幾度となく、視てきた夢でありんす・・・。



眩しい日差しの下、一面の花畑に、一本だけ生えている巨大な樹木。
その木陰に女性が座り込んでおる。

女性は暗い雰囲気では無く、まるで小休止でも取っているかのような・・・。
長髪の黒髪に、白のブラウスに、花柄のスカート。
年齢にしたら幾つ位かは、判らぬ。

ただ、夢の中で、その方を見つけると、決まって駆け寄って行くわっち。
そうして、膝枕をしてもらいながら色々と話しをしんす。

女性はただ頷いたり、表情を変えたり、口は開いて貰う事は出来ぬが・・・終始、優しい雰囲気でありんす。

「貴女は姉さんなの？」

困った顔で、髪を撫でてこられる。

「わっちも、そっちへ行きたい。」

困った顔で、頬を優しく摘まれる。

これ以上、困った顔をさせてはダメかや・・・。

学校のお話、アルバイトのお話、趣味のお話。
わっちが色々とすると、ニコニコしながら髪を撫でつつ、お話しを聞いてきんす。

そして、延々の時間が流れているようにみえて・・・。



気付いたら、いつものベッドの上。
途端に襲ってくる寒気。
毛布を手繰り寄せながら・・・あの方は・・・思いに耽る。



過去に言われた事がありんす。

「アナタのね、後ろには髪の長い花柄のスカートを履いた女性がいるわ。」

・・・それが切欠で見続けている妄想だと、否定は出来ぬがな。