2014年10月19日 12時06分
【朗読劇 杉並物語4<朗読劇>うたたうたかた】感想
杉並区の文化芸術活動助成事業、杉並シナリオワークショック
(シナリオライターを目指す人向けのワークショップ、と思われます)、
その集大成たるシナリオ発表の朗読劇(伴奏付き)。
観劇無料。
無料なのに朗読(1人での朗読)/群読(複数人での朗読)の読み手も豪華です。
真船道郎(朗読)
※ 文学座出身。多分有名。
丸山ひでみ(朗読)
※ TVに昔出ていた人。多分有名。
黄金の手 Reina(歌手)
※ 多分有名。
能島昭子(朗読)
※ 日本朗読文化協会所属。多分有名。
首藤健祐(朗読)
※ 東京ハートブレイカーズ。多分有名。
銀河万丈(朗読)
※ ご存知大声優。もちろん有名。
松浦美佳(ピアニスト)
※ ピアニストで作曲家。多分有名
という面々。
それにしても素人が一念発起してワークショップへ通い、
その集大成として自分の作品を
朗読の読み手達に演じてもらえるというのは豪華だなあ。
自分も今からでもシナリオライター目指したい・・・
【さらっとお話を】
「ねがい」
? 朗読劇として聴いた記憶がないので、
無くなったか、あるいは司会進行のお2人(Reina、銀河万丈)の
トークの中で出た?
「匂い川」
・ 営業部長に昇進するはずが、広告室室長にされてしまった主人公男性。
・ 上司に抗議するも、
「サムサラ(インドの言葉で輪廻・繰り返し)って知ってるか?
○○君は新人の時は広告部で”おれがこの会社をもっと宣伝しまくってやる!”と
息巻いていたじゃないか。そして再び広告室に戻る、
これってサムサラだよな」
とかわされる。
・ 夜、○○川(杉並区の川)のそばを歩いていて
かつて○○川沿いのボロアパートで一緒に暮らした女を思い出す。
・ 「私は見えるものには金を使わないが見えないものに金を使う」
という女は決まった香水をつけていた。
・ ○○川には当時ホタルがいて、
「ホタルが光るのは恋人を見つける為なんだよ」
と女のうんちくを聞いたのを思い出す。
・ いてもたってもいられなくなった男は
香水店へ行き、匂いの記憶だけを頼りに
その香水を見つける。
店員「その香水の名前は”サムサラ”と言いいます」と。
・ 上司と女がグルで仕組んでいたんじゃないか、などと勘ぐりながらも
○○川へ戻り、川へ”サムサラ”をまきながら、
その匂いからあの頃の事を思い出す。
(余韻)
「月の鼠」
・ 男は田舎の室戸から東京へフェリーで帰り途中。
・ 田舎の母は足を悪くしていたがそれでも「大丈夫」と
フェリーまで自分を見送り、
さらにはみかん、そして白菜の箱を持ってきた。
それを「こんなに東京に持って帰れる訳がない」と
みかん以外を突っ返した。
母は「そうだね、ごめんね」と。
・ フェリーが波で大きく揺れると
1人のおばあさんが「びっくりした、すごい揺れで
心臓が止まりそうになったよ」と。
そして自分の持っていたみかんが足元に転がってしまう。
おばあさんに手伝ってもらいみかんを拾っていくが、
「動かないで!」とおばあさん。
なんと男はおばあさんのかばんを踏んでしまっていた。
・ かばんの中を確かめるおばあさんはメガネを取り出す。
メガネは耳かけの部分が折れてしまっていた。
・ 「うわあ、すいませんすいません」と謝る男。
「違うんだよ、これは元から壊れてたんだ」とおばあさん。
メガネは亡くなった亭主の形見らしい。
それをテープで補強して使っていたが、
田舎から東京の娘夫婦の元で暮らす事になり、
娘は「新しいメガネを買ったからもうこれはいらないね」と捨ててしまった。
それを自分はゴミ箱から再び拾ってきた。
まだ小学生の孫が気を遣い、
「おばあちゃん、ママは言ったらきかない人だからごめんね。
東京暮らしだって嫌だったよね。
いつか僕が大きくなったら一緒に室戸へ帰って暮らそう」
と言ってくれたと。
・ 男は「良かったらみかんどうぞ、自分はもう飽きてるので」と。
・ フェリーの三等客室(みんなで雑魚寝する大部屋)、
男は少し寝ようと毛布をかぶる。
・ 翌朝早朝、船首側へ行くとおばあさんに出会う。
おばあさんと話している中
「月の鼠だよ」と。
※ 月の鼠とはインドの言葉で
「物事は非常、常に移り変わる」という意味らしい。
情けがない、ではない。
「自分も東京へ行くんだ、変わることを認めなきゃね」
とおばあさんはおじいさんの形見のメガネを海に放り投げる。
・ それを見送った後、残っていたみかんを食べながら
男は「母ちゃんごめんよ、みかんおいしいよ」と。
(余韻)
? インドの言葉を取り入れる作者が多いのはなんでだろう?
