itomasa7の日記

2015年07月19日 17時38分

【第百五十四回「ごんべん」-銀河万丈読み語り-】感想

いつも「感想」とは言いながらあらすじダラダラ
小学生の読書感想文みたいに書いてるので、
今日はさらっとほんとに「感想」だけ。


●「さらばハムサラダ」東海林さだお
今60歳あたりの人達の小中高の同窓会で
「あの頃はフレンチとかイタリアンとかそんなのみんな”洋食”って呼ばれてたよな」と
ネタを振ると、カツレツ、ハンバーグ、ナポリタンなんかが出尽くした後で
「”ハムサラダ”ってあったよな」と返ってくる(らしい)。

今でこそレタスもホワイトアスパラもロースハムも庶民の味方レベルの
低価格商品だけど、
昔は「ロースハム」じゃなくて「プレスハム(肉を押しつぶしてハム状にしたもの)」が
主流でその上レタス、ホワイトアスパラなんて高級品だったらしい。

記憶にある限りでハム数枚がふにゃっと折りたたまれた横に
レタスとホワイトアスパラが載った皿を見た事があるようなないような・・・

そんな懐かしいお話。
多分20代は見た事ないと思う、そんなサラダ料理。

そういえば最近は(ホワイトじゃない)アスパラも全然食ってないなあ( ´ー`)


●「デニーズでお茶漬け」東海林さだお
デニーズでなんとか海鮮冷やし鮭茶漬け、なんていう
なんとも場違いなメニューがあったので試してみた。

【食し方】
1.海鮮とご飯で
2.冷たいだし汁をかけて
3.なんだっけ?

という食べ方に対して、0.と4.でビールとおつまみ
頼んじゃったよ、という東海林さだお先生。

それにしても「冷やし」って言うけど「誰が」「冷やした」料理なの?
というつっこみも。


●「プリズンホテル」【2】秋11・12 浅田次郎
プリズンホテルの女将になってる極道小説家の母(かつてヤクザものと家から逃げた)に、
支配人が「わざわざ何度も(極道小説家が)このホテルに足を運ぶって事は
お母さんに会いたくてしょうがないんですよ!」とプッシュし、
女将と支配人で極道小説家の部屋を訪れてみたら、

開きかけのドアの向こう往年のアイドル歌手と淫乱な行為にあけくれるケツ、
そして「今それどころじゃねーから帰れ!」の怒声。


酔いもさめて自分達が泊まってるのが
極道ホテル(プリズンホテル)だと気づいた東京警視庁マル暴対策本部の面々、

帰ってこない署長(風呂で気を失ってヤクザの親分に介抱されてる)達を心配し、
「俺達だけでヤルしかねーぞ(何を?)」と息巻く。


今回の慰安旅行を計画してしまった定年間近の巡査長、
温泉にて
「結局この人生いいように飛ばされ続けての派出所めぐりばかりだったな」、
と感慨にふけっていた所を
プリズンホテルオーナーなかぞう親分が現れ
2人が昭和の終戦頃からの知り合いである事が分かる。

「結局自分は息子たちに何も誇れる事がなかった」
「息子は剣道が強く、警察官になるんだ、と夢見てて困ってる」
という巡査長に、
「あんたは頑張ったよ、立派だったよ」と
極道界5本の指に入るなかぞう親分が背中を流してエンド。


11・12なのでそろそろ夏編同様何か大きい事が起きて終わるのかな?
とも思ったけど、今回も新キャラで「偽大学教授」とか現れて、
夏編より長編になるのかな?という感じ。


●「お比佐とよめさん」平岩弓枝
「ごんべん」の時代ものは結構ドロドロしてたり、
凄みのある剣客ものだったり
泣かせたりというのが多いけど、
今回のはなんかほのぼのとしてそうだな、
とタイトルから推測したけど全然ハズレでした。


江戸時代、両国橋の崩落で家族を失った姉と弟。

親が残した質屋を守り、
姉はいつか弟にいい人が出来た時に質屋の相続問題その他が
起きないように、と自分は「いい人」を作る事を頑なにこばみ、
弟の事だけを心配していた(当時の27歳は行き遅れ)。

そんな弟が22になった時、
「嫁にしたい人がいる!」と言った相手は、
少年時代身体が弱い弟を心配して姉が通わせた”歌”の先生で、

水商売上がりで亭主に先立たれた×1女だった(姉と同い年)。


姉は「わざわざこんな人の手垢のついた汚れた女じゃなくても、
きれいな若い娘なんて沢山いるでしょう。
きっとこの女だって金目当てに決まってる!」と
言いたい放題を言って弟を止めようとするが、

弟は「そもそも自分は質屋を継ぎたくない。
質屋の事、相続の事にとらわれた姉は金の亡者だ!」と
言い残して家を出て行く。


そして唯一の生きがいだった弟に逃げられた姉は酒浸りの生活に。

ある夜べろんべろんに酔った姉を遊び人が暴行しようとした所を
(姉の様子を心配して後を追っていた)弟が助ける。


質屋で目を覚ましそこに弟ではなく質屋の番頭がいた事に怒り、
「弟はどこ!」と叫ぶ姉。


弟は遊び人に腹を刺されて隣の部屋で看病されていた(傷は深くないとの事)。
そんな弟を甲斐甲斐しく看病する歌の先生。

姉の手を握り、「2人の事を認めてくれよ」と懇願する弟。


何も言えず部屋を飛び出し廊下の柱につっぷして号泣する姉。
かつて子供の頃も同じような事があったな、と回想。

そして、自分を心配して来た番頭に
「質屋の仕事で、客は出来るだけ高く、
店は出来るだけ安く、
と相手の裏を取る事だけを考えて生きてきたから
人間としてまっとうなものが見えなくなっちまってた。
ひっぱたいてくれ、そうしたらきっと昔の自分に戻って
2人の事を心から祝福できると思うから。」

で、~ Fin ~


ここで実際番頭にひっぱたかれて、
弟と歌の先生に謝りに行く所までを
描いてしまう事も出来たけれど、
それをしたら

「ああ、こう終わったんだね」と聴き手の中でも物語が終わってしまう、

それをわざとその直前で締めて、
「きっとこうなったんだろうなあ・・・」という予想/余韻を楽しませるのが
物語として上手い終わり方かな、と。


姉の(弟に対する)あまりの妄執と他者への暴言に引きもしたけど、
姉弟がどうやってたくましく生きてきたか、
そこにどう歌の先生が関わってきたか、
などが泣き所かと。




あ、結局あらすじ書いちゃった。。。