2014年06月15日 19時16分
【第百四十一回「ごんべん」-銀河万丈読み語り-】感想
東海林さだお
●「え?冷やしかつ丼?」
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銀河万丈先生いわく、今日の日本代表戦に掛けてゲン担ぎに
「かつ」をネタにしたらしいが
(ご本人達は朗読会準備の関係でまだ試合結果知らない、
自分はちょうど朗読会の1時間前までドトールで
ワンセグで試合見てたので知ってたし、
多分他のお客さんもみんな知ってたからこその微妙な笑いで返してたんだろうけど)、
1点先制して日本全国に「勝てるぞ!」と思わせておいて、
後半「ドログバ登場」のわずか2分後からまさかの逆転負け喫してると
知ったらガッカリするだろうなあ(´・ω・`)
で、本題。
もう暑い時分、そうめん、ひやむぎ、冷やしたぬきに冷やしきつねと
冷やしものが美味しい季節です。
そもそもこういった冷やしもの、元はゆでたりと温かく作ったものを
誰かが「冷やして食べてみよう」と考え行動して生まれた料理、
ほんと作った人は偉大です。
しかし・・・「冷やしかつ丼」、いくらなんでも
揚げたてサクサクを卵でしめるのが美味しいカツ丼を
冷やすとかありえないでしょう。
しかし「だったらおまえが試してみろ!」って言うんでしょう?
という事で試してみました(東海林さだお先生が)。
銀座の某有名カツ丼店の冷やしカツ丼1300円、
ただカツ丼を冷やしたというよりも
カツ丼を冷水にお茶漬けのように浸した上で
かつの下にお漬物のたぐいを、カツの上にもいろいろと載せて
味のアレンジを加えたこの料理、
これがなんともまあ「旨い!」。
でもでもしかし、こんな突拍子もない思いつき料理、
あと数年もしたら消えてしまうのでは?
と思ったらなんと、この有名店でもう7年前から
定番として存在しているメニューとの事。
まいりましたね、こりゃ。
というお話。
多分ググれば出てくるんだろうけど、一度は試してみたいかも。
(お茶漬け風カツ丼ってTVのニュースで観たような気もするし。)
なんか気になるなあ・・・ただ、サクサク感のないカツってどうなんだろ、
ただでさえ安いカツ丼は衣がムレムレであまり美味しくないっていうのに
(これは自分の感想)。
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●「ペットボトル持ち歩くなッ」
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最近では老いも若きもペットボトルを首から下げたり、
バッグの横に指したりして持ち歩いてる。
しかし、ちょびちょび飲んではキュッキュッとキャップを締める。
なんとなく「イラッ」とするんですよね、
男ならグビッと一飲みに飲みなさい、
ましてコンビニや自販機がそこかしこにあるんだから
わざわざ持ち歩いてちょびちょびキュッキュッする必要ないでしょう!
先日も電車で人の良さそうな
(多分社会人時代は大して成功もしていなそうな老人達が)
京王線(高尾山行きは京王線でしたっけ?小田急線でしたっけ?)で
3人並んでおちょこで日本酒でも飲むかのように
チビチビ飲んではキュッキュッ、とキャップを締める。
見ててなんだか男らしくないし、登山風ファッションだったので
多分これから高尾山に向かっているんでしょう、
「水を飲むのは山登り始めてからじゃないんですかっ!」と。
という東海林さだお先生の勝手な思いのお話。
最近では日射病とか避ける為にも水はちょくちょく取りなさい、
っていうのが定説だったかと。
ガンダムUCでジンネマンも
「バカが。のどが渇いてなくても、定期的に水を飲めと教えただろ」
ってバナージに言ってたし。
でも、ペットボトルが出来る前は缶じゃ飲み歩き持ち歩きなんて出来なかったし、
みんなどう生活してたんだろう?
昔は日射病が多かったなんて話も聞かないし。
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浅田次郎
●「プリズンホテル」【1】夏5・6
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前回までで
・ リゾート地でホテル経営を始めたヤクザの親分、
その甥にあたる小説家(ヤクザもの小説を書いてそこそこ売れている)、
そしてヤクザもの小説を書く為のネタ元の1人にしている
元極道の女房でそういう世界に詳しいちょっと頭の足りない愛人女性。
・ 1日前まで某大企業の重役だっった横柄な夫と、
定年退職の日まで甲斐甲斐しく尽くしてきたが
この定年旅行を「チャンス!」と、離婚届を叩きつけてやろうとしている妻。
・ 有名ホテルのホテルマンとして輝かしい実績を重ねてきたが、
ある小さなボヤ騒ぎで、全館スプリンクラーを作動させた上で
消防署を呼んで大騒ぎにし結果数億の損害を出してニュースにまでなってしまい、
以降やっかい者として日本全国のホテルからホテルへ、
下っ端のまま転々とさせられてきた男。
しかしある日グループが上記のリゾートホテルと資本提携する関係で
「今まで日本中を回ってもらったのは、真のホテルマンになってもらう為の修行だったんだ!
