2014年06月14日 23時31分
【(朗読劇)はんなりラヂオプロデュース その4 はんなり☆夏語り~天~】感想
声優プロダクション青二プロの大阪支部?の女性声優達が
中心となって行っているという「はんなり」した朗読会の4回目らしい。
(大阪方面では「はんなりラヂオ」という番組名の方が有名?)
故永井一郎さんもこの朗読会に関わっていた模様。
【オリオン座からの招待状】浅田次郎
京都のある街(どこだったか忘れちゃった)で生まれ育ち、
映画館オリオン座で映画を楽しんできた子供達。
そして、子供の頃からの長い付き合いの恋人同士が
その地を捨てて東京で結婚生活を送ったはいいが・・・
それから何十年、仕事で出世しその関係で引っ越そうと考えたが、
バブルの頃に買った都会から遠い街のマンションの
大幅な値下がりに売るにも売れず、
仕方なく職場近くに更にマンションを買って
夫は1人そこに住み、妻と子供は遠い街に残してきた。
これが間違いだったという。
寂しさから浮気をした夫、妻に謝罪し
「何をしてもいいが、離婚だけは出世にひびくのでしないでくれ」と。
※ 子供からの定期連絡で妻に男が出来たらしい事を知った夫が
その件を尋ねると妻はすんなり
「パート先で出会った男と付き合っている、身体の関係もある」と認める。
仮初(かりそめ)の夫婦関係、単身赴任が続いている、そんなある日。
あのオリオン座から届いた2人宛ての手紙。
「オリオン座を閉館する事になったので、
かつてオリオン座で映画を楽しんでいただいていた
2人にぜひ来て欲しい」という招待状だった。
ひさしぶりに京都に帰りたいと乗り気の妻に対し、
夫の方は知り合いその他に会い2人の現状を詮索されるのも嫌なので、
「日帰りだぞ」と念押しした上で
2人して新幹線で京都のある街のオリオン座へ向かう。
※ 新幹線の中、妻は夫に「わたし、どうしたらいい?」
と何度か(多分2人の夫婦としてのこれからについて)
質問してくる。
夫の方は、まだ若い妻が別の男に抱かれているという、
そんな妄想でついつい色を持った目で妻を見ては
首を振るという。。。
オリオン座は老夫婦が経営していた小さな映画館だった。
何十年も昔初婚の若旦那は若くして亡くなり、
その後すぐに映写技師だった今の主人と結婚した妻に対して、
周りの大人は「尻軽女め!」と内心で侮辱し、
子供達にも数十ある映画館の中でも、
「オリオン座だけには行くな」と言っていたという。
しかしオリオン座には、小学生までだけのあるサービスがあった。
じゃんけんで勝ち残った2人だけ、
映写室のイスという特等席に腰掛け
小窓から映画を観る事ができるという。
かの夫婦も、かつて子供の頃夫が小6妻が小1の頃に
2人でこの映写室で映画を観た想い出があった。
2人が来てくれた事に喜ぶオリオン座主人。
実はオリオン座の土地は既に手放しており、
その金で病気の上ボケてしまった妻を介護しやすいよう
病院の近くにマンションを買ったという。
(多分、過去関わった色々な人たちに招待状を送ったのだろうが)
集まりは悪く(映画館の方に数組程度)、
主人「もうこれくらいで、最後の上映を始めましょう」
と上映の準備をする。
※ 妻が「せっかくだからあの映写室で映画を観たい!」と
主人に頼み、夫婦は何十年かぶりに
映写室から映画を観る事になる。
そして、会話の中で2人から当時周りの大人達が
オリオン座に対してどう言っていたかを聞いた主人は、
主人「妻はけして尻軽だった訳ではないのです、
これはかつての座長(妻の親)からのお願いだったのです、
”何があっても映画館オリオン座を続けて欲しい”という。
その為に若旦那を失ってすぐ、オリオン座を続けていく為に
当時映写技師であった自分と妻は再婚したのです」と。
そして上映直前
主人「そんな妻が今日亡くなりました・・・」と一言述べて、
上映開始
~
そして終了。
夫婦2人が来てくれた事を感謝し、タクシーで駅へ向かう
2人を手を振り見送るオリオン座主人。
そしてタクシー内で、夫は何かを決意したように、
「日帰りは止めだ、今からホテルへ行こう!(妻を抱く為?)」と。
ここで~ Fin ~
多分「何があっても映画館を続ける」という決意を持って生きてきた
