ポン次郎の日記

2021年05月16日 00時41分

マンガ不滅のあなたへ 今までの感想など

タグ: 不滅のあなたへ マンガ 本日の怪文書

 不滅のあなたへがアニメ化したのでこの漫画を最新巻まで読んでみてなんとなくだが色々思ったことを書く。

 まずアニメでは今ニナンナ編が終わったあたりだが、第二部より前の話は割と一日一日を一生懸命生きる事が大変な時代の話が多い。現代に比べて死が圧倒的に身近な時代とでも言おうか、そうなると漫然と過ごしていると死んでしまうので、そこに生きる人達は何かしら強い意思と哲学を持って生きるという行為を続けている。比較的平和な状況でも与えられた役割の中で懸命に生きる人達の話だった、だから日常にすら強い意思が宿る。

 だが二部に入り、世界は平和になってしまった。

 二部はかつて程必死にならなくても死なない世界だが、ただ生きる事にあまり意味が無くなってしまった世界でもある。人々はこの世界ではただ生きる以外に何か目的を見つけなければいけない、そのためただ生きるだけでは足りない世界でよりよく生きる事を義務として背負わされてしまった。だが、死のリスク無き世界では人々は生を感じられないせいかわざわざ死に近付こうとする者もいる。
 一方、死のリスクから解放された結果社会はより高度なコミュニケーションのルールを要求するようになる。その社会は時にただ漫然と生きてる者を否定してしまい、その危うさが非常に歪に不気味に描かれている。

 一部は病んではいなかったが過酷な世界だった、二部は優しい世界だが病んでる世界だった。