今回提携するリゾートホテルの支配人として今まで学んできた力を存分に発揮してくれ!」と
ヤクザのホテルと知らずにやってきたホテル支配人。
・ あとは地元で「プリズンホテル」と呼ばれる、
他のホテルではお断りされるようなヤクザものばかりを泊める事で有名な
リゾートホテルとその従業人になった、
ヤクザの若い衆やその他海外からの出稼ぎ外国人やら色々な人たち。
までが揃った。
で、若頭?が「支配人からの挨拶がある」という事で
ホテルにいる全従業人を呼び出す為に馬鹿でかい声で恫喝招集放送を流した所。
で今回、
若頭がキッチンへ飛び込み「今すぐ手をとめて集まりやがれ!」と恫喝、
それにビビってしまい手をすべらせて包丁で指を切ってしまうフランス料理シェフ
(まだこのホテルに来たばかり)。
料理長は「料理にはどうしても手を止められない時ってのがあるんだよ!」と言い返す。
そもそもこのホテルの前身では和食しか扱っていなかったようで、
料理長は今回新たに雇われたフランス料理シェフを良く思っていないらしく、
「料理を生業にしてるもんがこのくらいでビビってどうする!」と文句をつける。
若頭はフランス料理シェフを脅かした事を謝りつつ、
薬その他はフロントにあるから、と一緒にフロントへ向かう。
そして、支配人とフランス料理シェフが出会うが、お互いは知り合いだった。
支配人「どうして君がこんなヤクザもののホテルに!?」
フランス料理シェフ「実は前のホテルで赤痢を出してしまいまして。
ホテルでは火事と赤痢は厳禁ってね。あ、すいません。」
支配人「君みたいな有能な若者がこんな刑務所みたいな所で働く事はない、
後の事はなんとかするから君は今すぐにこんな仕事辞めなさい」
と、フランス料理シェフをなんとかここから逃がそうとするが、
若頭が「刑務所」という言葉に反応し、
「今、なんとおっしゃいました、まさかうちについて
何か聞いたんじゃないでしょうね?」と支配人に食って掛かる。
そして元重役老夫婦、
夫「このホテル、なんか変じゃないか?」
妻「でも街の観光協会で紹介されたのだから大丈夫よ」
そしてフロントであやしい外人フロントマンに案内されるが、
エレベータを待っていると中からは
これから温泉に入りに行くのか、はだけた上半身から
刺青をこれでもかと見せつける強面な男たち。
夫「分かったぞ!ここはヤクザのホテルなんだ!今すぐ帰ろう!」
妻「でも、街の観光協会が・・・」
あやしい外人フロント「大丈夫ですよ、あのヒトタチ、うちの親分より
格が下だから悪いコトしない、それに普通の客もう1組いるネ」
そして元重役夫婦は、ヤクザ小説で有名な小説家が泊まっている事を知る。
そのファンだった夫は「やっぱりあの小説家、本物のヤクザだったのか、
道理で描写がリアルだった訳だ!」
そして、実は奥様方の間でもこのヤクザ小説は
(特にその詳細かつ大胆なエロの描写が)大人気で料理本その他にカバーを差し替え
密かに奥様方の間で貸し借りされていたという、
夫婦そろっての大ファンだった。
そして既に部屋に入っている小説家の元へ、これまたヤクザ従業員が1人、
「小説にサインしてもらえませんか?」とお願いにくる。
(見た目は人の良さそうな)小説家は喜んでサインするが、
よく見るとその小説のいたる所に蛍光ペンでアンダーラインが。
小説家「この線はなんですか?」
ヤクザ従業員「うちのもんみんな、先生の本で勉強させていただいてます!」
小説家が書いたヤクザ者達の適当なやりとり/セリフが、
実際のヤクザがその子分を教育する上で使われていたとは・・・
そして館内放送が再び。
「親分がいらっしゃる、客の組関係者および従業員全員フロントに集合!」と。
小説家「叔父が来たぐらいでお客さんまで集めるんですか?」
ヤクザ従業員「うちの客は親分より格下の子や孫、甥にあたるんですから当然でさあ」
小説家「じゃあ、実の甥の僕も行かなきゃいけないのか・・・」
とフロントへ向かう。
フロントで親分を出迎える客ヤクザと従業員ヤクザその他、
そして小説家とコック達、更になぜかい合わせてしまった元重役夫婦、
しかし、親分を見た元重役は「○○さんじゃないですか!」と。
なんと親分と元重役も知り合いで、親分が元重役の会社の筆頭株主らしい。
~というところで今回は終了~
登場人物がかなり多い上に色々動くしネタもポンポンと出てくるから
単なる説明すら書くのが大変(本劇聴いててすごく面白いんだけど、
感想すらまともに書けそうにないな)。
でも、「プリズンホテル」という名前や若頭の反応からして
「もしかして(一部の)ヤクザを隔離する施設?」とか、
だんだんと概要的なものが見えてきた感じがする。
前回は銀河万丈先生「まだ登場人物が出揃っていません」って言ってたけど
今回は言わなかったから、これで全員揃ったのかな?
