2014年08月16日 22時19分
映画【[2D字幕]マレフィセント】感想(※ネタバレ)
公開から結構経った映画、しかし評判の高さと
何より未だに上映本数が多く、映画館もほぼ満員と
かなりの入りの良さ。
これは期待が持てました。
※ 観賞中忘れかけてたけど、これは「眠りの森の美女」の
新解釈版的なもの。
「美女を眠りの魔法にかけた魔女マレフィセントとはいったい?」
という真実に迫るお話です。
※ 「ホビット」みたいな壮大なスケールな映像はあまりないけど、
ほんと物語で泣かせる、お芝居で泣かせる、という
映画の本質を突くみたいな作品でした。
※ 今年観た洋画の中で
「心の琴線に触れた」という意味ではナンバーワンだと思います。
ドロドロしたもののほとんどない、本当に感動を産むお話でした。
【物語】
※ 映画3本ぶっ続けで疲れちゃったのもあるので、
箇条書きにしちゃいます。
・ 人間の国と妖精の国が存在し、それらはとても仲が悪かった。
・ 人間の国には王がいるが、妖精の国には統率者はいなかった。
・ マレフィセントという妖精の少女がいて、
彼女は鷹のような美しい翼を持って大空を舞っていた。
・ ある日、人間が妖精の国に忍び込み、川から宝石を拾い持ち帰ろうとしますが、
それを木の妖精達に見つかり、吊るしあげられそうになっている所を
マレフィセントが助けます。
・ そして、「盗んだものを返して」と宝石を取り返し、川へ返します。
・ その人間がまだ少年(マレフィセントと同じ歳ぐらい)であった事などから、
少年を妖精の国(森に囲まれている)の外へ送る中、
2人は仲良くなります。
・ 少年は「いつかあの城で暮らすんだ」と人間の城を差し、
自分が両親のいない孤児である事を伝えます。
マレフィセントもまた、両親がいませんでした。
・ 気のあった2人は握手しますが、少年の指にあった鉄の指輪に
マレフィセントが苦しみます。
「妖精は鉄に触れると怪我をする」との事。
・ 少年は鉄の指輪を投げ捨てて、マレフィセントと握手、
マレフィセントも指輪を捨ててくれた少年に好意を寄せるようになります。
・ そして数年少年とマレフィセントの交流は続きますが
(キスするまでの仲になる)、
城勤めにつく事が出来た少年はマレフィセントの事を忘れます。
・ そして、少年との恋の傷を抱えながらも、
マレフィセントは大人になり、妖精の国で最強のモノとなります。
・ 妖精の国の財を奪おうと人間の王様が戦争を仕掛けますが、
マレフィセントを始めとする妖精達に為す術もなく敗北し、
王様は命にかかわる致命傷を負います。
※ この頃のマレフィセントは羽根を武器として使って戦う、
鳥のような存在(ハーピー的な生き物)。
・ 王様は部下達に「自分が死ぬのを待っているのだろうが、
あの妖精(マレフィセント)のクビを持ってきたものに
この国と姫を譲る」と宣言します。
・ そしてかつての少年だった若者が、欲を持ち始めます。
・ 大人になった若者は、かつてマレフィセントと会っていた
妖精の国入り口の森で「マレフィセントー!」と
マレフィセントを呼びます。
・ そして現れたマレフィセントと共に妖精の国へ行き、
2人で今までの事を話す中、
「君は狙われている」と告げます。
そして持ってきたお酒?(飲み物)を
マレフィセントに勧めます。
・ 飲み物は睡眠薬入りだったようで、マレフィセントは意識を失います。
・ 若者はマレフィセントのクビを断とうとしますが、
かつての恋人への良心が咎めたのか、それは出来ませんでした。
しかし、マレフィセントの羽根を見て、
また、持ってきた鉄の鎖を見て、
マレフィセントの羽根を引きちぎり、
これを王の元へ持って帰ります。
