なのはの日記

2022年06月17日 04時41分

経験③


時期:18歳

場所:某精神病棟内

季節:8月

相手のプロフィール
仮名:トム
社会のピラミッドで一番下の層に所属しているであろうギリギリ生きてる中年男性。
相手の年齢:当時40歳
相手の身長と体重:170くらい/85㎏くらい
相手の見た目
銀縁メガネ、薄毛+センター分け、手のひらクリームパン、色白、下っ腹が出てる、ボロい長袖と半袖を重ね着してる、10歳老けて見える、脂身感あり、クセあり

当時のわたし
筋力少なめ、断食気味、髪色ブリーチ→プリン、(精神病棟なので)ノーブラユニクロ白T、半パン。クロックス。とても鬱。

当時のわたしの内面

経験②で書いたように男を誘って抜くことを生き甲斐に感じていた部分は少なからず続いていて、今と比べて危険とか後先を考えないメンヘラだった気がします。
それまでの学生時代に溜めこんでいたストレスを、性に突っ込んでゆく非日常的な感覚で潰しにかかっていた時期かもしれません。

きっかけ

保護室と呼ばれるこじんまりした空間の廊下で、テレビしか娯楽がないテーブルにトムが座っていた。
わたしは、丸3日ぶりに刑務所同然の個室から出られて、食事以外何もすべき行為がないから、朝起きたらずっと廊下の手すりでオリジナルのストレッチをしてた。

文房具の使用許可が医師から降りてからは、日がなノートと鉛筆を持ち歩いてうろうろしてた。
ほんとにやることがない空間なんです。

トムよりも先に個室から解放されたから、廊下に数個並んだ患者たちの個室をたまにドアのガラス窓から覗くことはできて、
トムみたいなおっさんや、24時間裸足で歌いつづける韓国人や、虚ろな目で車椅子に座りっぱなしのお爺ちゃんなどは確認することはできた。

トムをロックオンしてから、理由をつけて個室に入ってしまおうかと一瞬よぎったけど、保護室の個室には監視カメラがある、みたいなことを聞いた気がしてやめた。そのときは。

晩飯の前か後かだったと思う。めっちゃ覚えてるのだけど、わたしは何故かスピッツの『醒めない』っていう文字をノートに書こうとしていて、『醒』の漢字がわからなかったんです。
で、丸テーブルに猫背気味に腰かけているトムに急に話しかけた。
わたしは「あのむずかしい方のサめる、って漢字わかります?夢からさめるとかの時に使う」
とか言ってトムは多分びっくりした顔をして「若い女の子がこんなおっさんに話しかけたらよくないよ、気つけや」みたいなことを言って、一応誰もいないテーブルで何かと話した。
まあなんだろう、日雇い労働していそうな感じ。おまけに思考もずる賢い感じ。声がでかい。一応口も臭い。

だけど後々も喋っていたらわかったけど、悪い人ではなく、ただなんか下品なだけかなと感じた。

これは今の自分にも言える反省すべき点で、わたしは無意識に男性のハードルをだいぶ低めに下げて、それでもって「めちゃめちゃ悪い奴ではないな」という安心感だけを頼りに相手を見てしまっている気がする。

事の決行

結局、入院してから2週間か3週間くらいか、わたしは保護室と呼ばれる区切りからもう少し開放的な区切りへ移された。
ナースステーションが見えたり、太陽の光や景色が見れたり、保護室と比べるとまだ雑音や生活音が聞こえる病棟。
トムは、わたしよりも先に開放エリアに来ていて、まあまあ贅沢目な個室を使っていた。(室内監視カメラもない。)
だけどわたしは開放エリアに移ってきてますます不安が増えて、この頃は鳥のぬいぐるみを連れて廊下と自室を往復していた。なんか自分で書いていて可哀想。

ある日の昼間、一時間に一回の看護師の見回り点呼が終わってから急にトムの部屋のドアを開けた。
鳥のぬいぐるみを手のひらで跳ねさせながら、わたしは「キャッチボールしよー」とか言いながら入っていった。

以前、会話でトムは股間を指差して「俺はここからおしっこ以外のものを出したことがない。金がないから店も行ったことがない」と言ってた。トムは携帯電話すら持っていなかった。

窓際のべッドに足を崩して座ってるトムと、わたしは立ったままぬいぐるみでキャッチボールをした。

わたしは寂しいですオーラを上手く出せてたのかな、そこからの会話や手順をあまり思い出せない。

多分、トムがズボンからぽろんして、わたしはシーツの上で正座して潜り込む形で咥えてたかも。フィニッシュだけよく覚えている。口で咥えたまま最後までやりきる体力がなくて、わたしはトムに対面してM字のような体勢になって右足の親指と人差し指でそれを挟んでトムをイかせた。しかも結構液が飛んだから、その時履いていた青のステテコの裾がべちょんと汚れたのを覚えてる。
ちなみにトムは始まった段階で、勝手に挿入できると解釈したのか「お父さんとお母さん悲しむよ。妊娠したらどうするの」と言っていたけど残念、胸さえあまり触らせなかった。

抜いて、終わってじゃあバイバイ、と引き戸を開けた丁度その時に、あと数歩の距離で主治医がわたしの診察にやって来て
「◯◯さん探しましたよ、どこに居てたんですか?」と言われた。
でもあんまりスリルは無かった。不思議なくらい鬱っぽさの方が勝ってた。

今思う事

この3人目の思い出だけは、精神科という極端な非日常のせいか、ほんとに携帯すら持っていないトムと二度と会うことがなかったからか、他と比べて嫌な感じがしない。すごく白いイメージがある。

わたしは85日目でやっと退院に漕ぎ着けたけど、その頃には男を抜ける雰囲気は微塵もなかった。

季節が夏に近づいてこの頃を思い出したけど、ワクワクできないって悲しいなー。今はフェラすらしたいと思えないもんな。

でも医者の真白いユニフォームって興奮しますよね。 経験③おわり

かえる先生(人生は貴重やで )

ある意味、トムくんの人生にいろんな意味での爪あとを残すことができたのかもね〜♪︎(*´∇`)ノ

2022年06月17日 05時49分