オリオン座主人、しかし妻の病気とボケの為オリオン座を売る決意をしたが、
その妻はあっけなく亡くなってしまった、という
そんな主人の生き様、悲しみから夫は今の自分と妻の関係について、
何か感じ入るものがあったのかと。
という朗読劇を3人で淡々と描いていたので、この時点では
「案外あっさりしているな、この淡さの朗読で
短編3本だとあまり自分はハマれそうにないかな」とか考えてました。
【押入れのちよ】萩原浩
(同じ職場の)高級品や海外旅行などが大好きな金のかかる
彼女と付き合っている主人公、
しかしある上司の新居祝いに都合悪く参加できなかった事で
執拗なイジメに合い、会社を退職する。
そして、仕事を探しつつ、今の高いマンションにも
住めないので引越し先を探すが・・・
不動産屋に対して、
「金額は5万以内で、都心から離れていなくて、
敷金礼金はなしで、しかもお風呂付き」
とかなり無茶な要求をする。
彼女がホテルその他の利用を嫌がる為、
「風呂だけは絶対に必要なんです!」と熱弁。
そんな要求に対して不動産屋は、
「あるにはあるが築はかなり古い、本当に古い。
しかしユーティリティースペースもついていて、
そこなら3万6000円、いや3万3000円、
更におまけして3万2900円でいい!」と
勝手に値下げしてまで薦めてくる。
※ ここまでの流れ、どんどん入れ替わる演者陣、
度々入る笑いネタ(入れ方やネタがうまいのでちゃんと笑える)に、
この物語は「喜劇/爆笑劇なのかな?」と。
RED THEATERの音響の良さもあって、演出も良く感じる。
確かに建物は古い上、1階にはヤクザの事務所、
そしてユーティリティースペースとは単なる押入れ、
というオチはありながら風呂付きの上この安さ、
次の仕事も見つけられていない主人公は「ここにします!」と即決する。
そして302号室へ引っ越し、両隣へ引越し祝いのタオルを持って挨拶に行くが、
301号室はどこかの国から出稼ぎに出てきて、
あまりにお金になるし住み心地もいいので
家族も呼んで大量人数で隠れ住んでいる(警察を恐れている)、
というアジア系外国人。
そして、母国語で何やら「お化けがどうこうであんたも大変だが頑張れ」と。
そして、303号室は口すらきいてくれない、
タオルも受け取ってくれない、そんな万年浪人生。
(結局入り口ポストにタオルは押し込んできた。)
気を取り直して生活を始め、彼女に連絡するが
色々と理由をつけて会ってくれない上、連絡もつかなくなってしまう。
そんな中、面接に行った会社で、かなり濃い化粧とまゆげの女社長が
「これからマツキヨを超えるドラッグストアを作る!その為にあなたも頑張って!」
と主人公を採用する。
仕事が決まって喜び、お祝いの為にお酒や
ビーフジャーキーなどを買って家へ帰る主人公。
そして酒を飲み、会社資料(女社長の顔がデカデカと写っている)など
テーブルに放り散らかして寝るのだが、
「クチャクチャ」という咀嚼音と、
そして「強情、インチキ臭い、きっと今に何かしでかす顔」
などのセリフが聞こえてくる。
気になって目を覚ます主人公、
そこには和服姿の座敷わらしのような少女がビーフジャーキーを
「馬おいしい・・・」と言いながら食べている。
「どこから入った?」「どこの家に住んでいる子だ?」
など色々質問し、部屋を調べるがどこからも
入った形跡がない上、彼女自身何も分からないという。
そして「今までどこに居た?」という質問に
少女「土の中」と・・・
そして主人公は気づく、
「301の住人も言っていた!幽霊だ!だからこの物件は安かったんだ!」と。
そして、先ほどの少女の独り言「強情、インチキ臭い、きっと今に何かしでかす顔」が
先の女社長の事である事を知り、
その瞬間にもTVのニュースでは
女社長が逮捕された事、
積極的な採用は「株主達に経営がうまくいっているかのようにだます為」だった事、
などが判明する。
主人公「なんでそんな事が分かる?」
幽霊少女「(面)相学が分かる」(顔を見て人となりを判断できる)
と。
翌日、主人公は不動産屋に電話して、不動産屋の妻に
「この部屋、幽霊が出るんでしょ!だから安かったんでしょ!