「流されて」
・ おじいさん。
・ 夕方「危ない!危険!」と書かれた看板のある○○川(杉並区の川)に
子供が入っているのに気づいたおじいさんは
「危ないぞ!」と注意する。
子供は「今晩までにザリガニを取らなきゃいけないんだ」と。
・ ザリガニを取った事をお母さんに報告したら
とても喜んでもらったという少年。
しかし、少年の不注意でザリガニを死なせてしまった。
母「お前はほんとモノを大切にしないから」と怒られ、
つい「絶好だ!」と言い家を出てきてしまった、と。
・ 「ザリガニの釣り方ならおじいさんが知っている、
明日教えてあげるから今日は帰って
ちゃんとお母さんに謝りなさい」とおじいさん。
・ 翌日川で子供を待つがとうとう現れなかった。
・ それから一週間、ずっと川で待っていて、
とうとう子供に再会する。
・ 待ち合わせに現れれなかった事を謝り少年は
「ザリガニはもういいんだ、風の電話が来たから」
と。
・ 母親の独り語り。
「○○ちゃん(少年)、お母さんはもっと○○ちゃんを大切にすれば良かったね。
”絶好だ!”なんて言われちゃったね。
それでも○○ちゃん、生まれ変わってもまた私の子供に生まれてね」
(余韻)
? どうやらおじいさんに見えた○○ちゃん(少年)は
既に亡くなっていて幽霊らしい。
? もしかしたら川でザリガニを取ろうとして死んだのかな、
と思ったけど、杉並区のイメージアップ的なシナリオの中で
そんなイメージダウンにつながる話を書くかな?
「となりの紫陽花」
・ ○○川(杉並区の川)のほとり、2軒の家。
片方はずっと空き家だったけど最近夫婦が引っ越してきた。
・ 妻「お隣にご挨拶に行かないと」
しかし夫婦がいつ行っても隣はいつも留守。
そこで夫婦は自分の家の飼い猫「モコちゃん」が
隣の庭の紫陽花の下でひなたぼっこしているのを見つける。
どうやら窓を開けたまま出かけてしまったらしい。
慌てて猫を捕まえる。
・ 夜、銃声のような音を聞き、
妻「銃声!?隣のおうちからじゃない?」
・ 隣の家。
シャンパンの蓋をポーン!と飛ばし
隣夫「今日は豪華にシャンパンだ!」
隣妻「やっと舞台のお仕事が終わったの?」
隣夫「分かるかい?」
隣妻「そりゃ分かるわよ、あなたがシャンパンなんて買ってくるんだもの」
隣夫「お前も最近、私が帰ってきたのも分からないぐらい部屋に引きこもって
忙しくしてるな」
・ 翌日夫婦がまた隣にあいさつに行くが留守。
夜、隣から
男の「待てこら!動くなこんちきしょう!」
女の「きゃー!やめてー!」
という声。
妻「お隣はもしかしてヤクザの人?かなり物騒なのかしら、
ご挨拶はやめておく?」
夫「・・・そうしよう」
・ 隣の家。
隣妻「そっちいったわよ!ゴキブリ!」
隣夫「待てこら!動くなこんちきしょう!」
隣妻「(ごきぶりが足元に来て)きゃー!やめてー!」
スパーン!とゴキブリを叩き潰す。
隣夫「成敗してやったぞ、ふぅ」
・ 翌日、夫婦は外で猫の鳴き声を聞く。
「モコちゃん?」
自分の家かと思ったら隣から聞こえてきた。
・ 隣の家。
隣夫「やあやあかわいい猫ちゃんだね」
隣妻「野良猫みたい。
迷いこんできたんだけれどかなり毛並みがいい子ね、
うちで飼ってもいいかしら?」
隣夫「もちろんさ、名前はどうする?」
隣妻「ミーちゃんにしましょう」
・ 隣家の外では夫婦が
夫「モコを助けよう」
妻「だ、大丈夫なの?隣の人ってヤクザの人じゃ・・・」
夫「モコはうちの家族だ!」
そして隣のチャイムを押し、
夫「・・・(小さな声で)モコを返せー!」
妻「(大きな声で)モコを返してくださいー!」
隣夫「おや、誰だろう?」
そして、隣夫婦が迷いこんできた猫を保護していた事、
先日までの事はすべて勘違いだった事などを知り、
猫が紫陽花を気に入ったのなら、と
紫陽花の株分けまでしてもらう夫婦。
・ そして隣家。
隣夫「うちでも猫を飼おうか」
隣妻「いいの?」
隣夫「いいさ、君もかなり気にいっていたようだし」
隣夫「それに最近、君は再び”脚本”に挑戦し始めたようだね。
楽しそうで何よりだ」
隣妻「やっと子育ても終わって、素人だけど挑戦してみようかな、と思って」
(余韻)
※ 今になって気付きましたが、これって
この杉並シナリオワークショップの事だったのか・・・
その他間に2曲ほど、杉並区についての歌をReinaさんが熱唱してました。
朗読/群読の方は、序盤全員で合わせての練習が足りなかったのか、
うまく合いの手が入れられない、など間の悪い場面もありましたが
基本は朗読上手の人達、かなり上手くできていたと思います。
シナリオについては、大人な雰囲気から子供にも分かるものまで広範囲に
構成されていたかなあ、と。
※ 本イベントは子供のお客さんも多かったので、
あまり大人向けな雰囲気のものばかりだと
飽きてしまわないかなあ?、つまらなくないかなあ?
と思っていたのでその点は良かったです。
ただ、内容はまだまだお世辞にも「上手い」、といえるような
ものは少なかったですね。
まあ、朗読劇が聴ける、というだけで次もまた来よう、と思いましたが。