itomasa7の日記

2014年09月13日 23時27分

【第7回したまちコメディ映画祭in台東 声優口演ライブ「したコメmeetsチャップリン」】感想

東京都台東区が町おこし的に行っている映画祭イベントの2014年度版(第7回)。

※ 「したまちコメディ映画祭in台東」は、
  数日間にかけて台東区の各会場にて映画、お芝居、その他色々なイベントを行います。

  本「したコメmeetsチャップリン」もそのイベントの1つ。

  昔良く名前を聞いた「いとうせいこう」氏プロデュースのイベントらしいです( ´ー`)
  (今日も終幕時の挨拶に来てました。
  あの独特なヘアスタイルも全部白髪になってました・・・)

※ 台東区は色んなイベントをバンバンやって色々な世代にもっと街に来てもらおう、
  楽しんでもらおう、と取り組んでいるのがいいですね、
  我が板橋区は基本何もやってないようです(´・ω・`)


7年毎年行われているという声優口演ライブ「したコメmeetsチャップリン」、
チャップリンのモノクロ無声映画に日本の声優陣がその場で生で声を当てて演じる、というもの。

※ この吹き替え版(吹き替えではないですね、初声当て版)は、
  実際DVD化されて販売もされてます。


とりあえずパンフレットの登場声優一覧を。


【口演】
羽佐間道夫
 『ホビットシリーズ』ガンダルフ役ほか、声優口演の企画総合プロデューサー
 ※ 「俺がハマーだ!」の吹き替えが大好きでした。
   何かTVの名物番組でナレーションやってませんでしたっけ?

野沢雅子
 『ドラゴンボールシリーズ』孫悟空役、『銀河鉄道999シリーズ』星野鉄郎役ほか

三ツ矢雄二
 『タッチ』上杉達也役、『バックトゥーザフューチャー』マーティー役ほか

若本規夫
 『サザエさん』アナゴ役、『プリズン・ブレイク』ティーバック役ほか
  ※ 若本さんは普段のしゃべりも「若本節」でした( ´ー`)
    (ドラゴンボールのセルみたいな)

田原アルノ
 『東京ガス エネファーム』電気ウナギイヌ/節電気ウナギイヌ役ほか
  ※ 「STAND BY ME ドラえもん」でしずかちゃんのお父さん役もやってます。

土井美加
 『ONE PIECE』コビー役、『ゲーム・オブ・スローンズ』キャトリン役ほか
 ? マクロスのミサとかの声だったような??
   (ニナ・パープルトンかと思ってググったら違いました( ´ー`))

山寺宏一
 『ビバリーヒルズ・コップ』エディ・マーフィー役、『マスク』ジム・キャリー役ほか
 ※ 山寺さんがもう50歳過ぎっていうの知って驚きましたわ。
   若い嫁さん(声優の田中理恵さん)もらった訳だなあ・・・

草尾毅
 『SLAM DUNK』桜木花道役、『ドラゴンボールシリーズ』トランクス役ほか
 ※ 僕は「ロードス島戦記」のパーンのイメージがありますね。

中野裕斗
 『蟲師』ギンコ役、『デトロイト・メタル・シティ』ジャギ役ほか
 ? 蟲師まだ観てないんですよねえ。
   Zガンダムのパプティマス・シロッコっぽい声なんだけどなあ・・・


毎公演出演されている羽佐間さん、野沢さん、山寺さんはともかくとして、
今回のゲスト陣がベテランかつ有名声優揃いで驚きました
(特に若本さん初めて見ましたΣ(゚Д゚;)




【演目】
1.『チャップリンの質屋』
  チャップリンが質屋に勤めてのドタバタ劇。

  三ツ矢さん、若本さん、田原さん、土井さん、草尾さん、中野さん、と
  田原さん以外は多分チャップリン映画に声を当てるのは初めてだったかと。

  なかなか面白かったのですが、結構それぞれの持ちキャラネタを
  突っ込んで来たのは功罪ありかと(笑いは起きますが、物語から素に戻ってしまう為)。

  でも、劇中の役者がボールのようなものを投げるシーンで
  桜木花道「左手は添えるだけ」の台詞は懐かしかったです( ´ー`)


2.スペシャルトークショー
  去年したまちコメディ映画祭とは別のチャップリンイベント(羽佐間さん達主催の)に
  参加した際が「チャップリン映画誕生から99周年」だったそうです。

  その時も日本のチャップリン映画の大家大野さん
  (日本チャップリン協会会長かつ、
  映画「太秦ライムライト」の総合プロデュース、脚本にもかかわられていたとか)と、

  チャップリン本人のお孫さん(パリ在住でチャップリン映画普及活動に従事)、
  2人が来てのトークショーでした。

  ※ ちなみに今回ピアノ演奏で参加されていた川嶋杏奈という方も
    「太秦ライムライト」に出演されていた、との事です。


  で、今年は「チャップリン映画誕生100周年」という事で
  またまたこのお2人を呼んでのトークショーイベントでした。

  ※ チャップリン自身が元々大の親日家だそうで、
    何度か?日本に来ているそうです。


  羽佐間さんが色々段取り飛ばした関係で演出サイドがトラブりまくって
  あまり深い話は聞けませんでしたが、
  チャップリン来日の際、天ぷらのエビがあまりに美味しくて
  エビ30尾(キスは2匹)食べたそうです。

