2015年07月04日 23時22分
アイビス・プラネット大上映会【PMC野郎「うちの犬はサイコロを振るのをやめた」】感想
小劇場演劇界きっての有名制作者「トキコ」さんが
陣頭指揮をとっての舞台ブルーレイ大上映会。
東京2日、大阪2日予定。
※ 演劇の世界は
【小劇場演劇】
「有名」とまでいかない役者陣を中心に
多くて20名規模までの劇団を作ったり、
参加メンバーを募ったりして(プロデュース公演)、
主に観客キャパ20人~100人規模までの
小さな劇場で1週間程度の短期間公演を行う。
(かつて隆盛を極めたが(キャラメルボックスなどが有名)、
今は有名劇団有名人が現れるでもなく
衰退してしまってる世界です)
【商業演劇】
TVドラマや映画で超有名な大物俳優を
「座長」として扱っての座長公演や、
劇団四季などの自劇場を持つほどの大所帯などが、
観客キャパ数100人以上かつ、
1ヶ月~1年通してなどの長期公演/大公演を行う。
(こっちは大儲け)
【大衆演劇】
??浅草演芸場とかでやってる??
まったく分かりません。
などに分かれています。
1日に3回各劇団のお芝居のブルーレイを上映するというスケジュールで、
自分は7/4(土)19:00の部参加予定だったのですが、
待ち時間会場近くでウロウロしてたら
Twitterで知り合いのおばさんが、
「今1000円でトーク会をやってる」などTwitterで言うので、
16:00ぐらいに入ってみたら、
そのおばさんはTwitterで「全部妄想発言です」とか
訳の分からない事を言いだして
ポカーン( ゚д゚)とポルナレフ状態
(頭おかしいのかな?)。
15:00の部の舞台ブルーレイが3時間規模、
その1時間経過時点で入っちゃったので、
途中から話の観えない舞台を観る事に。。。
大阪の劇団らしいのですが、
超豪華に照明/プロジェクションマッピング
(映像を壁その他に投影して特撮その他に近い効果を表現する)
など使いまくっているのですが、
「ファイナルファンタジーやファイアーエムブレムっぽいストーリーだなあ」
「北欧神話をコアネタに持ってきている模様」
ぐらいしか分からず、前半1時間見れなかったとはいえ、
残りの2時間全部観ても全然涙腺その他感情に響かなかった、
「無駄に金のかかった作品だな」という気分でした。
で、やっと18:00になり、
19:00の部の受付および
待ち時間に簡単なフード&ドリンクタイム。
しかし、ドリンクもフードもほぼ素人
(多分バイトレベルの調理経験ある役者さんが
作っているのですが)という事で、
ドリンクはマズイ、
フードはお値段に見合わなすぎる(チンする唐揚げ6つで500円とか)上にマズイ、
かなり悲しかったなあ(500円のドリンク×2、500円のフード×2=2000円)。
外出ても場所が住宅街なので飲食店何もないし(´・ω・`)
※ 19:00の部上映される舞台の劇団、
PMC野郎(ポップンマッシュルームチキンやろう)さんには、
フランス料理シェフから役者に転向したという
見事な経歴を持った方がいたのですが、
今回のイベントは不参加だった模様。
残念だなあ、横尾下下さん(その役者さん)
入ってたらフードがかなり充実しただろうに。。。
で、上映内容は
「うちの犬はサイコロを振るのをやめた」(1時間40分)
※ 舞台で実際観劇した作品で舞台DVDも持っているのですが、
舞台DVDって買うけど結構観るのに気力がいるので
つい積んじゃうんですよね。
で、丁度いいから「役者さんと一緒に舞台ブルーレイを観よう」
イベントに来てみた訳で( ´ー`)
簡単にあらすじ言っちゃうと
・ 第二次世界大戦、満州国。
・ 中国のある活動家の一家、そこには「言葉をしゃべる犬」ゴルバチョフがいた。
・ 娘とゴルバチョフは仲良し。
・ 日本軍に活動家一家は殺され、
「言葉をしゃべる」事に注目されたゴルバチョフは
日本軍731部隊へ連れて行かれる。
・ 731部隊ではある実験をしていたが、
人間の脳にこの手術をほどこすとみなジサツてしまう、
しかし「犬」ならどうだろう?
