2015年03月28日 23時35分
【SOUND THEATRE『The ONE』(再演)】感想
※ 諏訪部順一さんのTwitterいわく、
「ザ ワン」(母音が続くけどザ)との事。
初演を新大久保のグローブ座(山手線線路沿い、300人キャパ?ぐらいの中劇場)で公演、
平田広明さん、沢城みゆきさん、あと男性1人
(多分声優さんじゃない俳優系の人だったかと)で演じ、
「なかなかに渋く面白い朗読劇だった」と思った劇の再演です。
朗読劇役者は3人。
・ 井上和彦さん(坂本龍馬に心酔していた明治政府要人陸奥宗光、新選組土方歳三、2役)
夏目友人帳のにゃんこ先生でお馴染み。
・ 諏訪部順一さん(新選組斎藤一、明治政府樹立以降1警官として雇われる)
黒子のバスケ「俺に勝てるのは俺だけだ」の青峰で有名、あとFate/stay nightのアーチャー。
・ 沢城みゆきさん(新選組沖田総司の姉沖田みつ、沖田総司、遊女みゆき、3役)
ローゼンメイデン真紅から色々、演技の幅が広く演じ分けも多彩かつ
海外アニメの英語吹き替えも自分でやるほどの才女、
去年結婚しましたね( ´ー`)。
物語としては、
徳川幕府の大政奉還後、明治政府樹立の頃と
幕末の新選組隊士達の活躍していた頃とを場面転換しながら、
明治政府樹立期に北海道五稜郭に現れた謎のあさぎ袴(新選組の袴)集団が
「本物の新選組かどうか」を調べ、退治する、というお話。
【思った事】
・ 最初Zeppブルーマン六本木(900人規模、「ブルーマン」が
東京で4年に渡り公演する為に作られた比較的新しいホール)に着いて、
自分の席が最後尾の1つ前と最悪な席で
かつ前席との段差もなく
「前に背の高い人が来たら舞台見えないのでは?」と
最悪の想像をしました。
その上、最近のSOUND THEATREは
・ 有名声優を使いまくって声ヲタ中心に大ヒット中
(それまでの朗読劇ファンがほぼいなくなってしまったかと・・・)
※ 公演中に黄色い声をあげるほどマナーのない(特に)女子多数
・ 演出も火薬その他のド派手なもの中心になって魅せるというより
「驚かせる」が中心になってきてしまっている
と感じ、
更に1つ前の公演に二日酔いで行けなかった事もあって、
「そろそろ卒業しようかな」
朗読は本物(銀河万丈先生の朗読会「ごんべん」)だけでいい、
売れっ子その他声優達のアフレコと朗読を勘違いしてるような奴は
聴くほどの価値がないから、
と思っていた頃だったので、
マイナスイメージは大きかったです。
・ Zeppブルーマン六本木はZeppダイバーシティ、Zepp東京と違い、
パイプ椅子ではなく固定専用シートで
結構すわり心地は良い、
ただし人が通るには座ってる人全員立つ必要があるぐらい前席との間は狭い、
でした。
・ 今回の舞台では観客のマナーが最初から悪かったです。
開演直前に入ってくる連中もそうですが、
開演してからも20人以上案内されていましたし、
スマホその他消さない人も多数(劇場中でピカピカ)、
そして最後には
遅れてきた巨漢、150kg級おばさんがほんとにマナー悪かった・・・
まず、もう舞台は始まっているのに同列だったので立って通したのですが、
足を踏まれ(ほんとなら折れてるぐらい・・・)、
更には配布物のビニールを公演中何故かずっといじってる・・・
(非常に五月蝿い)。
そして、あげくの果てに前半終了の休憩中に、
いびきをかいて寝だしました。
「後半起きるんだろうな?」と思っていたのですが、
とうとう起きず、ずっと大いびきをかいて、
途中「フゴッ!」とか無呼吸状態に陥ったりで
ヒドイ豚野郎(一応おばさん)でした。
終わった後、PLAYBUTTON(本劇が録音されている再生機器)を買う列に
並んでいたら、近くのOLさん?達が
「何しにきたのあの人?ずっと耳塞いでたよ、
ひどいよあのイビキは・・・」と猛烈に
怒りトークしてたので、
多分半径10mはあのおばさんのイビキに迷惑してたのでしょう・・・
※ 今思えばそのおばさんの隣の客が前半終わってそのまま消えたのも
すごく気になったんですよね。
おばさんのせいで消えたのか、
おばさんにチケットを渡す役目を果たして消えたのか・・・
※ イビキは最悪でしたが、でもちゃんと劇は観れましたし、
最後には楽しめました。
最後までイビキに苦しんでたらおばさんの椅子蹴って帰ったと思います。。。
・ 最初、悪そうな所を挙げ連ねたZeppブルーマン六本木ですが、
実際舞台開演で、