なんとかしろ!」とクレームする。
そして、夜な夜な主人公とビーフジャーキーとカルピスウォーターばかり飲む
幽霊少女との生活が続くが。
就職活動に難航する主人公はある日、
「そうだ!この少女に各会社の社長を見てもらえばどこがいい会社か分かるのでは?」
と。
そして「住むのは構わないが、いきなり出てこられると驚くから
ちゃんと合図してね」と
奇妙な2人の生活が始まる。
色々な会社の資料を集め、少女に見てもらうがどこも
「独占的、強情、私利私欲に走る」などなかなか
いい社長が見つからない。
そうしている中、少女の生い立ちなどについて色々聞いてみるが、
少女自身かなりの記憶を失っているらしく、
断片的な話しか分からない。
・ 名前は「ちよ」
・ 明治の生まれ
・ かなり遠い地で生活していた
・ 両親をなくし、ごんぞう叔父の元で暮らす事になった
・ 母親のベベはごんぞう叔父の妻や子へ
・ 父親から託された金はごんぞう叔父へ
・ そして自分は頭が悪く何も出来ないから穀潰しと呼ばれてきた
・ そしてここに来る前は土の中でミミズやオケラがくすぐったかった
(つまり死んでいた)
ちよの話は、両親をなくし、ちよの持っていた全ての財産を奪われ、
という悲しいものだった。
主人公はちよに同情しつつ、
早く仕事を見つけて連絡の取れない彼女に会わないと、
と忙しいものだったが。
ある日元の会社の同僚に連絡し、彼女の事を聞くと
(会社では付き合っている事は知られていないらしい)
「○○さんなら海外に旅行に行ってるよ?
多分△△さんと一緒なんじゃないかな、あの2人
旅行の話してたり休みも一緒の日だったりとかなり怪しかったから。
△△さんは出世株だしね」と。
彼女に捨てられた!
ショックの主人公は彼女の写真をちよに見せてみる、
ちよ「上昇志向あり、愛情は薄い」などを面相から見抜き、
主人公は彼女に見限られたのは間違いない、とがっかりする。
そしてTVにたまたま映った海外の場面、
主人公「そうだ、この国に(元)彼女は旅行に行ってるんだ・・・」
そこでニュースキャスターの女性が、
「この地にかつて日本の貧しかった少女たちが売られ、娼婦として生活させられていた」
という話をしている。
ちよ「ここに私、いた。XXちゃんもいた」と。
(??)なんで日本で死んでるちよが海外に?
詳しく色々話を聞いてみると
・ ごんぞう叔父から知らない人を紹介される
・ 横浜でアイスクリン(アイスクリーム)を食べさせてくれた
・ 船に乗って海外へいった
・ 海外でXXちゃんその他色々な友達がいた
・ ある日マラリアにかかった
・ 私は小屋の中でずっと寝かされていた
・ そして土の中
※ 娼婦だった、という記憶は戻っていない
主人公は、少女がごんぞう叔父達に海外へ娼婦として売られ、
つらい生活の上マラリアにかかり、
その薬すら与えてもらえずに死んで土に埋められた、
という事実を知る。
「こんなの悲しすぎる」と。
考えてみれば、ちよの記憶はみんな「楽しい事」ではなく
「つらい事」ばかりだったのではないか?