との事。
・ そして脳を手術されたゴルバチョフ、
アルコールやタンパク質に含まれる??(成分名忘れてしまいました)を
摂取すると「未来を見てしまう」(未来予知)の手術だった。
・ 「未来を見て日本軍が勝利する方法を教えろ!」と
無理やり??を摂取させられ未来を見るゴルバチョフ
(もちろん未来は日本が敗戦する結末)。
・ 獄中、同じ実験動物である
・ 2つに1つ鉄の卵を産む鶏
・ 切っても切ってもその部位が再生するはずのトカゲ
・ 椅子を改造したマッサージチェア(こういうシュールな事をやる劇団なのです)
と仲良くなる。
・ そして施設が他国軍に攻撃を受けた機会をチャンスと、
脱走日本兵達と共にゼロ戦で日本まで逃げる。
・ そして敗戦後、かつての飼い主の少女にそっくりな少女シズコに拾われる。
(仲間ともども少女の叔父が経営するキャバレーを手伝う事になる。)
・ シズコは頭部に爆撃時の破片が入ってしまっており、
左目が見えない、しかしダンサーを目指していた。
・ キャバレーはダンスをウリにしていたがいまいち観客も入らず
経営に困っていた。
・ その上、クィーン(メイン)を張っていたクレオパトラが
同じくメインダンサーであるカエサルのアドリブ
(いきなり舞台上で焼き鳥を焼きだしたり)に嫌気がさし、
故郷へ帰ってしまう。
・ そんな時、ゴルバチョフがかつて一緒に日本へ逃げてきた時の
脱走兵の1人に会いに行ったら、
吉田茂首相の秘書に収まっており(吉田茂首相は極度のドM)、
「マッカーサー元帥の結婚記念日のお祝いをそのキャバレーでやったら
報道陣その他人が多数来て宣伝になるのでは?」
と提案される。
・ 「マッカーサー元帥の結婚祝い」という大きなイベントに向けて
練習するメンバーだが、
新しいクィーンに選ばれたシズコはいつも以上に調子を崩し、
倒れてしまう。
「右目も見えにくい」との事。
・ 病院にて「目が治る可能性がない」という話を聞かされ
ショックを受ける叔父とシズコ。
そこにゴルバチョフが、
だったらダンス会場で起こる全ての出来事を見て(未来予知)
「俺がシズコの目になってやる!」と。
・ 「マッカーサー元帥の結婚祝い」当日、
ゴルバチョフに全てのアクシデントの可能性を教えてもらい、
目の不自由なシズコはなんとかクィーンをこなしていく、
その上故郷に帰ったはずのクレオパトラも戻ってきて、
ダンスイベントは大成功、
のその瞬間、シズコは倒れてしまう。
・ その上、場面全体がひずみ(ゴルバチョフが未来予知する時に入る演出)、
未来予知を行うごとに度々現れていた謎の日本兵に「63番だ」
と告げられた次の瞬間ゴルバチョフは
かつて捕まっていた日本軍731部隊基地へ
捕まっている状況へ戻ってしまう。
・ そして63番牢屋を訪れると、手足をもがれた「あの」日本兵が。
・ ゴルバチョフの今までの経験全てが脳を手術された事により、
(未来予知として)演算し続け導き出された
「未来の可能性の1つ」だったという。
※ 実際はまだ仲間とも出会っていないし脱走もしていない、
日本も敗戦していないしもちろんシズコ達にも出会っていない。
・ 日本兵「自分もゴルバチョフと同じ手術を受けた。
そして自殺できないよう手足をもがれた。
自分もゴルバチョフと同じように未来をずっと見てきた、
500年先まで・・・
もうこれ以上こんな想いはしたくない、死にたい。
自分と同じ未来予知が出来るもの同士なら
お互いの演算に干渉する事で呼び出す事が出来ると思い、
このような手段を使った。さあ、僕をコロしてくれ」と。
・ そこに未来予知を聞きに来た満州国皇帝溥儀。
日本兵は今まで溥儀を哀れに思い、
「溥儀が満州国を日本軍から取り返す未来」を教えていた。
しかし、死ぬ手段が見つかった今、
溥儀に真実を伝える。
「あんたは皇帝でもなんでもない1市民になり、
??職(植木その他を刈ったりする職人、なんでしたっけ?)