・ 薬が切れて目を覚ましたマレフィセントは、
背中の激痛、背中から失われた羽根を見て叫びます。
※ この時、マレフィセントの中に「人間」「若者」に対する
怒り/憎しみが生まれたものと思われます。
・ 若者は王の元へ羽根を届け、
王「あの妖精をコロしたのか?」の問いにうなずきます。
・ その頃、羽根を失ったマレフィセントは
落ちていた小枝を杖として、魔法を使うようになります。
・ 今まで統率者のいなかった妖精の国について、
マレフィセントは魔法の力を振りかざし、
「自分が王である」と他の妖精達を従わせるようになります。
・ カラスが人間に捕まり殺されようとしている所を
マレフィセント「人間になれ!」と魔法を使って助けます。
以降カラスはマレフィセントに付き従うようになります。
・ そして、若者は王になり姫を妻として娶ります。
カラスがその姿を確認してマレフィセントに報告します。
※ カラスの任務は主に人間その他の監視
※ 多分この時、マレフィセントは王と王女の間に
子供が出来るのを待つ事を決意します。
・ 何年か後、王と王女の間に娘オーロラを授かります。
・ 姫オーロラ(赤子)の祝いとして、お披露目の式が盛大に行われ、
そこには妖精の国の小妖精3匹も現れます。
・ 小妖精それぞれがオーロラに祝福として
「美しさ」「苦しみのない人生」を与えた後、
3匹目が祝福しようとした所でマレフィセントが現れます。
・ そして、王との再会もつかの間、
姫オーロラに対して
「16歳の誕生日に糸車(ミシンの上の糸をはめるヤツみたいなもの?)の
針に刺さって死の眠りにつく」
「この呪いは永遠に解けない」
という呪いをかけます。
・ 許しを請う王様に対して、更にマレフィセントは
姫オーロラに「真実の愛を持つものの口づけで目覚めるであろう」
という3つ目の呪いをかけ、
そして去って行きます。
・ 以降王様はマレフィセントへの憎しみから
・ 姫オーロラを3匹の妖精に預け、16歳の誕生日の次の日まで戻ってこないよう厳命
・ 国中の糸車を集めて破壊し、城の地下にしまう
・ マレフィセントを倒す為に軍を妖精の国に派遣する
を開始します。
・ 人間の国の軍隊が妖精の国に攻めて来た事に対して、
マレフィセントは
妖精の国中をイバラで覆い、その上で妖精達の力で人間達をなぎ払います。
・ マレフィセントを倒せない事に業を煮やした王は、
「妖精が鉄に弱い」事を思い出し、
国中の鍛冶屋を集める。
・ 3人の妖精達は人間に化けて、田舎(妖精の国のそば)に隠れて
オーロラを育て始める。
しかし、マレフィセントとカラスにはすぐに見つかってしまう。
※ ここからがお話の転換する場面。
・ 3人の妖精達は子育てなんてしたことないので、
オーロラがお腹をすかせても、人参をそのまま突き出すなど
まったくちゃんと子育てが出来なかった。
・ カラスがこのままではまずい旨告げると
マレフィセントはカラスにミルクを含ませた花のつぼみを
持たせ、オーロラにミルクを与える。
・ その後もマレフィセントとカラスはオーロラを見守り続け、
ある時は崖から落ちそうになるオーロラを助け、
とハラハラドキドキな毎日を過ごす。
※ 妖精3匹がオーロラを育てている場面は全然出てこないし、
後で「クモを食べさせられた事もうらんでません」と言われる事などから
妖精3匹はまったく子育ての役に立っていなかった模様。
・ ある日森で幼女オーロラとマレフィセントが出会い、
「帰りなさい」と言うマレフィセントに対して
近寄ってきたオーロラは「抱っこして」とせがみ、
子供の扱いをどうして良いか分からぬマレフィセントは
「こ、こう?」とオーロラを抱っこし、
角に触れたりと好き勝手されるままにしていた。