主人公「なんで面相学で、相手がどんな奴か分かるのにそんなに
騙され続けて来たんだ・・・」
ちよはただ微笑むばかり。
※ 考えてみれば、朗読なのに表情劇とかもやってましたね。
主人公はちよに「楽しかった事を、何か言ってみろ!」と。
ちよは必死にいろいろ思い出そうとする。
「アイスクリン美味しかった」
「船旅で海がきれいだった」
など、しかしどれもつらい記憶につながるものばかり。
※ ここで、爆笑劇のはずの物語が一気に悲しい話になってしまい、
あまりの突然さにいっきに涙腺崩壊させられました。
そこへ不動産屋から電話が。
不動産屋「恐山でイタコをやっていた霊媒師のうちの姉が下山するので、
無料ですぐに幽霊を退治しますよ!」
主人公「そういうのもういいから!」と一方的に電話を切る。
そして主人公は(就職はまだ出来てないのですが)
ちよに少しでも幸せな思いを味あわせてやろう、と
食べ物だったりどこかへ連れていってやるという約束だったり、
色々と考え話し行動するのですが。
ある日、アパートに戻ると部屋の中に
不動産屋とそして、その姉だという霊媒師が・・・
不動産屋「留守だったので合鍵を使わせてもらいました、
303号室は終わったので、次はあなたの部屋を除霊します!」と。
なんとか止めようとするが、除霊を続ける霊媒師。
※ どうやらインチキらしく、(舞台上の)ちよと
まったく別の方向に向けて除霊を続ける。
ちなみにちよは不動産屋達には見えない模様。
しかし、苦しみだすちよ、そして消えてしまう。
その後、何度呼んでもちよは現れない。
あんなインチキな霊媒師に除霊されてしまったのか。
主人公「何1つ幸せになれなかった人生の上、
幽霊になってまでまた幸せになれなかったなんて・・・」
意気消沈し、もうこのアパートに住んでいたくない、
と引っ越しを決意する。
そして、荷物を減らす為にベッドを301号室の外人にあげる事にする。
(日本人の彼女が出来たらしく)日本語ペラペラになってる外人。
外人「あなた良かったね、あの幽霊、このアパートを放火して
皆殺しにしようとしてたらしいよ」
(??)ちよがそんな事を考える訳がない、何の話だ?と。
そう、アパートに取り憑いていた幽霊とは、
303号室の浪人生の幽霊の事だった。
303号室の扉を開けてみると、焼け焦げた室内と
部屋の入り口に落ちたままの自分がさした引っ越し祝いのタオルが。
主人公「じゃあ、幽霊ってのは303号室の浪人生の事で、
ちよはそのとばっちりを食ったのか・・・」
そして引っ越した先、悲しいながらも生活を始め、
テーブルにビーフジャーキーを置いていると
なんとそこにすーっとちよが現れる。
主人公「除霊されたんじゃなかったのか!?」
ちよ「あの人達が怖かったからずっと押入れに隠れてた」
ちよ「ここにいても、いい?」
~ Fin ~
かなりボリュームのある劇かつ、
登場人物数も入れ替わり立ち代りで7,8人?いたかと。
そして中盤まで笑い中心で運びながら、
物語を本当にうまく悲しい方向に転換させていくという・・・
ちよに同情する主人公、少しでもちよに幸せになってほしいと願う主人公に
完全に気持ちを重ねました。
いいお話でした。
【虹の空】藤沢周平
時代劇。
奉公が終わり、いっぱしの大工になった主人公と
裏店(裏通り?)暮らしが嫌で、
結婚したら表店で暮らそう、という恋人。
「お互いに家族なしの天涯孤独の身なんて運命だよね」
と言う恋人に対して、嘘のつけない男は
「実は母親がいるにはいるんだ、ただし義母だし
子供の頃はいろいろひどい目に合わされて(せっかんされたり家を閉めだされたり)、
奉公で家を出て以来何度か訪ねてきたらしいが一度も会っていない、
あんなの母親じゃない」と。
しかし恋人に
「それでも母親がいるのなら、一度は会ってきなさいよ、
でも結婚して住む家に一緒に暮らすのだけは嫌だけどね」と諭され、
母親の行方(既に昔住んでいた裏店(棚かな?)は出たらしい)を探す。
そして、ある大店(おおだな)に住み込み女中として住まわせてもらっている、
という事を知る。
そして、会いに行くと女中仲間に案内され、義母と対面する。
かなり歳を重ね弱々しくなった義母。
義母の部屋にてお茶をごちそうになり、
昔の話などをするが、
「自分は今、この仕事でちゃんと生活できているし、
死んだら葬式もあげてくれると言っている、
だから自分の事なんて忘れていいんだよ」、
「10年前奉公に出てから何度か会いに行ったけど、
会ってくれなかった事で、”ああ、自分は捨てられたんだな”と
ちゃんと分かってるから大丈夫」
と、昔「ひどい目に合わせられた」はずの義母がこんなに弱々しくなっているとは・・・
「一人で大丈夫」とは言うが、体調を崩し動けなくなったら
どうするつもりなんだ、と心配になる主人公。
そして、恋人と会った時に
「2人で住むには広い家だし、義母も一緒じゃダメか?」
と聞いてしまう。
彼女「きっとそう言い出すと思ってた、でも絶対に嫌!