として生涯を終える」と。
・ そして溥儀の腰の拳銃で
「僕を殺してくれ!そして君自身もジサツするんだ!」と言う日本兵。
・ 日本兵よりシズコの未来を聞かされるゴルバチョフ。
頭部に入った破片は視力を奪うだけでなく、
半年で自発呼吸すら出来ない状況に追い込まれるだろうと。
・ これを聞いてゴルバチョフはこの能力で「ある事」を思いつきます。
そしてそれは同じ演算能力(未来予知)を持つ、
日本兵もすぐに気づくのですが、
日本兵「そうした時の結末は分かっているんだろう?それでいいのか?」と。
・ ゴルバチョフは日本兵を撃ちコロし、
同じようにコロしてくれ!と言う溥儀を無視して、
まだ知り合ってもいない脱走兵や仲間たちを引き連れて
日本へ脱出します。
・ そしてすぐに空襲にあっているシズコの元へ行き、
シズコを空襲からかばって
自身は助からない傷を負います。
・ (シズコはもちろんゴルバチョフの事を知りませんが)
「何故助けてくれたの?」
というシズコに、
「何か食べ物をくれないか?そして君は裏の通りにいる叔父さんの元へ行くんだ」と。
・ ゴルバチョフにおまんじゅうをやって、シズコは去ります。
そしてゴルバチョフは??を摂取した事により、
未来のキャバレーで頭部に怪我をおわなかったシズコが多数の仲間たちと
「マッカーサー元帥の結婚祝い」のダンスイベントを成功させるのを
確かめて、、、
※ この時のゴルバチョフの表情がすごく良かった、と後で聞いたのですが、
自分はダンスの方に夢中で気付かなかったなあ・・・
~ Fin ~
あー、ひさびさ全あらすじ書いちゃった。
多分、話の流れ的にもどんでん返しと泣き所があって面白いと思いますし、
実際これを技量のある役者陣が演じるのを観たら、
結構感動してもらえるかと思います。
自分もかつてそうでしたが、
「お芝居なんて観た事ない」
「お芝居って劇団四季?」
というような人達って多いんです。
だけど、小劇場演劇ってかなり群雄割拠というか
有望な人材にあふれていて、
「評判の良い作品でいいから1度は観劇してみて!」と
言いたくなる世界なんですけどね。
自分は昔1度キャラメルボックスを観て感動したんですが、
その次の回の約束を忘れててバックレてしまい、
そのチケット取りをやってた人に申し訳なくて
10年以上この世界はご無沙汰でした。
それがたまたま浦和レッズつながりから
ひさびさ観に行ったらハマってしまいましたね( ´ー`)
TVの向こう側の「作られた」(成功カットだけをつなぎあわせた)世界よりも、
舞台上1つのミスすら観客側に伝わってしまう
緊張感溢れる世界もいいもんです。
まあ、今日のはあくまでも舞台ブルーレイの上映会なんですけどね。
結構生っぽさは伝わります。
あと、終了後
「あなた出てましたよね!」と女優さんに指刺されて、
「あっ!やっぱりあの後頭部俺だったか( ´ー`)」
と気付かされました。
身体でかいと目立つからなあ・・・