itomasa7の日記

2015年01月10日 01時26分

【そして父になる】感想※ネタバレ

評判良くて買ったはいいけど2時間以上の作品を観る気力が湧かず、
半年以上放置してた「そして父になる」、
なんとなく今観てみよう、と思って観賞しました。

出産時の子供の取り違え事件に出会ってしまった2組の家族、
そしてその片方である福山さんちに主に焦点を当てた物語でしたが、
思ったより「泣かせよう」という狙いをアピールせずに
ちょっと淡々と、
「こういう事故は血を取った方がいいんです」という
作中の弁護士の言う通りに終わるように見せておいて、
しかし忘れた頃に「これが来たかあΣ(゚Д゚」と思わせる
再展開で、余韻を残すいい終わり方
(無駄に続けず最後を想像させつつ終わる)、

たしかにいい映画ですね( ´ー`)


【ネタバレ】
※ 子供の名前は親が呼ぶから覚えたけど、
  親たちの名前は覚えられなかったので
  俳優さん名そのままで。


・ 福山さん(パパ)、福山奥さん(ママ)、
  息子の「けいた」(小学校入学前)、の
  小学校のお受験のシーンから。

  福山家はなんでも1人で出来るように、と
  お風呂も1人、その他なんでも
  子供の頃から1人でやらせてきたお家(うち)。
  (福山パパ自身も父親からそう育てられたらしい。)


  お受験にて、面接官に
  けいたの短所を聞かれた福山パパは
  「おっとりしている子で人と争う事が嫌い、
  勝とうと思う気持ちが足りない」と。

  そして「夏の思い出」を聞かれたけいたは、
  パパと一緒にキャンプに行った時
  福山パパが凧揚げが上手かった、と。

  あとで福山パパが
  「パパとキャンプで凧揚げなんかしてないよな?」と
  けいたに聞くとお受験塾の先生がそう言え、と教えたと。

  ※ 最初の方から語られていきますが、
    福山パパは仕事にかかりっきりで
    家族サービスはまったく出来ていない、
    福山ママはそれを不満に思っている、
    そんな家族の感じです。

    小学校での”お受験”にしても、
    「後で苦労するより今しておいた方が」と
    福山パパが推し進めた模様。


・ 福山パパは一流建築企業の課長クラスでエリートサラリーマン。
  めっちゃ高いマンション(スカイツリーも見える)に住んでいて、
  土日もあまり家にいれないほど忙しい。

  お家でもピッシリ子供のスケジュールを管理してて、
  英語のお勉強を毎日する、ゲームは1日30分、など色々厳しい。


  それに対して福山ママに
  「ピアノ楽しくないなら無理して続けなくてもいいんだよ?」と
  聞かれたけいたは「でも、パパが喜ぶから」と。

  ※ かまってくれないパパの事もちゃんと想っている、
    やさしい子のようです、けいたは。


・ 数少ない家族団欒の中、リビングで愛用の一眼レフカメラにて
  けいたを写真に収める福山パパ、
  福山ママと一緒にその写真(液晶画面)を眺めるけいた。

  ※ けいたもかなりこのカメラの使い方を分かっている感じ。


・ ある日、福山ママの元にかつてけいたを出産した病院から
  「1度お会いしてお話したい事がある」と。

  福山ママ側おばあちゃん(樹木希林)にけいたを預け、
  福山パパママで病院の医師、病院側弁護士と会う。

  当時病院で生まれたある子供の親が、
  子供の小学校入学で血液検査をした所、
  DNAが自分たちと一致しなかった、
  という事から子供の取り違え事故が発生している、
  当時その病院で出産した家族に対して、
  子供のDNA検査をさせて欲しい、という事だった。