お母さんと一緒に住みたい、って言うんなら私にも考えがある!」と。
そして、逆キレした主人公は
「だったらこっちにも考えがある!今日はもう帰る」
「どうせまたお母さんの所へ行くつもりなんでしょ!」
と2人は別れる。
酒でも飲んで帰るつもりがついつい足は義母の住む大店の方へ、
そして再び義母の部屋でお茶を飲む。
「本当にこの大店で良くしてもらってるんだろうか?
義母は幸せなんだろうか?」と思う主人公。
そして、「ひさしぶりに肩でももんでやるよ」
と義母の肩をもむと本当に歳を取ったのだな、
という感慨にふけると共に、義母が涙しているのに気づいてしまう。
主人公「俺、結婚して新しい家に住むんだ、一緒に住まないか?」
という主人公に、
義母「そう言ってくれるのは本当にうれしい、
でもあんたが結婚する相手の娘さんからしたらこんなばあさんが
一緒にいたらどれだけ迷惑か、あたしはここで幸せだからあんたはそんな事考えないでいい」
と。
そしてその晩昔の夢を観る。
野犬に襲われる所を義母に助けられ、
最後には自分に覆いかぶさってかばう義母、
その顔は血だらけだった、
「・・・確かに、母親だった」
なんとか彼女をもう一度説得して一緒に住もうと考える。
そして大工仕事から、頭領の家へ戻った主人公に
女将が「あんたのおっかさんの働いているっていう大店が火事で大変なんだよ!」
との知らせが。
すぐさま大店へかけつける主人公。
野次馬を押しのけて現場へたどり着くが大店も燃え尽きてしまっている。
呆然とする主人公の元へ、
義母を背負った彼女が現れる。
義母「店が焼けちまって、みんなは○○さんの所へ行くって言うんだけど、
あたしまでついていっていいもんか分からなくって迷ってたんだよ、
そこを彼女さんが助けてくれて・・・」
彼女「お母さん、足をくじいてそこで倒れてたんだよ。」
主人公「でも、お前・・・」
彼女「あんたのお母さんって事はあたしのお母さんでもあるんだよ、
火事の話を聞いて慌てて飛び出したのさ」
で暗転して~ Fin ~
藤沢周平さんはあまり泣ける話書かない(書けない?)と思ってたんだけど、
なかなかにいいテンポで進んで涙腺が緩む話だった。
多分、本朗読劇での役分けの良さもあったんじゃないかなあ、と思う。
●登場人物
・ ナレーション(阪脩さん(さかおさむ、どうしてもはんじょう、って読んじゃう・・・))
・ 大工
・ 恋人
・ 義母
・ 義母と同じ家で奉公している女性
1話目は各自が自分の役とその状況説明を行ってましたが、
このお話は阪脩さんがナレーション、あとは各自が
各役のセリフを話す形。
銀河万丈さんの1人読み語りなんかだと
全役から状況説明(神の視点)まで全てお1人でやられるんですが、
本劇のメンバーでは、この3話目のような構成が
一番聴く側として感情移入しやすかったかと。
阪脩さんのなだらかなナレーションと
場面場面での各役者の会話劇、
かなり良い形に仕上がっていました。
そういう意味で、ほんと終わってみればみんないい朗読劇でした。
短篇集って事もあってまたいつもと違う朗読劇だったかなあ、と。
この3本の短編の持ってき方はある意味、緩急を意識したものだったのかなあ、と。
・ あっさりした始まり
・ 会場を爆笑の渦に巻き込み、そして涙させる
・ 涙の物語でしめくくる
という。
そう考えると、なかなかの構成力だと思いました。
あとカーテンコールで、盟友阪脩さんが故永井一郎さんの写真持って来たのを見て、
なんだか涙が出てしまいました。
※ ほんっと自分が若い頃から知ってる名役者の皆さんってもういい歳なんですよね・・・
ただ心配なのが、
阪脩さん、基本的にイスを用意してもらって
立って朗読した後座る、座ったままナレーションする、
など、かなり足腰を悪くされてるようでした。
(カーテンコールなども他の演者の方に支えてもらうなど)
ほんと、健康に気を使って来年も再来年もぜひ
朗読劇や声優業などで活躍して欲しいものです。
神山攻殻機動隊の次回作、自分はまだ諦めてません、
阪脩さんの身に何かあったら、それこそ次回作はありえなくなってしまう・・・