この頃からマレフィセントとオーロラが直接、かつ優しい形で
関わり始める。
・ ある日少女になったオーロラは妖精の国を包むイバラを眺め、
「この先はどうなっているのかしら?ああ、妖精の国に行ってみたい」
とつぶやく。
・ マレフィセントはオーロラの願いを聞き届け、
オーロラを眠らせた上で妖精の国へ連れて行く。
そして妖精達と触れ合うオーロラ、
オーロラ「そこにいるの?」とマレフィセントの気配を見抜き、
オーロラ「怖がらないから出てきて」と懇願すると
マレフィセントが姿を表す。
・ オーロラは感激して「ゴッドマザー!」とマレフィセントを呼び、
「子供の頃からいつも見守っていてくれたのでしょう?」
と敬愛の念を示す。
※ オーロラは妖精3匹から「両親は死んだ、自分達おばが育てている」と
聞かされている。
・ かつてハチャメチャな行動を取る赤子オーロラを「モンスター」と呼び、
そして今自分に敬愛の念を抱くオーロラに対して、
いつしかマレフィセントも心を開いていく。
※ マレフィセントの、最初は「敵(王)の娘」として憎もうとしながらも、
結局赤子を助けようとする行為、幼女を助けようとする行為、
そして少女の願いを叶えようとする行為が、
ほんと(他の方が言ってましたが)スタイリッシュツンデレ、
と呼ぶような素敵なありようでした。
・ (この辺だったかな)
城では王妃が危篤状態にあるが、
復讐心に狂った王はマレフィセントの羽根を前に
腹心に「今、話をしている所だ!出て行け!」と追い返す。
※ もうマレフィセントへの復讐以外頭にない模様。
・ 妖精の国に通い、どんどん妖精と仲良くなっていくオーロラに
マレフィセントはオーロラの呪いを解く事を決意し、
妖精3匹の家で寝ているオーロラの元で解呪をはかるが、
かつて自分の唱えた「この呪いは永遠に解けない」という呪いが
どうしても解けず、悩み続ける。
※ この辺からかな、
マレフィセントのオーロラへの愛が痛いほど画面から溢れてきて
涙なしには観れませんでした。
・ ある日オーロラが
「自分も大きくなったら妖精の国でゴッドマザーと一緒に住みたい」と
言うと、
マレフィセント「今すぐでもいいわ」と返し、
オーロラ「では3人のおばに話すわ」と家に帰る。
・ ここで?、オーロラは人間の国の王の元へ向かう1人の若者(隣国の王子)と出会う。
2人は「また会いたい」と別れる。
※ まるでかつてのマレフィセントと若者のように
・ 家で3人のおば(妖精)に「妖精の国で暮らしたい」という話をすると、
妖精はカンカンになって
王の命令であった「16歳の誕生日の翌日に返さなければならない」という話、
オーロラが人間の国の姫であるという事、
そしてマレフィセントという悪い魔女に呪いをかけられている事を告げる。
・ オーロラはマレフィセントの元へ行き、
「私には呪いがかかっているの?」
「そして呪いをかけたのは、なんとかって言う魔女なの?」
「それはゴッドマザー、あなたなの?」
と。
それを認めたマレフィセントに対して、
オーロラは「近寄らないで!」と逃げていく。
・ そしてオーロラはそのまま城へ向かう。
・ 城でオーロラは姫として王に会うが、
王は「何故16歳の誕生日に姫を返した、あの妖精達め!」と怒り、
姫を部屋に閉じ込める。
※ 王はマレフィセントを城へ誘い込み、倒す為の算段中。
・ カラスがオーロラと出会った若者(隣国の王子)を
「そうだ、真実の愛を持つものだ!この王子はどうだろう?」とマレフィセントに持ちかけ、
半信半疑ながらもマレフィセントはこの王子を魔法で引きつれ、
城へ向かう。
・ オーロラは部屋を抜け出し、
かつてのマレフィセントの呪いの声に誘われるように
地下の糸車が封印された部屋へ。