  ※ たしかこの時点ではまだけいたが
    福山パパママの子供ではない、という事は
    確定していなかったかと。


・ そして数日後、病院にて
  戸惑いながらもけいたの遺伝子の検査に立ち会う
  福山パパママ。


・ 遺伝子検査の結果が判明し、
  福山ママおばあちゃんの家にて、

  福山ママおばあちゃん「そういえばあの人、確かなんだったかね、
    が、”福山パパママどちらにも似てないねえ”って、
    あれが当たってたんだねえ・・・」


  それから、福山パパの(エリート的な)接し方の問題なのか
  福山ママおばあちゃん「あんた達夫婦の事を良く思ってない人も
    親戚には多いからねえ・・・」


・ 家に帰った福山パパママ、

  福山パパ「どうして分からなかったんだ、母親なのに?」

  そして「だからか。。。」
  と漏らす。


  その後も、

  福山パパ「なんであんな田舎の病院にしたんだ」

  福山ママ「だってあなたがそばにいてくれなくて不安だったのよ。
    だから母が通える場所にしようって。私もあそこで産まれたし。。。」

  言い争う2人、しかしその場にすぐけいたが
  入ってきて話はこれまで。


・ そして取り違えのあった両家(親のみ)+病院医師、病院弁護士で
  ホテルの一室にて面談。

  その話し合いの中も、フランキーパパは
  「こういう事件の場合、いったいいくら貰えるんでしょうな?」
  などゲスな会話をしてしまう。

  病院弁護士「とにかくこういう事件について、
    今までのケースでは100%、
    血の繋がったもの同士に戻ってるんです。
    幸いにもまだ小学校にも上がる前です。
    早いうちに、学校に上がる前に本当の家族の元へ
    子供を戻した方がいい。」

  福山ママ、フランキーママともに驚く。
  「あと3ヶ月しかないじゃないですか!」


・ フランキーパパ、ママの風体や
  金に対してのゲスな話ばかりする所などから、
  福山パパはかなり差別的な意識を持つ。

  ※ 福山パパは高級マンション、高級車から
    スーツまで高級そうで、エリート感がプンプン。

    マンションの豪華さに観賞している自分自身、
    「ああ、俺って負け組だなあ・・・」とか感じてたし。


・ 両家でテーマパークで会う。

  フランキー家はパパ、ママと
  りゅうせい(福山パパの血の繋がった子供)、妹、弟の3人兄弟。

  りゅうせいはけいたを誘い、妹、弟と一緒に遊具へと向かう。
  
  ※ けいたと比べ、りゅうせいはかなりわんぱくな様子。


  フランキーママ「うちお金がないんで、今日はかなり奮発してるの」

  両家全員の食べ物を注文し、
  福山パパが「いや、自分が払いますよ」というのを押しのけて

  フランキーパパ「領収書ちょうだい、○○病院宛て、で」

  ※ こういう家族にかかる雑費の全てを
    今回の事件を引き起こした病院へ請求しようとしている。

  その貧乏臭さがまた福山パパの癇に障る模様。


・ 4回両家子どもたちとのテーマパークでの会合の後、
  病院医師、病院弁護士との面談にて、

  病院弁護士「4回も会ったのだし、そろそろ次の段階に進んでは?」
  
  この言葉に対して、

  フランキーママ「こういう事件に対してなんかマニュアルでもあるんですか?
    4回あったら次、とか!誠意が足らんのと違いますか?」と怒るも

  福山パパ「じゃあ、毎週土日だけお互いの家にお泊りする形にしては」と。


・ そして毎週土日の

  けいた   → フランキー家

  りゅうせい → 福山家

  へのお泊りが始まる。


・ 福山パパの車でフランキー家へ。
  フランキー家は街の電気屋さん。

  そのボロさを見た福山パパは
  「いくらなんでもこれはないだろ・・・」とぼやく。


  そして子供それぞれを預け合い、

  りゅうせいは福山家(高級マンション)へ行って
  そのあまりの豪華さに「ホテルみたい」と驚き、
  高級そうなお肉をすき焼きで食べるも、
  その箸の持ち方が気になった福山パパが
  「りゅうせいくん、ちょっといいかな」と
  りゅうせいに正しい箸の持ち方を教えるなど
  あまり楽しそうな様子ではなかった。

