2015年02月15日 16時49分
【第百四十九回「ごんべん」-銀河万丈読み語り-】感想
銀河万丈先生、(持病なのか)首(頚椎)を痛めたそうで、
首コルセットをしての朗読。
大変そうだった・・・
早く良くなるといいなあ
●東海林さだお『酌の問題』
相手にお酒を注ぐ、「お酌」。
「酌」というとなんだか気品ある行為のようだけど、
「お」酌になるとへりくだっていたり
下心があったりと何か少し品のない行為のように思える。
という話から、
会社の飲み会では一番若いモノが全員のコップを眺めつつ、
「縁から4cm飲んだら注ぎに行くぞ!」と気合を入れていたり
3.5cm止まりのコップを観ていて
「あとちょっと、あとちょっと早く飲んで!」と
イライラしていたりとか。
そして、「酌好き」の人っていうのがいて、
ビール瓶を持って「さて酌に行くぞ!」とばかりに立ち上がり、
まだ全然飲んでない人のコップにも「ささどうぞ!」と
早くグラスを空けろと急かしたり、と色々ある。
というお話。
むかーし昔の新人時代の飲み会で、先輩に
ビール一口飲むごとに「さあ、飲んで飲んで!」と
どんどんビール注がれて、結局泥酔状態で
そそう(ゲロ)してしまい、
トイレで泣きながら「あの人が勧めるから・・・」って
愚痴を別の「良い」上司に聞いてもらったのが懐かしい( ´ー`)
●東海林さだお『稲荷ずしはヤドカリだ』
美味しいお寿司屋さんからコンビニのパックの寿司まで
稲荷ずしって色んな場で出会う。
コンビニその他のパックでは主に太巻きなんかと一緒に入ってて、
切り分けられて中身の具が豪華に見える太巻きに対して、
茶色い袋に包まれた稲荷ずしの「貧乏ったらしさ」たるや、、、
しかし稲荷ずしこそが思い出といつも一緒にある食べ物、
稲荷ずしを食べてるとついしんみりしちゃいませんか?
運動会やら何やらイベントごとに必ず出てきた稲荷ずし、
口にほおばってお揚げの甘辛さを感じつつ
噛み切ればすし飯の甘酸っぱい感じがこれまた美味しい。
という話から
稲荷ずしってヤドカリに似てませんか?
ヤドカリが貝殻の中身を確認して、「誰も入ってないな?」って
自分の宿にするように
すし飯が油揚げの中身を確認して、「誰も入ってないな?」って
すっぽり収まる、というとんでも話(銀河万丈先生談)まで。
コンビニでも普通のお弁当が結構美味しくなったり、
最近では低炭水化物ダイエットしたりなんかで、
稲荷ずし全然食べてないなあ、
「大好き!」とは行かずとも
ごまが入ってる奴とか具がアレンジされてる奴とか
結構好みの味なんだけどね。
回転寿司では多分メニュー自体に入ってなかったような気もするし。
●浅田次郎『プリズンホテル』【2】秋1・2
※ 先月、約1年半をかけて大作『プリズンホテル』【1】夏を
読みきったと思ったら、
なんと今月から続編の『プリズンホテル』【2】秋を
「来年冬までの読破目標」で読むとの事。
銀河万丈先生もこれまた思い切った作品を
続けて選んだなあ( ´ー`)
『プリズンホテル』自体、笑えて泣けてすごく面白い作品、
かつ銀河万丈先生の各役の演じ分けが光る、
とても登場人物が多くて読み語りにふさわしい作品なんだけど、
長編すぎるゆえ、
1度でも「ごんべん」来れなかった人は
「話についていけなくなっちゃわないかな?」
(会場(喫茶店)、どう見ても毎回同じ人がいるようには見えないし)
と思うんですけどね。
まあ、自分はなんとか頑張って働いて
本作も全部聴ききりたいなあ( ´ー`)
前作の主人公だった極道モノ作品の小説家とその叔父である
プリズンホテルオーナーにしてヤクザの大親分。
小説家が極道小説8作目を書くのに飽きてきて