  ※ 僕も海老天大好きですけど、30尾食うってのはもう普通じゃないわー
    エビフライよりも美味しいのかな?向こうの人にとって。


  あと、チャップリンは元々「トーキー」(声あり映画)が嫌いだった、
  という逸話もあるので、
  大野さんが日本からチャップリン映画関係者に
  「日本でチャップリン映画に声を当てて上映したい」とお願いに行った際、

  最初は「こいつは何を言ってるんだ?チャップリンは無声映画に決まってるだろ」
  と思われたそうですが、
  実際日本語吹き替え版を観たら、
  「日本語のしゃべりが(日本語が分からない自分達には)歌っているかのように観える。
  チャップリン自身”モダンタイムス”その他の映画では、
  劇中自作の謎言語で歌ったりしていたので、もしかしたらこれを観たら
  喜んでくれるかもしれない」という事で許可したとか。
  ? あれ?先に吹き替えをやってて、後から許可もらいにいったんだっけか?


  あと、羽佐間さんいわくチャップリン映画は本当に沢山あるので、
  このイベントで全部上映するには出演者陣200歳まで生きないと、
  との事( ´ー`)
  羽佐間さん、本人いわく96歳との事でしたが、本当は何歳なんだろう?
  (70歳代かな??)


3.『チャップリンの改悟』
  ※ 改悟とは「悔い改める」の意だそうです。

  刑務所を出所したチャップリンがいきなり牧師兼スリに騙され無一文になって、
  昔の刑務所仲間に誘われて泥棒に入ろうとするのを
  その家の娘さんに諭され、「悔い改める」というお話。

  羽佐間さん、野沢さん、そして山寺さん。

  ※ ただでさえ海外映画の日本語吹き替えを作るには、
    英語台詞の日本語翻訳作業が必要になるのに、
    そもそもチャップリンは「無声映画」で台詞などどこにも存在しません。

    それを大野さんが映像から台詞脚本を起こして、
    羽佐間さんがそれを脚色して台本化しているそうです。

  で、いつもは羽佐間さん達は台本を使って声当てするのですが、
  山寺さんは1人芝居としてその場で思いつき/即興で声当てを
  していました。

  「いつもそれじゃあずるい(?)」との事で、
  今回はこのお三方で台本に従い、
  登場人物全員の声を当てる、との事。


  やっぱり7つの声(どころではない)を持つ男、山寺さんが
  一番色々な役の色々な声を当てるのはうまかったです
  (20人近くの声を担当していた?)が、
  野沢さんもドラゴンボールで孫悟空/孫悟飯/孫悟天、3キャラ同時演技などを
  するぐらいなので、複数役の台詞当て、結構うまかったです。
  (羽佐間さんは基本チャップリンなのでメイン他1,2役ぐらいだったかと。)




【その他思い出しつつ】
羽佐間道夫さん、
声優界でも先日お亡くなりになった永井一郎さん(波平さん)と
同期ぐらいのベテランらしく、
今回登場していた全声優、皆さん(若本規夫さんまで)全然頭が上がらないようでした。

で、結構毒舌なんですよね、永井一郎さん死去のネタ(これで自分が最長老だ!とか)、
平気で言えちゃうぐらい禁句が存在しないリスキーなキャラでした( ´ー`)

チャップリンのお孫さんにも「どうせ日本語分からないだろう」と、
2度目の来日なら「日本語ぐらい覚えてこい」とか強気で発言してました・・・




お姉系の三ツ矢さん、今回ずっと「グレーゾーン」ネタでいじられてました。
自身も別の舞台公演中なのに、わざわざ時間を空けて本公演に参加された、との事。
本人いわく、「羽佐間さんには逆らえない」とか。




若本さん、初めて見たのですが
最初声を発するまでは「誰だろう?結構眼光鋭い人だな」と怖そうな雰囲気でした。
「太秦ライムライトが好き」との事で、山寺さんにネタを振られた時も
「忘れちゃった(俺にネタ振るな的な言い方)」で返してて
山寺さん困ってました。


でも、山寺さんを一番困らせてたのはやっぱり羽佐間さんでした。
本当に毒舌が特に今回?回りまくってました。

でも、これだけのベテラン声優陣の夢の生吹き替え、
かつチャップリンの映画自体も面白い、
というこのイベント、自分は「したまちコメディ映画祭in台東」2回、
その他で1回、計3回観ましたが今後も応援し続けたいと思います。

※ その為にも結構高齢なメンバー皆さん、お身体だけは気をつけてください。
  ほんと長生きしてほしい。。。


そうそう、草尾さんが言ってましたが
「諸先輩の十数年来の努力によって、
昨今、朗読劇(リーディングライブ)が結構ブームになっていますが、
同様に本イベントのような過去のモノクロ映画などに
生で声を当てる、というイベントも今後流行るんじゃないですかね」
との事。

流行るといいなあ、
声優さんが大人気でどんどん増える一方、
一部売れっ子だけがアニメ枠、海外映画の吹き替えなどを担当し、
その他の方はお芝居などでほそぼそとやっている、という状況だけに、
その活動の場が増えるといいなあ、と思いました( ´ー`)