  その後、お風呂も1人で入り、その中でも
  ずっと箸の持ち方を練習するりゅうせい
  (多分福山パパにやるように言われた)。


  一方フランキー家では、おじいちゃん含めた一家に対して
  フランキーママが大皿にどかんと盛った餃子などを
  一家がいっせいにがっつく中、

  おっとりした性格ゆえか入っていけなかったけいたに対して、
  フランキーママ「早く食べないと無くなっちゃうよ?」
  の言葉になんとかその輪に入っていく。

  その間も食べながら喋ってボロボロと食べ物を飛ばす
  汚いフランキーパパ。

  翌日、フランキーパパがラジコンをハンダ付けして直すのを
  フランキー一家と一緒に見るりゅうせい、
  そして直ったラジコンで遊ぶ。


・ 福山家に帰ってきたけいた。

  けいた「今度はいつフランキー家に行くの?」

  福山パパ「また来週かな?」

  けいた「これも持っていっていい?」とブリキのおもちゃを持ってきて

  けいた「りゅうせいくんのお父さん、なんでも直せるんだよ!」
  
  そのけいたの喜びように、

  福山パパ「だったら壊れたヒーターも持っていけばいい、
    きっと直してくれるだろ」
  と思わず嫌味を言ってしまう。


・ 今度は福山家へフランキー一家がお迎えに来る。

  フランキーパパ「こりゃすごい、確かにりゅうせいが言ってたみたいに
    ホテルみたいだ」

  そしてりゅうせいとけいたそれぞれ交代し、両家へ。


・ 週ごとに何回も何回もお泊りが繰り返されていく。

  どんどん打ち解けていくフランキー家とけいたに対して、
  福山家にいる中で楽しそうな事がほとんどないりゅうせい。
  
  福山ママとは楽しく話せるのだが、
  福山パパが帰ってくると途端にやる事がなくなってしまう。


・ しかも、福山パパは「仕事の忙しさ」を理由に
  このお泊りが始まってからも
  りゅうせいと向き合う事は少なかった。

  ※ この辺りの「父親になりきれていない福山パパ」も
    表題「そして父になる」につながるのかな。

  福山ママはいつも1人、りゅうせいと、
  そしてフランキーママと電話で語り合い、

  そして電話の事が福山パパに知れ、

  福山パパ「あまり関わりあいにならない方がいい。
    最後には裁判で争うかも知れない相手なんだ・・・
    仕事で一緒にいてやれないのは悪いと思っている。」
  と言われると、

  福山ママ「いつもあなたは仕事を理由にして・・・」と。


・ 学校でパパママの絵とバラの工作を作ったけいた、
  それをパパママにプレゼントするという、
  その話を福山ママから聞き
  
  福山パパ「ありがとうな、けいた」

  と絵とバラ2つを持ち上げると、

  けいた「こっちは、りゅうせいくんのパパに。おもちゃ直してくれたから」

  また、イラッとしてしまう福山パパ。

  ? もしかしたら、この後フランキーパパへ贈るはずの
    バラを隠してしまった??


・ あるお泊りの後、
  福山ママが1人でお迎えに行く。

  けいたが手に絆創膏をしているのに気づいた
  福山ママが「この怪我どうしたの?」と聞くと

  フランキーママ「ああ、かけっこで転んじゃったのよ」と。

  福山家に帰りその事を聞いた福山パパは、
  「ひとんちの子を怪我させておいて、そんな言い草はないんじゃないか!」
  と怒り出す。
  
  福山ママ「だったら、あなたも迎えに来てそう言ってくださいよ!」


・ 会社での新規提案の場で、
  部下達がプロジェクトの説明をしている中、

  部長「で、どうなったんだ?」

  福山パパ「今、今後の事を調整している所です。どうなるかはまだ・・・」

  部長「だったら、今の子もむこうの子も
    両方引き取っちゃえばいいんじゃないのか?」

  この言葉に福山パパは計画を練り始める。


・ フランキー家は知り合いに弁護士などいない、
  という事で、
  福山パパは大学の同期だった弁護士に
  病院との訴訟の弁護を頼む。

  福山パパと福山パパ弁護士の打ち合わせの中、

  福山パパ「子供を育てる能力がない、という事で2人ともうちに
    引き取る事はできないか?」

  と福山パパ弁護士に先日のけいたの怪我の件などを理由に
  相談を始める。

  福山パパ弁護士「そんなんじゃ全然だめだろう、
    子供を引き取る事が出来るケースっていうのはネグレクト、児童虐待や
    両親に子供を育てる能力が完全にないっていう場合だけだ。」

  しかし、今後その方向で動いてくれるよう、
  福山パパは福山パパ弁護士に頼む。


・ 福山家とフランキー家、双方そろって何度目かのお茶会。

  ? 自分はどこか分からないけど、
    子どもたちが遊べる遊具が沢山揃ったテーマパークみたいな場所、
    マットやらクッションが沢山入った汽車とかそんなのが
    いっぱいある所、キッザニアという所かしら?