・ そして破壊された糸車の1つがマレフィセントの呪いにより復元され、
呪いのままにオーロラは糸車の針を指に刺してしまい、
そのまま死の眠りについてしまう。
・ マレフィセントは「間に合わなかった・・・」という事を知る。
・ なんとか城へ潜入し、
※ 城の中は妖精が嫌う鉄で出来たイバラで通路が埋めつくらされていた
眠り続けるオーロラの元へたどり着く。
・ 隣国の王子にオーロラにキスさせてみるが、
出会ったばかりの王子との間に
「真実の愛」などある訳もなく、
オーロラは目を覚まさない。
・ マレフィセントは「やっと愛というものが分かったのに・・・」と
オーロラに謝罪し、
「あなたの事は私が一生守るから」とそのおでこにキスをする。
・ すると
カラス「真実の愛だ!」
とオーロラが目を覚まし、「ゴッドマザー!」と喜びの声をあげる。
※ そう、眠りの森の美女の目を覚ましたのは
王子ではなく、赤子の頃からずっとオーロラを見守り、時に守り続けた
マレフィセントの真実の愛でした、と( ´ー`)
・ そしてマレフィセント、オーロラ、カラスで城を脱出しようとするが、
城には王の罠が。
マレフィセントは鉄の網を被せられその苦痛から身動きが取れない所へ
兵士達の槍その他の攻撃が。
・ カラスをドラゴンに変えて応戦するが、
ドラゴンも兵士達に抑えられてしまう。
・ マレフィセント「逃げて!」の叫びに
オーロラは階段を上へ逃げ出し、
ある部屋へ。
そこはマレフィセントの羽根がケースに収められた部屋だった。
※ 羽根は今もマレフィセントの元へ戻ろうと暴れている。
・ 王が鍛冶屋に作らせていたのは、
城の鉄づくしの罠と兵士の鉄の盾、そして王の鉄鎖だった。
盾の兵士に囲まれたマレフィセントを王自ら
「殺してやるぞ!」と鉄鎖で締め上げる。
・ オーロラはなんとかマレフィセントの羽根を逃し、
羽根がマレフィセントの元へたどり着くと
一面に眩しい光が。
マレフィセントはかつて失った羽根を取り戻し、宙へ舞う。
・ かつてのように羽根で兵士達をなぎ払い、
鉄鎖でつかまれた王と共に外へ飛び出すマレフィセント。
・ 城の上の塔で王を落とし、戻ろうとするマレフィセントに
更に飛び掛かる王。
そして王共々マレフィセントは落下していき、
なんとか王を振り払うが王は墜落死してしまう。
※ (多分)「オーロラに申し訳がない」や、
「かつては愛した人」などの想いを持って、
王を見つめるマレフィセント
そして
※ 王を死なせてしまった事でオーロラとの仲がまた悪くなってしまう事を恐れましたが
・ マレフィセントは妖精の国のイバラを解き、統率者としての立場も退き、
妖精の国はまた元の平和で綺麗な姿に戻りました。
・ そして、人間の国と妖精の国、その2つを統べる新たな王として
姫オーロラをそえ、マレフィセントは
かつてのように空を滑空して
~ Fin ~
※ 箇条書きでもめっちゃ長い
終幕寸前にマレフィセント(アンジョリーナジョリー)が、
「あなたの知ってる物語と違う?
でもこの物語の当人が言ってるんだから間違いないの」
というように、観客に対して話しかけてくるのが、
お伽話っぽくて良かった。
はっきりいって、「新約・眠りの森の美女」と言っていいほどの良作、
眠りの森の美女のキーポイントを抑えつつ、
そのきっかけとなったマレフィセントの初恋・裏切られ・
赤ちゃんとの出会いから真実の「愛」を知るまでを素晴らしい脚本と演技、
そしてハリウッド?映画ならではの映像で描いています。
※ でも思ったんだけど、もし若者がマレフィセントの羽根でなく
クビを取ってたら、人間の国は相変わらずだし、
妖精の国はマレフィセントを失って戦力の低下を迎え、
と最悪の展開だったのかな、と。