まず観客側照明が消えると
浮きたつように舞台のみが観える形になり、
その上座席もちゃんと前の人の頭とずれて舞台が観えるように配置されているようで、
※ 距離は50m強ありましたが、舞台:自分、の関係で観えたのは良かったです。
そして、音響が「良い」。
最近作られた劇場だけあってなのか、あるいは演奏が基本生楽器(スピーカーを通さない)のおかげなのか、
SOUND THEATREの1つの見ものである生演奏がすごく良く聞こえました。
圧倒的なボリュームで攻めてくる感じです。
・ 本劇は前半、休憩20分、後半の構成です。
まず前半ですが、
劇場の音響の良さもあり、生楽器での生演奏はすごく耳に響くのですが、
肝心の朗読劇の方が、
・ 声優としての声の張り
・ 演じ分けの上手さ
※ カメラのフラッシュのような照明効果ごとに
現代と過去(新選組)が切り替わる
などは感じられましたが、全然気持ちが引き込まれない。
※ これはもちろん物語がまだ序盤でクライマックスではない、という所が
大きいのですが・・・
気持ちとしては豪華BGMに載せてただの朗読(アフレコ?)を聴いている感じでした。
※ 劇場の大きさのせいか、SOUND THEATREがここまで落ちたか、
と考えてしまいました。
・ 後半戦、
開始そうそう生演奏と一緒に
剣術「天然理心流」の人2人(一番偉い人と師範)による
木刀での演武(というのかな?)が始まったのですが、
段取りありのやりとりとはいえ、
ここが今までで一番緊張感/緊迫感のある場面に思えました。
(音楽演奏的にもクライマックス的にその空気を高めていました。)
※ 更に後では真剣による演武がありそこでの緊迫感は更にすごかったです。
(以前のThe ONEでも真剣を使っていたので多分真剣での演武だったかと・・・)
「このままじゃ演奏と演武に食われてこの朗読劇終わり?」と思ってしまいましたが、
ここからが大物声優3人の見せ所でした。
まず土方歳三(井上和彦)が沖田総司が結核に倒れた事を心配するあまり、
戦陣がボロボロに崩れてしまい退却する所で、
その土方の気持ちの揺れよう、沖田総司を心配する様が
むちゃくちゃ心に刺さる刺さる。
そして今度は沖田総司(沢城みゆき)が
狙撃で重症を負った近藤勇を闇討ちしようとする者達に対して、
「俺の本気を見せてやる!」と
気合の叫びを上げる所で、もう900人ホールの場の空気は完全に掌握されていたかと。
そして2人が作った空気感に斎藤一(諏訪部順一)が上手くのり、
五稜郭に現れた「新選組」衣装の謎の集団相手に戦えずにいる所から、
「彼らが偽物」に過ぎない事を知り、
「ホンモノ、新選組三番隊隊長斎藤一」として戦いに向かう所、
更には新選組で1人だけ生き残り、かつての敵であった政府(明治政府)側の
犬(警官)に成り下がった自分を恥じる事に対して、
夢で土方歳三、沖田総司が声をかけて来て自分を取り戻す所までを
見事に演じていたかと。
※ 初演のThe ONEは斎藤一がかなり寡黙で「ほとんど台詞なし」な感じだったんですよね。
それに比べて再演版では斎藤一の見せ場が結構多い。
この3人の演技に熱が入れば入るほど、
900人規模劇場の最後尾近くで観劇している(しかもイビキおばさんまでいる)状態の
自分ですら、手に汗握るし、涙腺も緩む、
もう完全にハートを掌握されました。
いやあ、ひさびさSOUND THEATREで「良かったな」と思わせられました。
・ 多分ですが、初演の『The ONE』に比べて
・ 色々説明を追加した
・ 斎藤一の台詞を増やした
など、かなりの改変を加えたものと思われます。
主催の藤沢文翁さんは。
・ 閉幕後、井上和彦さんが言ってましたが
「去年のワルキューレを開演前日病気で降板した事もあって、
もうSOUND THEATREにはしばらく使ってもらえないのではないか?
と思っていた所のThe ONE、やれて良かった」との事でした。
※ SOUND THEATRE夏目友人帳の続編も決定しています。
・ 初演時は考えもしなかったのですが、
タイトル『The ONE』は
・ 斎藤一の1の字の意味なのか?
・ 斎藤一が新選組最後の生き残り、という意味なのか?
これからは
・ お芝居
・ 浦和レッズ応援
・ 映画その他
を趣味の中心にして、
SOUND THEATREは控えようか、
と思っていましたが、
今回の観劇で「やっぱりSOUND THEATREも観たいな」と思ってしまいました。
さて、どうしよう( ´ー`)