  けいたとりゅうせい、フランキー家の他の子(りゅうせいには妹、弟がいる)、
  が仲良く遊んでいる。
  フランキーパパがその中に混ざって遊び、

  福山パパに「交代して!」と頼むも
  福山パパは「・・・いや」と断る。

  ※ 福山パパは子供と上手く溶け込めるお父さんではなかった。
    けいたが素直だからなんとか父親をやっていれらた感じ。

  代わりにフランキーママと福山ママが子供と楽しく遊ぶ。

  その後、子供達と離れた場所でお茶を飲む
  福山パパママ、フランキーパパママ。

  フランキーパパ「うちなんて、子供3人いる上に
    おじいちゃんまでボケて子供みたいになっちゃって
    子供4人いるようなもんですよ、ほんと大変なんだから」

  フランキーママ「4人じゃなくて5人でしょ(フランキーパパをさす)」

  この言葉につい福山パパが漏らしてしまう。

  福山パパ「じゃあ、りゅうせいとけいた、2人ともうちにくださいよ、
    子供が沢山で大変なんでしょ」と。

  この言葉に怒り出すフランキーパパママ。

  更に福山パパ「お金で済むんだったらいくらだって払います」に
  激怒するフランキーパパママ。

  福山パパ「だって、裁判の話が出た時、”いくら貰えるんだろう?”って
    言ってたじゃないですか」

  フランキーママ「アレはアレでしょ、
    子供をお金で売り買いするわけないでしょ!」

  と揉める所を福山ママの必死の謝罪でなんとかこの場は収める。


・ そして裁判、
  相手側弁護士の福山ママに対して
  「どうして分からなかったんですか?
    あなた母親でしょう?」
  に対して、

  福山ママ「あの時私は出産で身体を壊してしまって、
    そのせいもあってそういう事が分かる状態じゃなかった・・・」


  そして、元看護婦が自分の証言時に、なんと

  取り違えは実は事故ではなく故意にやった、
  当時担当した自分が
  「自分は再婚したばかりで相手の子供もなついてくれなくて大変な状況、
    それに比べて福山さんちは一番豪華な病室で
    全家族から喜ばれてと、
    それを見ていてこの一家も不幸になればいいと思い、
    他の家の赤ちゃんとすり替えた」
  と。

  そして、自分が今、再婚した相手や子供ともうまく行くようになり
  人の親になって(子供を産んだ?)、
  やっと「とんでもない事をしてしまった」という事が分かった、
  謝罪しなければならない、と思って真実を述べた、
  と。


  裁判の後、福山パパママ、フランキーパパママが喫茶店で、

  フランキーママ「絶対に許せない、訴えよう!」

  と言うも、福山パパが福山パパ弁護士に聞いた話では、

  こういう事件は「未成年者略取」にあたるが
  5年で時効、もうそれを過ぎている為、
  誰も元看護婦を訴えられない、との事。


  「それを知っていて言い出したんじゃないか!」
  と激昂するフランキーママ、

  「一生許せない」と怒りをみせる福山ママ。


・ ピアノ教室の発表会、
  けいたは簡単な曲を何度も何度もミスして繰り返す、

  そしてそれより小さい(と思われる)女の子が
  なんとも難しい曲をミス1つなくうまく弾く。

  けいた「すごいね」

  福山ママ「ほんとすごいねー」

  福山パパ「けいたはあんな子に負けて悔しくないのか?」

  福山パパ「そんな気持ちなら、ピアノなんてやめちまえばいいんだ!」と怒る。

  福山パパはけいたの闘争心、負けず嫌いな気持ちのなさに
  ガッカリした様子。

  家に帰って福山パパママの会話の中、
  けいたの闘争心のなさなどを怒った福山パパに対して、
  福山パパに怒りながら

  福山ママ「けいたと血がつながってない事が分かった時、
    あなたがなんて言ったか覚えてる?」

  福山パパ「覚えてるよ。”どうして分からなかった、母親なのに”だろ?
    あの時は済まなかった」

  福山ママ「それじゃないわ。あなた、”やっぱり”って言ったのよ。
    けいたはあなたみたいになんでも出来る優秀な人間じゃない、
    それに対して血がつながってないと分かったあなたは、
    ”やっぱり”、と血がつながらない子だから優秀じゃないんだ、
    とけいたの事を見限ったのよ。
    私はあの言葉だけは一生忘れない」と。


