賑わいの場面が始まります、との事。
※ 長編読み物は、読み始めにいなかった人達が
物語を追えなくてつらいんですよね。
だから切り替わりのタイミングは非常に重要なんです。
自分が見てても周りのお客さん、
毎回結構違う人が多いし。
●『十六夜髑髏』宮部みゆき
江戸時代、火事で両親と弟を亡くして唯一生き残り、
叔父に米屋へ丁稚奉公に出された娘。
仲良くしてくれた奉公仲間から、
「この店(たな)ももう(商い的に)危ない。
その上この店は・・・いずれ分かるけど」と
何かの存在を示唆される。
※ 登場人物の名前を覚えられなかったので、
うまく説明できませんね。
店自体、米に虫食いが発生してしまってから
祟られたように商い(あきない)がうまくいかず、
もうまずい状態。
奉公人2人と丁稚頭のおばさんの女性3人を演じ分ける
銀河先生はほんと素晴らしい読み語りっぷりだったのですが。
あ、後思い出した、
プリズンホテルと本作については
今回結構噛みが多かったかな、先生。
舌がうまく回っていない感じがありました。
そしてある夜娘が厠(かわや、トイレ)へ行くと、
そこへ人影が入っていったっきりいつまで待っても出てこない。
で、仕方なく厠の戸を叩いても返事がなく、戸を開けてみると誰もいない。
怖くなって部屋へ戻り、
奉公人仲間に話をすると「そういう事なのさ」と事も無げに言われる。
それからしばらくして、丁稚頭のおばさんから
「この店の初代の主が殺しをやっちまったんだ。
その時呪いを受けて、十五夜の翌日の月の光が店に入ると
その中に髑髏が見えて店の主が死んでしまうんだ」という話を聞く。
※ 説明下手で話が飛びますが。。。
で、9月だか10月の十五夜の翌日(十六夜)、
雨戸を二重に締めて何事もないよう眠っていた娘達の耳に
半鐘(はんしょう、かね)の音が鳴り響く。
「火事だ!」と慌てて戸を開けて逃げようとする奉公仲間に、
「ダメだ!月の光が入ったら旦那様が死んでしまう!」という娘。
しかし誰かが雨戸を開けてしまった。
それは店の主だった。
「この店は祟られている。しかし、自分が**ば呪いも解けるだろう」と。
そして、娘は初代の主が殺してしまった相手が、
きっと元の店の主だったのだろう、と気づいて
炎に煽られた各自の顔に浮かぶ髑髏を見つめる、
という終わり。
銀河先生「なんだか分かりませんね」との事。
宮部みゆきはこのラストの光景を作りたくて本物語を作ったのだろう、と。
だから筋よりもこのラストの際立たせ方にこそ力を
入れたのだろう、との事。
確かに自分は、途中丁稚頭(女中頭)の女が
何かの犯人的存在じゃないか、
とかミステリーやホラー的なものを感じました。
ただ、自分は「ごんべん」の後半を飾る時代ものは、
泣ける奴がいいなあ、と思うんですよね( ´ー`)
そろそろ池波正太郎とかまた聴きたいなあ。