インタビュー
くーってほんと、ちっさくて細いよな~ ちゃんと飯食ってるのか? これからは俺が作ったの食って暮さないか?
「くーってほんと、ちっさくて細いよな~。」
大学3年生の冬。
講義が終わって××と一緒に帰っていた時の事でありんす。
「そんなことありんせんッ!!」
わっちはクルッとその場で横に一回転して全身を見せる。
「いや、なんかこう・・・ガリガリ?」
「失礼な...」
××の言葉に憤慨していると、
次の言葉が投げかけられてきんす。
「ちゃんと飯食ってるのか?」
「...のーこめんつ」
わっちは目を逸らし、何とかはぐらかそうと話題を探しんす。
っと、いきなり強風が吹き、その冷気に身震いする。
「もっと肉付けないとこの冬で死んでしまうんじゃないか?」
真剣そうな目で見下ろしてくる××。
「よしッ!!これからは俺が作ったの食って暮さないか?」
何かを一大決心したように・・・いや、本当に冗談にならないことを口にしてきんす。
顔を伏せて、××の心情に考えを巡らせる。
「何、阿呆な事を言っているのかや...大体、お互い一人暮らしじゃが、いきなりは無理じゃろう...」
「心配するな任せろ。」
「部屋も新しく探さんといかん...」
「任せろ。」
「...わっちは体が弱いから迷惑を掛ける事になりんす。」
「任せろ。」
「恥ずかしいところを見せてしまうかもしれぬ...」
「受け止めてやる。」
顔を上げると、『何も心配するな』っといった表情の××がいた。
わっちは、その表情に顔を赤らめて、
また顔を伏せ『この阿呆』っと、呟きんす・・・。