・ 福山パパの父親が倒れたという連絡に
  会社を休み実家(かなりボロいアパート)を
  訪れる福山パパとその兄弟(兄かな?)。

  その途中、福山パパ兄は「ちゃんと、”お母さん”って呼べよ」と。

  実は病状は大した事はなく、
  「そうでも言わないとお前は帰ってこないから」
  という福山パパの父。

  そして(再婚相手であろう)義母とのやりとり。
  福山パパは基本あまり口を出さない。

  福山パパ父は
  「これから歳を取るほどにけいたは向こうの父親に似てくる、
    そして向こうの子供はおまえに。
    それにお前は耐えられるのか?」と。

  そして、福山パパ、兄の帰りを見送る父、
  その際義母は「お父さんはあんな事言ってるけど、
    あたしはあんた達の事、血だなんだなんて
    考えて育てなかったよ?
    付き合ってく時間が大事なんじゃないのかい?」
  と。


・ 病院側との訴訟に勝ち、その報告をしにきた福山パパ弁護士に

  福山パパ「何も喜べない」。

  そして、福山パパ弁護士は病院側の賠償とは別に
  元看護婦から封筒(いくばくかのお金?)を預かってきた、と。

  それに対して「キレた」福山パパ。

  元看護婦の家を訪ね、

  福山パパ「こんなものはいらない、
    あんたの家で俺たちの家族はめちゃくちゃだ!」

  と激昂するが、
  そこへ家から出てきた少年が元看護婦の前へ割って入り、
  福山パパに”喧嘩を売るかのような顔”を向ける。

  福山パパ「お前は関係ないだろ」

  少年「ある!おれのお母さんだから!」

  福山パパ「・・・そうか・・・」

  少年の言葉が胸に刺さってしまった福山パパは
  とぼとぼと引き上げていく。
  その後姿に頭を下げ続ける元看護婦。

  ※ 悲しい事にこの事件を引き起こした一番の悪人であるはずの
    元看護婦の、その再婚相手の連れ子に
    「血の繋がりはなくても、一緒に暮らした時間で家族になる」
    という事を見せつけられてしまった・・・

    かなり観賞側の胸にも刺さるシーン


  マンション駐車場にて福山パパは”義母”に連絡し、

  義母「お父さんに用事?」と聞かれると

  福山パパ「いや(義母に)・・・」

  福山パパ「あの時はごめん」

  という言葉に対して、

  義母「あたしはそんなかしこまった話より
    あの人はヅラだ整形だとか、
    そんな馬鹿話をあんたとしたいよ」
  と。

  ※ この時点では、

    ・ 福山パパ、その兄は
      父の再婚相手である義母に長い間育てられ、
      その間、福山パパは一度も義母を「お母さん」と呼んでやらなかった、

    その事に対して謝りたかったのかと思ったが、
    どうも、後のシーンを観ると

    ・ 福山パパが一度家出した事に対して

    の模様。


・ 会社にて部長より、異動の辞令が下る。

  何故自分なんだ!と怒る福山パパに
  福山パパ達の訴訟問題の載った雑誌を机に置きながら、

  部長「まあ、こういう事もあったんだ。」

  福山パパ「別にうちが悪い訳じゃない!」

  部長「お前はもう少し家族と一緒にいる時間を持った方がいい。」

  福山パパ「部長も現場でこうやって
    (家族との時間を捨てて)ドンドンのし上がってきたんでしょう!」

  部長「あの頃とは時代が違う」


・ 福山家にて

  福山パパ「これはミッションだ!
    (福山パパとけいたの間でよく使われる言葉)
    これからはあっちの家(フランキー)のパパを”パパ”と、
    あっちの家のママを”ママ”と呼ぶんだ。」

  けいた「いつまで?」

  福山パパ「いつまでかは分からない」

  それでも納得してくれるけいた。

  福山家最後の日だった。


・ 公園にて、フランキー家で教わってきたのだろうか?
  あのくるくる回るボール型の遊具(最近はみんな撤去されちゃった)に
  福山パパを乗せて、楽しそうにそれを回すけいた。

