恋する寝台特急物語 フルムーンの旅3便

博也は走って総務課へ行った。
「誰か!時刻表を貸してくれ!」博也は言った。
「岡本さん?時刻表って何ですか?」
「良いからともかく貸してくれ!」
新入社員が不思議そうに言った。
「岡本課長、はい」と、総務課のお局が渡してくれた。お局は新入社員に耳打ちした。
「デジタルよりもアナログが優っていることよ」新入社員は小首を傾げた
(ここから東京駅迄10分、こののぞみに乗って、新大阪で乗り換えて…こいつだ!)
「有難う!」博也は一目散に走って行った。
「あの人、スマホ使えないんですか?」新入社員が言う。
「あの人たちは自分達で電車の時間を紙で調べて出張に行ったのよ。一分一秒無駄にせず動いていたものよ。岡本課長、旅慣れているから料金計算も間違った事もないわ」
新入社員は「そんなのスマホで一発じゃないですか?情報弱者ですよ」その言葉にお局は言った。
「情報弱者は貴方たちよ!」新入社員はビクッとした。