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藤沢周平
●「木綿触れ」
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江戸時代。
足軽の1つ上の役職の夫は今日も城勤めから妻の待つ家へ。
いつもなら夕餉の支度の香りがしてくる所、
妻は縫い物に夢中で「あ、ごめんなさい、今すぐご飯の支度しますから」と。
・ 夫婦には数年前子供が生まれたがすぐに亡くなってしまい、
そのショックから妻はずっと塞ぎこんでしまっていた。
・ この藩は財政がかなり逼迫していて、質素な生活をさせる為と
農民その他に「絹」の着物の着用を禁じていた。
そもそも農民に質素な生活を強いる事と
藩の財政と何の関係がある!と夫は怒りを隠せない。
・ 妻は元農民の娘だが、夫と結婚した事で下士(下級武士?)になり、
絹の着物を着る事を許されていた。
ある日、子供の墓参りに行った帰り、ある親子とすれ違うが
妻はその2人から目を離せない。
夫が理由を尋ねると「絹の着物がきれい」と。
夫は下士で金はあまりないが、妻が喜ぶならと
「絹」を買ってやり、「これで着物を作って実家の法事に着て行くといい」と。
(絹の着物を着た妻を見たらその両親も、
いい生活をさせてもらっているのだろう、と安心するに違いない、との事。)
思いの外妻は喜び、ずっと自分の着物を縫うのに夢中になっていた。
子供の事でずっと悲しい顔しか見ていなかった事もあり、喜ぶ夫。
※ 所変わって過去の話、
農民は毎年ある時期に見聞役(?)が来て今年の
米の取れ高から年貢を決めるのだが、
その地位を悪用して農民から賄賂を受け取って
年貢に色をつけている上役がいた。
贈賄は立派な罪だが、その上役の親は更に偉い役職についており、
権力におびえて誰もこの贈賄を訴え出る事ができなかった。
夫も昔、この上役の警備の仕事についていた。
妻が法事へ行く前日、藩の更なる財政圧迫から
「下士も絹の着用を禁ずる!」とのお触れが。
これではまた妻が悲しんでしまう、と夫は妻に
「急いでいたから着る暇がなかった、とでも言って
せっかく作った着物を持っていくだけ持って行ったらどうだ?
きっとご両親も妻がいい暮らしをしていると知ったら喜ぶだろう、
ただし絶対に着てはいけないよ」と。
※ ここまでは子供が死んだ事、悪い上役がいた事、以外特に
お話に深みがあるでもなく進んでいくが・・・
いきなりピアノ
(銀河万丈先生の読み語りはピアノの伴奏その他がついている)
「ドドーーーーーーン! ドドーーーーーーーン!」
法事から帰ってきて3日目、妻が川に身投げして死んだ。
自分で足を縛っている事からも自殺で間違いない、との事。
法事で一体何があったのか、と夫は妻の実家の父親を尋ねるが、
「これと言って変わった様子はなかった、むしろそっちで何かあったのでは?」
と聞き返される。
しかし話を詳細に聞いていくと、なんと妻があの絹の着物を着てしまった事、
そして法事(祖先の13回忌)の場にも、
あの上役が賄賂を受け取りに現れていたと。
※ ここで妻と夫の昔話へ。
悪い上役が豪農の家へ賄賂を受け取り酒を食らいに来ている時、
その見張りとして建物の隅で番をしている夫(まだ独身)とその同僚。
上の者達が「おまえらも飲め」と酒を持ってくるが、
夫は貧乏な農民達から金を奪う、
悪事に加担しているようで嫌だ、
と酒を拒む。
そうしていた所へ1人の娘が逃げてくる。
そして「娘、酒をつがんかー!」と上役がやってくる。
娘(妻)は夫の後ろへ隠れ、上役「そこをどかんか!」と刀に手をかけるが、
夫「○○様、何をしようとしているか分かっておられるので?」
夫は既に刀のつばを開いて(?なんて言うのか忘れた、抜刀可能体制)、
いつでも上役を斬れる状態だった。
そもそもその剣の腕(小太刀免許皆伝)を買って
雇っていた事を思い出した上役は諦めて引き返す。
夫の後ろで震える娘(妻)、
きっと酒をつぐだけでなく、ひどい事をされそうになっていたのだろう、と。
その後、上役から何か嫌がらせがあるかと思っていたが
特にそういう事もなく、城勤めに仕事が変わり、