  いつもけいたを撮り続けた一眼レフカメラで
  けいたを写真に撮り、
  そしてけいたにカメラを渡す。

  けいたが福山パパを写真に撮る中、

  福山パパ「けいた、そのカメラお前にやるよ」

  しかし、けいたはなぜか「いらない」と首を振る。

  福山パパ「・・・そっか」

  ※ この時点では見ていて理由が特に分かりませんでした。


・ 福山家、フランキー家両家で川で遊ぶ。

  フランキーパパ「ここはタコあがんないぞ。なんか鮎を守る為に
    上の方に網を張ってるみたいだ」

  それでも必死に凧揚げするけいた、りゅうせい、妹、弟。


  それを遠く眺める福山パパの元へフランキーパパが。

  フランキーパパ「昔はね、買ったのじゃなくて、オヤジが作ってくれたんだ。
    新聞紙とかでこう足をつけたやつをね。
    今時のやつと違って、これがまた飛ばすの難しいんだ。」

  福山パパ「うちは、父が遊んでくれえるような家じゃなかったんですよ・・・」

  ※ これまでフランキー家に対してずっと
    「たかが街の電気屋」というエリート意識を持っていた福山パパが
    とうとう心を開いた・・・

  そして語り合う2人。


・ フランキーママと福山ママの会話。

  フランキーママ「りゅうせいね、ああ見えて夜1人でトイレ行けなかったの。
    で、いつもアタシが一緒にトイレへ行ってあげてたんだ。
    でも、弟が生まれた時にね、
    ”今度は自分が一緒にトイレに連れてってやるんだ”って
    夜1人でトイレに行けるようになったの。」

  福山ママ「けいたね、ほんとは兄弟が欲しかったの。
    妹が欲しいって言われたの。
    でもあたし、もう産めないのよ(先の産後すぐに調子を崩した件で、の模様)。
    だからね、こういう形でも兄弟が出来るのを
    きっと喜ぶと思う・・・」

  そしてボロボロと泣き崩れる福山ママをフランキーママが抱きしめる。


・ フランキーパパ「みんなで記念撮影しよう!」

  両家が並ぶ中、
  
  フランキーパパと共に台にカメラを置く福山パパ、
  
  ※ ここのカメラが安物コンパクトデジカメと
    高級一眼レフなのも両家の違いの雰囲気が良くでてる感じ・・・

  フランキーパパ「こういう時は笑顔じゃなきゃ!」

  と背中を押され、福山パパはタイマーをセットして家族の元へ。

  両家並んでの川での1枚。


・ 福山家へ来たりゅうせいに、

  福山家のルール、
  ゲームは1日30分、英語の勉強をする事、
  などを説明した上で、

  福山パパ「そしてこれからは福山パパを”パパ”、ママを”ママ”と呼ぶ事」

  と言われたりゅうせいは、

  りゅうせい「なんで、ねえなんでなん?」

  福山パパ「なんでもだ」

  りゅうせい「なんで?」

  の繰り返し。

  途中、福山パパが、「じゃあ向こうの家がパパ、ママでいいから
    おれを”お父さん”、アレ(福山ママ)を”お母さん”でどうだ?」

  など、なんとか妥協点を探るが、
  りゅうせい「なんで?」は止まらない。


・ 学校のお絵かきで、パパママの絵を描けという宿題に
  フランキー家のパパママの絵を描くりゅうせい、
  泣いてしまう福山ママ、
  それを説教する福山パパ。


・ ある日、福山家マンションから外を眺めるりゅうせいは
  外で凧揚げしているのを見つける。

  (多分、フランキーパパとの凧揚げを思い出したのだろう)
  居てもたっても居られず福山ママの目をかいくぐり、
  家を抜けだして1人、駅の自動改札を
  前の人にくっついてすり抜けて
  (多分、フランキー父に教わったのだろう)、
  フランキー家まで戻ってしまう。

  そして、福山パパがフランキー家まで車で迎えに来る。

  福山パパの声を聞き、けいたは押入れに隠れてしまう。
  (福山パパとのミッションでの約束を守ってなのか、
  自分が捨てられた、という意識があるのか?)
  
