2015年06月20日 22時44分
【SOUND THEATRE(新感覚・音楽朗読劇)CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~】感想
SOUND THEATREで数年前にやった
CROSS ROADの再演です。
※ 確か自分が一番最初に観たSOUND THEATREはCROSS ROADだったかと。
SOUND THEATREは
・ 声優/俳優による朗読劇
・ 演奏者陣による音楽演奏(弦楽器から何からなんでもあり)
・ その他様々な演出(剣術家による真剣による演舞やスモーク、火薬の爆発から何から)
の組み合わせ朗読劇です。
初演 → 再演で
・ 紫吹淳さん → 山本裕典さん(誰?)
ニコロ・パガニーニ役
・ 林原めぐみさん → 佐藤利奈さん
少女ミーシャ、パガニーニの母、その他役
・ 山寺宏一さん (同)
パガニーニの執事、十字路の悪魔、パガニーニの父、その他役
の3人になりました。
お話は簡単に言うと
ショパンなどが生きてた時代、
「ニコロ・パガニーニ(実在のヴァイオリニスト?)」は
少年時代を父母と共に貧乏暮らしの中、
毎日酒場で家族とヴァイオリンを演奏して
お金を稼いで暮らしていました。
父母の強い薦めで有名な先生にヴァイオリンを
ちゃんと習う事が出来ました。
教える事をすぐに覚えるという先生の評価に
母「あの子は天才ですか?」
と質問するも、先生は影で
「自分の才能の限界が分かるぐらいには才能が、ある・・・」
と言うぐらい。
パガニーニは教会の依頼で公衆の面前で
ヴァイオリンを弾いたりしていたのですが、
ある日「音楽の都ウィーンからの講師陣を前に演奏しろ」という命を受けた所で、
自分の才能の限界を知っていたパガニーニは、
「無理だ・・・笑われるだけだ・・・」と。
そして、夕方の十字路、十字路の悪魔と出会ってしまいます。
悪魔「お前が欲してやまない天賦の才をやろう、
100万回演奏した時にお前の命をいただく、
そして今後全ての演奏は私の為に弾け」と。
この悪魔とパガニーニは契約してしまいます。
そして、悪魔と契約して「天才」となったパガニーニですが、
悪魔の力を得たが為に教会での演奏を断り続けていた所を、
「パガニーニの演奏は悪魔的だ!悪魔と契約した異端者の恐れあり!」として
引っ立てられ、
「教会の為に」演奏した為に悪魔に弦を1つまた1つと切られ、
それでも激しい演奏を止めないパガニーニに、
教会は「異端者」のレッテルを貼ってジェノベーゼ
(でしたっけ?パスタの名前になってる場所)から
パガニーニ1人を追い出します。
その後パガニーニはその演奏の力から多くのパトロン達と出会い、
金を稼ぎ、多くの女達とも関係をもち、と
破天荒な人生を送っていきますが、
とうとう残り演奏回数100回、
という所でミーシャという少女と出会います。
ジプシー(ロナというまた別のタイプらしい)のミーシャに
「ヴァイオリンを教えてくれ」とせがまれた
パガニーニは自分の残り少ない演奏回数を使って少女に
ヴァイオリンを教えます。
そして世界中いたる所の王侯貴族達の要求にも応え続け、
とうとう演奏でのアンコールの要求が、最後の1回になってしまいます。
そこでパガニーニは愛用していたヴァイオリンの名器「カノン」を
少女にジェノベーゼの自宅に届けるように、と託し、
幼い頃父母に買ってもらった安いヴァイオリンで
父が作ったという曲を「(悪魔の為でもない)自分の為に」演奏して果てます。
というパガニーニの人生を、ミーシャと自宅に仕えていた執事とで
話し合って終わり。
初演の元タカラジェンヌの紫吹淳さん(女性)のパガニーニも良かったのですが、
今回の山本さん(男性)のパガニーニも、
男女の違い含め、初演と再演での違いが引き立って良かったと思います。
そして、山寺宏一さんについては、ベテラン中のベテランで超大声優、
その「声の」演技力にはまったく問題なし、
初演を越えて今回も素晴らしい演技でした。
そして、自分が今回一番気にしていたのは「佐藤利奈」さん。
先日、劇団東京ジャンケンにて、「グリム童話」の朗読を聴いたのですが、
佐藤利奈さんは女性声優では結構少ない「演じ分け」が結構出来ている方でした。
(グリム童話では確かシンデレラなどを読んだのかな?シンデレラ、王子、
継母、姉2人、など色々を声音や口調、しゃべりのペースなどを変えて見事に演じていたかと。)
その時から、「サトリナさんは朗読に向いているのでは?」と思っていたので
今回の再演で一番期待した人でした。
いやあ、少女と母親(若い頃から老いた場面まで)など、
女性役を見事に演じ分けていました。
もともと「とある魔」/「とある科」の御坂美琴など
少女の役は得意としていると思ってましたが、
自分の年齢よりも上の高齢女性なども見事に演じていました。
※ 声の調子などからも、初演の林原めぐみさんと似たタイプのような気がしました。
そういう意味でサトリナさん、今後もSOUND THEATREにどんどん出てほしいなー
※ 東京ジャンケンには2、3回出てるようですが、
あちらは「ネタが特殊」「劇団的に”声優”をウリにした感じが嫌い」
という事で自分はあまり観に行っていないので・・・
と、楽しめた会でしたが、隣のおっさんがどうにもケツの座りが悪いのか、
足を組み替えてはブラブラ、
また組み替えてはブラブラ、
と繋がってる椅子をガタガタガタガタやるのが
ちょっと「イラッ」と来ました。
PS.書き忘れましたが、今回の演出「ペンキによるアートペイント」がすごかったです。
ペイントローラーでペンキを壁にどんどん塗っていくとそれが絵になっている、
というのの繰り返し。
1.夕焼けの山々と古びたパガニーニの家
2.夕焼けに浮かぶ悪魔の顔
3.夕焼けを飛ぶ鳥(カラス?)
4.最後に白き羽をまとったパガニーニ本人
と、場面の切り替わりごとに現れて、恐ろしい早さで
「見事な絵」を描き上げていました。
あれは、OLDCODEXのYORKさんの比じゃないですね・・・