そして娘(妻)と恋に落ちて2人は結婚した。
そして、現代
父親は「娘はあの日の夜家へ帰った」と。
しかし、夫の元へ戻ったのは2日後だった。
あの上役に絹の着物を着ている姿を見られた妻が、
きっと何か脅迫されたのだと夫は気づく。
そして昔の同僚(今もあの上役につかえている)を訪ね、
妻が実家から帰った日の話を聞くと、
妻は上役の家を訪ねてきてその後籠でどこかへ、
そして上役も馬でどこかへ消えた、と。
門で妻を見た時同僚は「何があったのか?」と聞いたが、
妻は「罪を犯してしまいました」と悲しげに微笑むばかりだった、と。
そして更に調べ上げ、妻と上役は上役の妾の家へ泊まり
(妾は外へ泊まるよう出された)、
そこでその身を穢されたに違いない、と。
それから家に戻ってきた妻は、何故か夫にとても優しく接してくれて
それから2日後、突然**た。
夫「おれが着物なんて持たせなければこんな事には・・・」
上役を斬るのはたやすい、しかしそれだけでは許せない、
上役の悪事の全てを訴え出てやる、と決意した夫は
城の相談役に自分が上役につかえていた頃の
悪事の全てをしたためた文を渡して訴え出る。
相談役「そこまでひどい事になっていたとは・・・
今まで誰も訴え出てこなかった為対応する事ができなかったが
そなたが訴えでた今、これで奴の悪事を裁く事ができる。
お前は家で報告を待て」と。
しかし、それから半月1ヶ月待っても何の報告もなく、
城に呼びつけられた夫は謹慎処分を受ける。
そして噂で相談役が仕事を外された事を知る。
結局は上役の権力に屈してしまった・・・
もう怒りは収まらなかった。
同僚に頼んで上役が街に現れる日取りを聞くと、
父の絹の着物を着てその上から綿の着物を羽織り、
その妾の家へ「○○様の言いつけでここで待て、と言われました」と。
妾の家で上役を待つ夫。
そして怒り心頭の上役が現れる。
「貴様、これはどういう事だ!しかも貴様が私の所業を訴えでたらしいな!
それにその格好はなんだ!絹の着物を下士が着るなど藩命に背くのか!」
夫は綿の着物を脱ぎ、絹の着物姿になっていた。
それに大して夫は
「あなたは妻に、下士が絹の着物を着たとなれば
夫とそしてその家名も大変な事になる、とでも脅してそして・・・」
とその所業を言い当てるが、
上役「それがどうした!そのおかげでお前の家は今も安泰ではないか!」
夫「妻が**ました・・・」
上役「そんな事、知った事か!」
刀に手をかける上役、
しかしそれよりも早く上役を袈裟懸けに斬りつける夫、
そして更に逃げようとする上役を背中から斬りつけ絶命させる。
そして、妾の家から見える庭の綺麗さに、
この場所で良いか、と決意し自ら腹をかっさばく。
~ Fin ~
途中まで、情報は色々と出ながらも単なる貧乏な家と
絹の着物を作って喜ぶ嫁と、でどうお話動くんだろうと思っていたら、
いきなり妻の自殺から先の上役が関わっている所まで、
そしてそれを夫が斬って更に切腹する所まで
今まで銀河万丈先生が選んできた
藤沢周平さんの中では一番激動な話だった。
しかし悲しすぎるな、子供を失い、着物に喜び、
それが原因で上役に穢され、自殺を選んだ妻。
そして、妻を喜ばせようと「着物を持っていけ」と言ってしまった、
それを後悔し続け、敵(かたき)を取った後に死を選ぶ夫。
誰も幸せになってない(´・ω・`)
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今日の銀河万丈先生は、舌がうまく回っていないのか
言い間違い、言い直しが多かった。
(10回以上?いつもだったら考えられないレベル、
いつもはあっても噛みが1、2回とか)
読み語り自体は面白かったのでいいんだけど、
仕事疲れからきてるものか、
同じく仕事が大変で練習に時間割けなかったのか、
そういう理由だろうか?
昨日、はんなりラヂオの朗読会で阪脩さんが
体調崩されているのを見ているので、
「まさか銀河万丈先生まで万全とはいえない調子なのだろうか?」
とちょっと心配になってしまった。
ほんと健康に気を使ってまだまだこれからも
若手に読み語り/声優道を指南してあげてください。