  福山パパはけいたの事はまったく触れず、
  りゅうせいを迎えに。

  フランキーパパが「きっとこうやって改札を抜けてきたんだろう、
    まったく悪知恵が身についちゃってて」
  と笑わせようとするが、

  福山パパ「なぜ家に入れたんですか!なぜ叱らなかったんですか!」
  と怒らせると

  フランキーママ「じゃあ、家にも入れずご飯も食べさせず、
    そのまま外に放り出せってんですか!」
  と逆に怒られる。

  そして、ここでまさかの決め台詞、

  フランキーママ「おたくでうまく行ってないんなら、
    りゅうせい、けいたまとめてうちで面倒みてもいいんですよ?」

  ※ かつて福山パパが計画し、つい漏らしてしまったこの一言を
    逆にフランキー家に言われてしまうとは・・・

  福山パパ「大丈夫です!うちでなんとかします!」
  とりゅうせいを車で連れ帰る。

  福山パパは車内も無言、りゅうせいを叱ったりしなかった。
  無言の福山パパとりゅうせい。


・ 後で福山ママに語る福山パパ。

  福山パパ「実は自分も家出した事あったんだ、
    本当の母親に会いに行こうとして。」

  ※ どうやら福山パパの家は、
    母親が離婚して出ていき、義母と再婚して
    福山パパ、兄ともにずっと育てられた模様。

    小さい時、本当の母親に会いたがった福山パパは
    家出して本当の母親に会いに行った(会えたかは不明)。

    それもあって、りゅうせいの気持ちが分かった
    福山パパはりゅうせいを怒る事が出来なかったのか。


・ 異動先の会社は、ビル屋上の緑地化事業を推進する会社だった。
  実際研究所の中に作られた森を見る福山に
  「自分も前は建築でした」と語る研究員
  (多分福山パパと同じエリートコースだったのだろうと思われる)。