※ 今回8作目としてヤクザのトップが寿命で亡くなって、
その跡目争いの話を書きだした所だったけど、
「そもそも跡目争いこの8作でもう4回目だぞ」
とネタにつまっていた
気晴らしに恋愛小説なんぞ書いてみようとした所へ、
「暴力団組織○○会の総長が亡くなったので、その葬儀を取材しませんか?」
という編集からの連絡と、
「○○会といえば叔父の属する組織だ」
という事で
身内だけの内々葬式(組織では後で別に大々的な組葬を行う)へ
行ってみた、という所まで。
前回からの登場人物2人しか出てない状態なので、
まだ今回は盛り上がりは特に無し。
ここから再びプリズンホテルへの誘いがあるんだろうなあ( ´ー`)
前回だけの登場人物はともかく、
プリズンホテル従業員一同や
今回の登場人物などが早く出てきてくれる事が待ち遠しいです。
●宮部みゆき『敵待ち』
ある小料理屋の亭主が病を患った、という事で
勤め先の大料亭からその手伝いに駆りだされた料理人(妻子持ちの40男)。
しかし、小料理屋の若女将(おかみ)をずっと狙っていた
若いヤクザ者が亭主の留守をこれ幸いと若女将に手を出そうとしたのを
邪魔した事で目をつけられ、命まで狙われる。
そこで妻と相談し、同じ長屋に住む傘張り浪人
(元侍だがもう6年は傘張りで暮らしている)に
「用心棒」を頼む。
で、料理人はいつも通り小料理屋で仕事を終えて帰ろうとした所で
浪人に出会い、一緒に家へ向かうが、
そこで浪人が死体を見つける。
そしていきなり背後から「人殺しだー!」の叫び声を上げて
逃げていく人影が。
浪人「ハメられましたね・・・」
逃げる訳にも行かず、そのままやってきた岡っ引き達に連れて行かれた所で、
「死体は金貸しの男、腹を短刀で一刺しされていた。
その短刀に見覚えはないか?」と料理人が疑われる。
「その短刀の持ち主があの料理人である、
若いヤクザに狙われていたので短刀を持ち歩いていた」
などと小料理屋の若女将が岡っ引きに吹聴した事を見抜く浪人。
浪人「・・・私を用心棒に雇って良かった(´∀`*)」
実は若女将と若いヤクザ者は実際にデキていて、
若いヤクザ者の借金の為金貸しを殺そうと、
そして料理人をその犯人に仕立てあげよう、
と仕組まれた罠だった。
数日後、料理人は傘張りに精を出す浪人の所へお礼がてら酒を持って出向く。
しかし、それから数週後、いきなり浪人は長屋からいなくなってしまった。
「恩人がどうしていきなり?」と納得の行かない料理人は
長屋の主に理由を問い詰める。
主いわく「浪人は実はある藩の元重鎮で
あまりに切れ者の為、殿の奥方に重宝されていたが、
それが殿の逆鱗に触れ(密通を疑われ)、刺客を差し向けられてしまった。
しかし、殿の息子自体は浪人の事をかなり買っており、
早く殿を隠居させて浪人を連れ戻したい、と考えている。
その為、しばらく浪人として長屋に身を隠していた。
それが今回の事件でその素性がバレてしまう可能性が出たので
また別の場所へ引っ越した」と。
あくる日、浪人の元住んでいた家の前に立つ武士、
どうも刺客ではなくその身を案じていた側の武士らしい。
料理人は「浪人に用心棒として助けてもらった」事を話すが、
武士いわく「はて、○○様は剣はからきしのはずだったが?」
という事で、剣はからきしだが頭の冴えた浪人の
浪人「・・・私を用心棒に雇って良かった(´∀`*)」
という言葉を伏線として笑いオチにする物語。
泣きものではないけど、こういう余韻の残し方もまあありかな。
銀河万丈先生いわく、次回は宮部みゆきさんあるいは
別の人の作品を探してみる、との事。
(雰囲気的に「ごんべん」で後半に読む時代もののテイストと
合わない?という事かしら?)