  そして、木にセミの抜け殻がついているのに気づいた福山パパに、

  研究員「飛んでは来てくれるんですよ。
    でも、実際にここに卵を産んで土から育ち、
    セミがかえるようになってくれるまで15年かかりました。」

  福山パパ「15年・・・」

  研究員「長いですか?」

  ※ この15年という時間が、多分けいたと過ごした時間や
    今後りゅうせいと打ち解けるまでにかかる時間を
    想像させる感じでしたね。


・ 数ヶ月経って、福山パパ側の妥協などもあり
  福山ママと銃の撃ち合いをして、

  りゅうせい「お父さんも!」

  と福山パパの部屋へ向かうりゅうせい。

  そして(今まで仕事部屋にけいたもほとんど入れた事はなかったのだろう)、
  その声が聞こえると、

  りゅうせいを迎えうつ為にギターを持ち上げ

  福山パパ「ババババーン!」と
  流星と撃ちあう福山パパ。

  ※ こうやって、りゅうせい、福山パパママとも折れて、
    やはり「血」で家族に戻るのか、
    そういうエンドに向かうのか、と思わせられました。


・ 福山パパ、りゅうせい、福山ママでベット。
  福山ママはりゅうせいの頭を撫でながら眠る。

  翌日、ベランダにて福山ママは泣く。

  そこへ来た福山パパに対して、

  福山ママ「こう頭を撫でてるとね、ほんとそっくりなの
    手触りがあなたと・・・」

  福山パパ「そうか・・・」

  福山ママ「でも、こうやってそれを受け入れていくことが
    けいたを裏切っちゃってるんじゃないのかな、って思えて・・・」


・ 福山パパはネットで調べて練習した、
  キャンプ用テントを部屋に張ってみせる。

  そして福山パパ、りゅうせい、福山ママで川の字に
  テントの中で寝そべる。

  (見えてるつもりで)色々な星座を言い合う
  福山パパ、福山ママ、りゅうせい。

  そして、福山ママ「あっ、流れ星だ、りゅうせい、お願いしなくちゃ」
  の一言に何かを祈るりゅうせい。

  福山ママ「りゅうせい、何を願ったの?」

  つい、りゅうせい「元の家に帰りたい・・・」

  福山パパ「そうか・・・」

  もう怒ろうとはしなかった。
  福山ママも無言でりゅうせいの頭をなでていた。


・ 翌日朝、
  カメラでりゅうせいの寝顔を写真に撮った福山パパ。
  写真を再生して眺めてみる。

  戻していくと、
  最後の日、福山家フランキー家両家で川で遊んだ日に
  撮った両家全員の写真、
  けいたと並んだ福山パパママ。

  ※ この時は、
    「そうか、これでりゅうせいの本当の気持ち、けいたとの思い出」
    両方そろった事でフランキー家へ行く

    ・ りゅうせいを返してけいたを迎えに

    ・ あるいはりゅうせい、けいたともフランキー家に預ける道

    いずれかになるのか、早くもエンディングまでのコースを
    思い描いてしまいましたが

  更に写真を戻していくと、
  福山パパが撮った覚えのない(当たり前)、
  福山パパが寝ている写真、福山ママが寝ている写真、
  などが沢山沢山。

  これはけいたが撮ったものだ。

  そこにけいたの福山パパママを愛する気持ちが
  見えたような気がして、
  福山パパは泣いてしまう。

  そして、ソファのすきまにたまたま手が当たったら、
  そこにかつてけいたがくれたバラが。

  ? あるいは福山パパが
    けいたがフランキーパパにあげようとした方の
    バラを隠してしまってた?

  ソファの間から慌ててそれを取り出す福山パパ。


  起きてきた福山ママは涙の止まらない福山パパをなだめつつ、
  「ごはんにしましょう」と。

  ※ 書いてて思い出したけど、
    どうしてけいたはこのカメラを「いらない」なんて言ったのかと思ったら
    自分が撮った福山パパママが残っているから
    置いていきたかったのかな。。。


・ そして、車はフランキー家へ。

  りゅうせい「ただいま!」

  フランキーパパ達はすぐにそれを受け入れて
  「おかえり!」と返す。

  福山パパ「けいた?」とけいたを探すが、
  けいたは家から逃げ出してしまう。

  そしてそれを追う福山パパ。

  かなり長い道のりを逃げていくけいたとそれを追う福山パパ。

  ※ こんな冒険など、福山家で暮らしていた頃には出来なかっただろう。

  2股になった道で上をけいた、下を福山パパが歩く。

  福山パパはけいたに語る。

  「ミッションなんてもう終わりだ。」

  「ごめんな、けいた、バラ無くしちゃって。」

  「写真、撮ってくれてたんだな、見たよ。」

  「実はパパもピアノやめちゃったんだ、子供の頃。」

  色々な気持ちを。


  そしてけいたがつい言ってしまう、
  「もう家族じゃない・・・」の言葉に

  福山パパ「でも”家族”だったんだ、6年間は・・・」

  そして2つの道が1つに繋がり、
  福山パパからもうけいたは逃げなかった。

  けいたを抱きしめる福山パパ。


・ フランキー家前。

  りゅうせい「帰ってきたで!」

  フランキー家、福山ママ達が待つ中に
  福山パパとけいたが戻る。

  ※ この時はこの後、フランキー家、福山家が元さやで
    別れる所の映像までを想定したけど

  そして、

  フランキーパパ「まあ、家に入ろう」

  と両家全員が家に入っていく。

  そこでカメラが上へと上がっていく。

  スタッフロールが流れ
  
  ~ Fin ~


  ※ この「あとはそれぞれで想像してください」という
    余韻を残した終わらせ方がまたいい
    幕のひき方だったなあ、と。。。


以上長々と失礼しましたm(_ _)m

おりょ

いい映画だとは思ったんですけど、現代の日本で取り替え子っていう設定に心からは乗れなかったです。どこまで行ってもテーマありきのその設定なのが鼻についちゃうし。あと大体同じ時期に公開された映画の、イスラエルとパレスチナの取り替え子を扱った「もう一人の息子」の方がありそうだなーと、中東だし俳優も殆ど知らない分、真に迫って見れたので。福山も尾野真千子もリリーも真木よう子も頑張ってたしそれなりにハマってたけど、どうしても福山達が頑張って難しい役をやっとるなーって見てしまうというか。乱文すいません。

2015年01月10日 01時51分

itomasa7

同じ時期に他国作品でも同様があったんですね。まあ、福山さんには既にイメージつきすぎてますよね。リリーさん含め、本映画を他の役者さんでやったとしたら面白かったかどうかは確かに迷う所です。自分はタイトルおよび「テーマ」自体で「絶対泣かせる気だろ!」と分かっていながら、案外淡白な映像で進めて行った所は好感持てたかと。どの場面も案外情に訴えかける感じではなかったので本当に涙が出たのは、多分劇中の福山さんが泣いたのと一緒でカメラの写真見なおした場面と元看護婦の子供が「おれの母さんだから!」って言った場面ぐらい(少ない方)でしたかね。あっさりテイストは久しぶりだったので逆に好感もっちゃいました。

2015年01月10日 02時09分